七十九日目、うらやましさは山の如し。
屋上にて。天気は快晴俺の心は超快晴!!
なぜかって? そいつぁなぁ…。
「はい♪ お兄ちゃん、あーんっ☆」
「あーんっ」
ぱくっ。
ちょっと塩味が聞いた卵焼きが俺の口の中でワルツを踊ってる…。
だって…だって…作ってくれた人が人だもん!! うめぇ…うめぇよ!! エルちゃん!!
(注;夏樹視線です)
「お兄ちゃん? エルの作った卵焼き、おいしい?」
「おいしい…おいしいよぅ…」
くっはぁぁぁぁぁあぁぁぁぁあああああ!! 天下一品国士無双天上天下唯我独尊系(要するに、めっちゃかわいい)アイドル、黒芽エルちゃんの作ってくれた卵焼きがくそまずいなんて言えるかボケぇぇぇえぇぇえええええ!! だって…だって!! まさに天国へと上り詰めるような感じ! 今なら…夏樹は死ねます!!
(注;夏樹視線です)
「お、お兄ちゃん…? 何で泣いてるの…?」
「うぅ…あまりにもエルちゃんの作ってくれた卵焼きがおいしいからだよぅ…」
「あ、そ、そうなんだ…よかった…あれ…? なんでだろ…? なんか私まで、涙が出てきたよ…?」
うあぁぁぁぁぁぁぁぁああああ!!
だ、だめだ!! かわいE!! かわE過ぎるZE!!
ま、まて!! 夏樹竜介!! お前は男だ!! いくら何でも女の子…それもアイドルに…!
アイドルに襲いかかってはいかんだろう!! 冷製になれ!! 間違えた冷静になれ!! 夏樹!!
(注;再三再四言いますが、夏樹以下略)
「と、とととっと、ところで…エルちゃん? あの…お仕事の方は行かなくて、いいのかな? かな?」
「お、お兄ちゃん!? なんだかひぐらしが鳴く頃に言いそうな言葉を使ってるよ!?」
「HAHAHA! 気にしないでくれ!! それよりか…いいのかい? 仕事は」
「うん! 今は休養中だから!!」
「はえ? …あぁ、なるほどな。休みって訳か…」
「うん☆」
ぐはぁぁぁぁぁあぁぁぁあぁあああああああ!!
またしても天使のような微笑み!!
こ…これは…!
これはかなりクル物がある!!
と、そこまで思ったとき。
背中から…
背中から殺気が!!
と、当時に何かが割れた音がしたが、気にしない気にしない。
『りゅ〜う〜す〜けぇ〜…!!』
「が、雁岨さん…落ち着いて…!」
私の手の中には持っていた双眼鏡が粉々に砕けていた。
きっと今の私からは、どす黒いオーラが出ているに違いない。
『桜田!! 貴様は何とも思わんのか!? 夏樹があんなに他人にデレデレと…デレデレと!!』
「だから雁岨さん落ち着いて!! ここで見張ってる意味が無いじゃないですか!! 会長は勘がいいんですから!!」
竜介はあの黒芽エルとか言うアイドルと一緒にご飯(どうやらあのアイドルの手作りらしい)を食べている…嬉しそうに。
そして私たちは様子が急変した夏樹をずっと監視しているのだ。
…にしても…。
にしても竜介め…!
私の前でも見せたことがないような笑顔をあの娘見せおってからに…!
『妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい妬ましい…』
「が、雁岨、さん…?」
『桜田…今すぐに桧木を呼んでこい』
「何で桧木ちゃんを…? はっ!? まさか!!」
『ちっ。気づかれたか』
「だめですよ!! 抄華ちゃんに言って、ロケットランチャーか何かを貸してもらうんでしょう!?」
『だめか?』
「だめですよ!! ってあれ? 何か渡してますね?」
『!? あ…あれは…!』
「あの…お兄ちゃん…」
「どしたんだ? エルちゃん? そんなにもじもじさせて」
「これ…友達からもらったんだけど…一緒に行かない?」
そう言って華奢なエルちゃんの手から渡された物は…薄桃太郎ランドのペアチケット(しかもフリーパス付き)!?
「ど…どうしてこんなもんを…俺に…?」
「……から」
「へ?」
「な、仲良くなりたいから!!」
っぶっしゃぁぁあぁぁあぁぁぁぁあああああああ!!
は、ハニカミ気味のアッパーがきたぁぁぁぁああああ!!
彼女は…彼女はいったい…どこまで進化すると言うんだ!?
なんか…なんかエルちゃんが…あわてふためいてるけど…いいや…俺今…超絶に…幸せだから…。
『…と、言うことだ。ここまでターゲットはデレデレだ』
「これは…ゆゆしき事態ですね…」
「一大事とは思っていましたけど…まさかここまでとは…」
「んで? どうするんですか? 元会長?」
ここは桜ヶ丘高校生徒会室。そして…暗幕がたれている。そろそろ冬の時期なのでストーブが入れたいところだが、そんなことはどうでもいい!
問題は…。
『ターゲットとあのガキんちょをどうやっていたぶ…もとい、離れさせるかだが…』
「あの…雁岨先輩? 何でそこいたぶるんですか?」
『…竜介には徹底的に絶望を味わってもらう』
「怖い!! 今まで元会長にはつきあって来ましたが…ここまで怖いことはありませんでした!!」
『ふっふっふ…そうだろう…そうだろう!!』
「で? どうやって邪魔をするんですか?」
そして…私は決戦の場所をスクリ−ンに出した。無論、写真だ。
『薄桃色ランド…ここで邪魔をする』
「なるほど…僕らが職員になって邪魔をするんですね?」
『That`s rignt。と、言うわけで柊、頼むぞ』
決戦は…日曜日だ!
「つづく、かも☆ かも☆ かも!」(By、黒芽エル)