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桜ヶ丘高校生徒会役員  作者: 嫁葉羽華流
秋の章 ~がくせいのほんぶん。~
88/151

八十一日目、ほかに好きな人が結婚式とかに乱入するのはちょっといいかな。

さて…そろそろ日も傾いてきたな…。だんだんと寒くなってきた…。

私はそのまま入り口から帰ろうとしていた。

そのときだった。


【ピンポンパンポーン。えー、園内にいる桜ヶ丘高校生徒会役員の皆さんに告ぎまーす】


む? これは…あのガキんちょの声…?

私は歩こうとしたその足を止めてとりあえずその放送を聞くことにした。

いつぞや、竜介アイツに伝えることがあるのかもしれないしな。


……………………。


いや、やはり無いだろう。

私はやはりそのまま帰ろうとした。

次の放送を聞かなければ。


【ただいま、ここにいる生徒会長のお兄ちゃん・・・・・は…私が拉致っちゃいました〜! てへ☆】


な…に…?

竜介が…拉致られた…だと…?

馬鹿な。そんなことがあるわけ…。


『すまん。今行われている放送だが…』


私は近くにいたスタッフにこの放送の事を聞こうとした。

が、


「…エルちゃんのために…」

「?」

「…エルちゃんのために…」


そのままスタッフは私につかみかかってきた。

が、私はそのまま出してきたスタッフの腕を近くにあったホウキで絡め取り、

スタッフを引きずり出し、ホウキで叩きのめした。


まったく…なんなんだ…? こいつらは…?


私は不思議に思いながらも一度来た道をまた戻ることにした。

…あれだ。読者の皆さん。

こ、これは…その…りゅ、竜介のことが心配とか…そう言うわけではなく…その…。

そ、そうだ! 桜田たちだ!

桜田たちが心配だから一度来た道を戻っているんだ!








…竜介は、大丈夫かな?

…!? な、なななななな何を思っているんだ!? 私!?

だから…竜介のことが心配とか、そう言うことはなくて…。

(…ぐだぐだ言わずに、さっさと行けばいいのに。By、作者)




「てぇぇぇぇぇぇい!!」


また一人私は殴り倒した。

…っていうか…何人いるのよ…。

見た限り、男の人とか女の人とかいろいろいるけど…みんな狂ったように何かをうわごとみたいにつぶやくし…。なんだってのよ…もう…。

そしたらまた一人こちらに向かってつかみかかってきた。

が、私はのばしてきた腕を両手でつかみくるっと半回転をして…。

秘技…。


「背負い投げッ!!」


とまぁ相手を地面に向かってぶん投げた…いや、たたきつけた、と言った方が正しいのかもしれない。

そしたらまたしても人が来て…。

今度は鳩尾めがけて右肘をグーにして引き…思いっきり相手に向かって放つ!

これぞまさしく正拳突き。

相手が少しひるんだ隙に相手の腹に蹴りを放って地面に寝させた。

…すでに地面には何人も倒れている。

…もう…なんなのよ…もう…。

……ってへばってたらいつの間にやら一斉に!?

ちょ、待って! なんで…うわっ!? ちょ…変なとこさわんないでよ!? てかそこ…む…胸…!

今さわった奴出てこい!! あれ? いつの間にやら…ぐるぐる巻きにされてるぅぅぅううう!?

ちょ…どこに連れてかれるんですか!? 

あの…その…ちょ…やめ…ッつーか…ほどけやコルァァァァァァァァアアアアア!!















「えっへっへ〜♪ お兄ちゃん? 起きたぁ〜?」

「…ああ」

ここは教会。竜介は今の今まで寝ていたらしい。

そして…今竜介が着ている服はさっきまで着ていたラフな服とは違い、黒いタキシードを着ていた。

それに対応するように、エルは白いウエディングドレス…スカートは動きやすいようにミニになっている。

竜介はすっくと立ち上がると、こんなことを言った。


「エルちゃん…結婚でもするか?」


普段の竜介ならば言いかねなさそうだが、絶対に言わない台詞だ。

が、竜介はそれを何の気もなしに言った。

エルはそれを見て口の端をふっと曲げると、


「いいよ♪ 私、お兄ちゃんの物になるんだからね♪」


軽快な声で、嬉しそうに言った。

竜介がエルの手を引いて祭壇の前に行っていたとき、彼女は声には出さずにつぶやいた。

やったね、と。



いつの間にやら教会にはいろんな人が集まっていた。だが、そこに集まっている人たちには、目に生気が宿っていなかった。言ってみれば動かされている・・・・・・・ような…人形のような感じだった。

やがて、サンタクロースのようにひげを蓄えた神父がやってきた。

神父はエルに向かって言った。

「汝エルはこの男、竜介を夫と認め、病めるときも、また健やかなるときも、一緒にいることを誓うか?」

「はい♪ 誓います☆」

神父はエルに向かって少し頷くと、今度は竜介に向かって言った。

「汝竜介はこの女、エルを妻と認め、喜ばしいときも、また悲しきときも、一緒にいることを誓うか?」

「…はい。誓います」

竜介は抑揚のない声でそう答えた後、神父は静かに、

「では、誓いのキスを」

そう言って竜介はその小さな唇に向かって自身の口を近づけて行った。

あと五センチ…。

あと四センチ…。

あと三センチ…。

あと二センチ…。

もう少し…! 

もう少しで二人の口が重なり合おうとしたときだった。

教会の扉が勢いよく開かれた。

少し朱くなった教会の床には人影が映し出された。

そして…入ってきた人影は徐々に姿を現しながら書かれたスケッチブックを神父に向かって投げた。

『…その結婚、ちょっと待った』

やがて人影ははっきりと見えた。その姿は…。

「…あなたは、だあれ?」

『そこら辺にしておけ。ガキんちょ。私の目が黒いうちは竜介と不法に結婚なぞさせんぞ? そう…』

そして…その人は長い黒髪を勢いよく掻き上げた。

『この夏樹竜介の彼女、秋原雁岨が、な』

この文章が書かれた、懐に非常用に忍ばせていたチラシを後で見せて。















『まだまだ、続くぞ? p('O')q』(By、秋原雁岨)

次回、ちょっとした…恋愛になりそうな模様…?

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