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桜ヶ丘高校生徒会役員  作者: 嫁葉羽華流
秋の章 ~がくせいのほんぶん。~
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八十四日目、生還の声と林檎と泣声。

アイドル編、最終章です。

…すっげぇぐだぐだ感があるんですけど…。

りゅう…すけ…?


私は手に持っていたチェーンソーを落とした。

チェーンソーは地面に突き刺さり、刃は地面を穿つように回っている。


―――どうした、秋原?

―――早く夏樹を殺せ!

「…だ…」

―――ん?

「…い…や…」


声が、でた。

その瞬間、


「……うぉあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああ!!」

「! 竜介!」


竜介はいきなり暴れ出した。苦しそうに胸を押さえている。

私は竜介をなだめるように抱きしめた。


「竜介っ! 竜介っ!!」

「がぁぁぁぁぁあああああっ!! あぁぁぁぁぁぁぁああああああ!!!」


それでも竜介は叫び、暴れるのを止めない。

何でだ!? 何でこうなっているんだ!?


―――秋原、夏樹を救いたいか?

「…………」

―――だったら、竜介を殺せ。

「…うるさい…」

―――お前の持っているその刃は、何のためにある?

「…黙れ」

―――殺すためだろう?

「…黙れ…っ」

―――だったら、何のためらいがある?

「…黙れぇっ!」

―――苦しまずに、殺せ。

「やめろぉぉおおおおおおおおおお!!」


私は叫んだ。

これ以上、この声は聞きたくない!

うんざりだ!! 人を殺す事なんて!

以前に殺したのは何人だ!? 何人殺せば気が済んだ!?

十人?

二十人?

三十人か!?

それでもお前は殺したり無いというのか!? 是一!!

もう私は、殺したくない!! 殺したくはないんだっ!


「…が…しょ…」

「竜介…!」


竜介は正気を取り戻していた。だが苦しそうだ。


「がん…しょ…こえ…」

「そんなことはどうでもいい! 苦しんでいるじゃないか! 貴様は!」

「へ…へへ…変わったなぁ…お前はよぉ…」

「うるさい! 黙らなければ無理矢理その口をふさぐぞ!」

「…へへ…がんしょ…めちゃくちゃ苦しい…ぜ…」


そして私は

竜介の口を無理矢理奪った。

前が見えない。なんかぼやけてきた。

改めてみてみたら、竜介は気絶していた。


「ちょ…竜介!? 竜介ぇぇぇぇええええ!?」















「…んで。俺はここにいる訳なんだが。何でお前らまでぼろぼろの状態で入院してるんだ?」

「いろいろあったということで。っていうか、その話、全部雁岨さんがしてくれたんじゃ…」

「いいんだ。桜田。ほら竜介。剥けたぞリンゴ」

「おお。あんがとな」

「雁岨さん。ちょっとそのリンゴ剥きようのチェーンソーはどうにかなんないんですか?」

「これ以外に使用用途がないだろう? こんな物」


え〜っと…いろいろとわからない人のためにちょっと説明。

今私たちは病院にいます。はい。

会長は井宮さんのヘリにて無事生還そして病院に担ぎ込まれたときには心臓停止(そして奇跡の生還を果たした)、私は…まぁ、追々説明するとして。

ほかの面々も私と同じ事情でぼろぼろの状態で担ぎ込まれました。桜ヶ丘高校病院へと。

まっちろな部屋には寝てたりパソコンいじってたりゲームしてたり銃器をいじくってたりしていました。

そして…雁岨さん。あんた何で普通にしゃべれるようになったんですか?


「…そこはほら、『愛の力』?」

「…どこに愛が関与しているんだか」


会長。そんなこというんだったら顔を見せて…いや、やっぱいいか。鏡見てみたらわかるもんね。

会長。幸せそうに笑ってるよ。

ほんと。見ている方まで幸せになってくねぇ…。


あれ? 私なんか親父くさくないか? この思考は。















「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁああああああああ!!! あとちょっっっっっっっっっとだったのにいいいいいい!!」

「…黒芽、うるさいぞ」


どこかわからない場所。一人のアイドルは別人のごとく髪を振り乱し、かき乱していた。

それを傍観するのは、一人の男。


「あんたにはわかんないんだろうね!! もうちょっとでお兄ちゃんをこっち側に引き込めるところだったのに!! あと少し! あと少しで! それなのに! それなのにそれなのにそれなのにそれなのに!!」

「黒芽」

「洗脳はあっさりいった!! 私の『眼』もちゃんと使えた!! 洗脳は完璧にいった!! それなのに!! アイツ・・・からもらったモノはきっちりと使えたはずなんだっ!」

「私も同じだ。黒芽」

「…そうだ…次も私が行けばいいんだ…そうすれば今度こそお兄ちゃんをこっちに…」

「勘違いするな黒芽ッ!」


今まで黙っていた男はアイドルをたしなめた。アイドルは「ひぅ」と一言呻いて、

いきなり膝を抱えてふるえだした。男はそれに気づいているのか、それでも話は続ける。


「お前に力をくれた天使は今はどこにもいない! それをお前の力と勘違いするなっ!! そして私たちの目的を忘れるな! 私たちの目的はあくまでも桜田ハルだ!! 夏樹竜介ではない!」

「ごめんなさい…ごめんなさい…」

「それがわかったら次のバックアップに回れ。いいな?」

「………………………」


やがて声は聞こえなくなった。

誰かが立ち去る音の後、嗚咽が聞こえてきた。

ただの一人・・・・・の女の子・・・・の、嗚咽混じりの鳴き声が聞こえてきた。

はい! 謎が残りまくりデスね!!

と、いうわけで…たすけてぇぇぇぇぇええええ! キザかめぇぇぇぇえぇん!!

と、いうわけで。何気に人気投票で人気がある、キザ仮面が…!? 出てくる!? かな? かな? かな?

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