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マンドリニストの群れ  作者: 湯煮損
第6章「次の学生指揮者」
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第32話「1年生の次の練習曲」

 高橋の話が終わり、解散して各練習場所に移動するかと思ったその時、水島が全体に呼びかけた。

「1、2年生の皆さんはパート練習に行く前にちょっと残ってください!」

「おっ、次期部長さまから連絡だって!3年生は早く退散じゃ!」

 高橋は水島の様子を見て3年生に呼びかけた。3年生はそれぞれ何かを察したような様子で慌てて出て行った。

 3年生が全員いなくなり、1、2年生だけになったことを確認すると水島は扉を閉め、全体に話を始めた。

「2年生のみんなは分かっていると思うけど、3年生が全国大会を終えて引退した後、三送会をやります。そして、その時に1、2年生で感謝の気持ちを込めて演奏をします!今からその楽譜を配ります!」

 水島はそう言うと各パートリーダーを呼び、束になった楽譜を渡した。

 楽譜は送別会に向いていそうなポピュラーソング2曲だった。




「それとこれも!」

 水島はそうつけ加え、さらに2種類の楽譜を配った。1stでは和田が1年生にそれぞれ楽譜を渡した。

「はいこれ!君たちが演奏するのは全部で3曲ね!」

 楽譜を見て奏太は疑問に思った。

「あれ?3曲?先輩、そっちのは…」

 和田が持っている楽譜を見て尋ねると和田はにっこり笑って答えた。

「ああ、これは2年生合奏だよ!1年生合奏はさっき渡した方!」

「え?1年生合奏?」

 1年生合奏という言葉を聞いて奏太は聞き返した。そのやりとりを見ていた水島はクスリと笑って説明した。

「そうなの!三送会は3年生への感謝を伝える回であり、私たちの成長を見せる会でもあるの!だから1、2年生の合奏2曲の他に1年生と2年生の合奏が1曲ずつあるのよ!みんなにとって初めて自分たちだけで演奏する場になるけどみんなここで大きく成長するんだよ!」

「ええ〜!!?」

 1年生だけで演奏すると聞き、1年生は全員驚いた。



「三送会って言ってるけど色んな編成で演奏あるし、実質部内発表会だね。」

「いつ頃行うんですか?」

 糸成の質問を受けて、益田が答えた。

「全国大会が終わって先輩たちが部活に来なくなってから本格的に合奏が始まって、8月の頭に毎年やってるよ。3年生の受験勉強に影響しないようにあまり後ろにくることはないかな。もっとも先輩たちがいる内は合奏できないし、準備期間はそれなりに取らないといけないから1週間ちょっとはもらえるはずだ。」

 その説明を聞いて糸成はさらに質問を続けた。

「なるほど、僕たちは自主練ってなっているので特に1年生合奏の曲を率先してやっていくことになると思うんですが、3年生に聞かれない方がいいとなると場所を変えて練習するってことでしょうか。」

 この質問には山口が答えた。

「そうね、ほったらかしみたいになっちゃって申し訳ないんだけど今日1日はとりあえず1年生は1ヶ所に集まって練習してもらうの。明日以降は3年生は受験に向けた補講が始まって5時まで部活に来ないからその時間は1、2年で三送会の練習をしていけるよ。」

「…補講!3年生ハードですね!」

 明日以降3年生が補講と練習を続けて行なっていくということを聞いて糸成は驚いた。

「そうね。全国もすぐだけど部活が終わってる人たちは文化祭を終えて受験に本腰を入れる時期だからね。3年生は精神的に辛い時期なの。2、3年の合奏時間を確保するために上級生の練習時間はこれから18時30分に伸びるの。3年生が大変な分私たちもそれに付き合って頑張るってことよ!」

 山口はそう言ってにっこり笑った。

 全国、受験、色々なことが重なる今の3年生の状況は糸成たちにとってすごく大変なことのように思えた。

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