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桜ヶ丘高校生徒会役員  作者: 嫁葉羽華流
秋の章 ~がくせいのほんぶん。~
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八十五日目、贈り物には自分が一番嬉しい物を送った方が何かと得。

「突然だが。ちょっとたんじょびーぷれじぇんつを作るぞ」

『はぁ???』


それは…いつもの会長の一言から始まった…。


「…ッツー訳で。わかったか? お前ら?」

「はぁ…つまりは前回お世話になった甲山零牙君に誕生日プレゼントを贈ろう。ということですね」

「おう!!」


いつもの元気な声で割烹着姿に着替えている会長を尻目に私は何を作ろうか、何を送ろうか…と考えていた。

さてこまった。誕生日プレゼントなんて柿ピー位しかおばあちゃんにもらったことがないので普通の価値観、というモノが全く以てわからないのだ…。

何か変なモノを送って関係が大変なことになってはいけないし…。

う〜ん…。

そんなこんなで悩んでいると端からなにやら削っている音が聞こえてきた。

見ると萩先輩がなにやら掘っているみたいだ。


「萩先輩…何を掘ってるんですか?」

「ん? 仁王像」

「明らかに掘れているモノが違う方向に行ってるんですけど!?」


そこにあったのは確かに仁王像…だけど…。

なぜに仁王像の格好で猫鍋が(ムキムキしていない状態で)固まっているんですか? 

そして掘れているモノも明らかに猫鍋(仁王像Ver.)だし…。

…他の人見てみよ。


「雫ちゃん…今からどこに行こうとしているのかな?」

「? 秋葉原ですけど…」


まあまて。

まあ待つんだ桜田ハル。

確かに雫ちゃんはゲーム大好きッ娘だしアキバに行くのもまだわかる。

なのになぜ! 黒服にアタッシュケースに黒のグラサンに身を包んでいるんですか!?

秋葉原に行く服装じゃないでしょう!?


「これが私のA−Girlスタイルです!! 軍曹さんも、レッツトライ!!」

「いやだよ!! 黒服がこれ以上集まったら○IBだよ!! そしてにこやかに黒服とアタッシュケースにグラサンを渡さない!!」


宇宙人も、エディも裸足で逃げ出すね。


「私は結構好きですけどね? これ」

「抄華ちゃん!? あなたは何を作っているのかな!?」


抄華ちゃんは自分の机の上でなにやら黒くて長くてきらきらと光るモノを整備していた。

…うん。これあれだ。間違いなくあれだ。


「吹き矢です」

「絶対に違う!!」

「冗談ですよ。ホントはデリンジャーを作ってます」

「一から作ってるの!?」


だとしたらすごい!! すごいよ!?

…あれ?

なんか…レシートが転がってる…?

ひょいとつまんで見てみたら…。


…………なぜにロフト。


深くつっこんだら負けだ。私はそう思って他の人の物を見てみた。


「春樹は…何を作ってるの!? これ!?」

「ん? 食玩」

「食玩!?」

(注;お菓子のオマケとかについているフィギュアのこと。空を飛ばない物だけを指す)


め、めっちゃりあるな…これ何!?


「? 具志堅さん」

「作るな」


私は仕方ないのでほかのところを見てみた。今回はこんなのりで進んでいくのか…?


「柊先輩は…何を編んでるんですか?」

「セーターなんだけど…なかなかにうまく作れないのよ…」


…読者さん。手編みのセーターって…普通は彼女とかが作る物じゃないのかな?

だとしたら…明さんあたりが作ってるんじゃないのかな?

でも…このセーター…。


「柊先輩? 何でこんなに袖があるんですか?」

「そうなのよ…それがうまくできなくて…」


うまくできないとか、そういうレベルじゃないと思う。これは。



はぁ…全く以て何を作ればいいのか…わからないよ…。

みんなのを見て混乱するばっかりだし…。


「あ、そういえば会長何を作ってるんだろ」


そう思って食堂へと足を進めてみた。


〜数分後〜


と、言うわけで食堂まで来た訳なんですが…。


「会長…何を作ってるんですか?」

「ん? 何って…今川焼きだが?」


なるほど。今川焼きですか。

ですが今川焼きはこんな風にたくさんあるわけ無いと思うんですけど? いっつも食べるところに特設で作られたのは特大今川焼き用プレート。その中にはたくさんの今川焼き候補が…。


「こんなに作って…どうする気なんですか?」

「だから誕生日プレゼントなんだよ。雁岨、そこにあるクリームとってくれ」

「あいわかった」


いつの間にやら雁岨さんも一緒に作ってるし…。


「何があったらここまで二人の仲は進展するんですか!?」


確か何ヶ月か前には戦いあってた仲だよね?


「愛じゃないか?」

「愛で何ができると言うんですか!?」

「子供ができるっ!!」

「自信満々に下ネタを吐くなっ!! あんたは!!」



そんなこんなで見て回ってみた。

そうしたらまぁ…やっぱりっちゃぁやっぱりなんだけど…。

おばあちゃん…何を作ってるんですか?


「なにって…もちろん誕生日ケーキだけど?」

「誕生日ケーキってこんなどす黒い色をしていましたっけ?」


なんかどっかのモンスターの亜種のごとき黒さなんだけど? これ。もはや誕生日ケーキではなく炭なんだけど。


「まぁ…せっかく作ったんだし。これも送っ」

「っちゃだめだから!!」


…結局。どうなったのかって?

宅配便で全て強制的に送られた。

え? 私は何を送ったのかって?

…胃薬。一ダース。

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