七十四日目、おれは しんせかいの かみになるおとこだ!! 下話
「ここ…?」
「ここですね」
「ここなんだね」
「ここのようだね」
『どうやらここらしいな』
「…なぁ、縄をゆるめるという選択肢はないのか?」
『ない』
「………………」
会長が泣きそうな顔をしているのを無視して私は後ろにいる清水先生と…。
桜ヶ丘チルドレンを見てみた。
「おなかへった〜」
「おしっこ〜」
「…ねむい」
「つかれた〜おんぶ〜」
「はいはい…甲賀せん…もとい、甲賀ちゃん、あなたはさっきおんぶしたじゃないですかぁ。ほら、雫ちゃん。あたらしいぺろぺろキャンデーですよぉ。桔梗ちゃん、あともうちょっとの我慢ですからねぇ。柊ちゃん、井宮さんと一緒におトイレに行っててくださいねぇ」
…ぷ、プロだ。
ちっちゃくなったみんなの要望に的確に応えてる…!
この人、保育園の先生になった方がいいんじゃないのかな?
「何か言いましたかぁ? 桜田さん?」
「いいえ何も思ってませんし考えてもいませんともはい」
「ならばいいんですよぉ」
…こ、こええ。
初めてこの人の笑顔が怖いと思ったよ…。
そして…。いろいろな準備(トイレ行ったりご飯食べたりetc,)をして…。
「じゃぁ…あけるよ?」
全員が首肯(桜ヶ丘チルドレン以外)。
そして…私は扉を開ける!
するとそこには…。
「な…なに…ここ…?」
「ここは…」
「…服?」
そこは文字どうり服の海だった。
見渡す限り服。服。服。
地味な色のものから、派手なものまで。とにかく古今東西いろんな服があったりした。
「…どっから持ってきたんだろ?」
時には腰蓑とかがあったりした(ブラは貝殻デフォルメ)。
そして…会長は鼻をしきりにひくひくさせて、
「…こ、これは…!」
『どうした? 竜介』
「間違いない! ここにあるのは全て使用済みだ!」
「ある種の人が聞いたら確実に鼻血吹いてぶっ倒れるところですねっ!」
と、いうより!
さっきあげた腰蓑とか、ボンテージとか、女王様衣装は誰が着て誰が使ったのかな!?
そして…それより問題なのは…!
「何で服のサイズがどれもこれもちっちゃいんだぁあぁぁぁぁあぁぁぁあああああ!!!??」
あぁぁぁ…
あぁぁぁぁ…
あぁぁぁぁぁぁぁ…
「普通、こういうところではこだまとか、エコーは起きないんだけどね」
「…特殊効果でしょうか?」
「皆さん? 平然としてますけど、これ結構問題行動だと思いますよ?」
「わぁってる」
そして…会長は前に出てきて。
「そこにいる奴! 隠れてないで出てこい! とっくの昔に年貢は納めおわってんぞ!」
訳のわからない台詞を吐いて隠れている人が出てくるよう促した。
するとそこから…。
リクルートスーツ。
茶髪。
それなりに整った顔。
そして…その人の右手には…黒いノー
「もうやめてぇぇぇえぇぇえぇぇえぇえぇえ!!! これ以上私に描写の感想をさせるのはやめてぇえぇぇええぇぇえええ!!」
これ拷問だ! 間違いなくこれ拷問だ! 諜報機関とかでこれつかわれるんじゃね!?
「くっくっく…よく来たね。歓迎するよ。桜ヶ丘高校生徒会役員の諸君?」
「な…何でわかったの!?」
『いや…学生服を見たら誰でもわかるような気がするんだが…』
さておき。
「一連のハーレ…もとい、怪現象を起こしているのはお前か!?」
「いかにも。僕の名前は麻上輝。新世界の神となる男だ」
「ほほう…? 俺と趣味がよく合うようじゃねぇか…っつーわけだ。これにて今日は終了! おつかれ」
「まてまてまて!! ここで終わりにしたらいかんでしょうが!!」
「…冗談だ」
『竜介…イッペン、シンデミル?』
「怖いからやめてぇぇえぇぇえぇぇえええええ!! 某少女のような脅しを使うのはやめてぇぇえぇぇえええええ!!」
「…結局何をしにきたんだ? お前ら」
「そ、そうだった…。柊先輩たちを元に戻してください!」
本題を切り出すとその男…麻上は笑って、
「何を言う!? 彼女たちはいち早く新世界の住人になれたんだ! みすみす手放すわけにはいかない!」
「くっ…! あなたは狂ってる!」
「狂ってる? 誰のことをいってるんだ!? 貴様!? 最近は児童ポルノ法というのができて、ロリコンのエロ動画が少なくなったんだぞ!?」
「それでいいんだと思う」
「右に同じく」
「…とにかく! 今の日本は腐ってる! 腐った日本を変えるのは、僕しかいないんだ!」
「いや、腐ってるのはあんたの方だと思うよ? 頭が」
「…以下同文ですね」
「…ぐっ…! やはり…新世界の神の力を見せるしかないようだな!」
そう言って麻上は指をぱちんと鳴らすと…。
まー出てきた。
たくさん出てきた。
黒服マシンガン装備連中が。
「ノート使うんじゃないのな」
「って死ぬ死ぬ死ぬ死ぬ!!」
「新世界の神の力を見ろ!!」
そして自分はどこかに逃げてしまった。それを合図として、黒服たちはマシンガン乱射!
でも…当たって無っ!
どれもこれも銃弾が見当違いの方向に飛んでいってばかりだよ。これ。
「ばぶ〜」
「ちょ…抄華ちゃん!? だめだよ、勝手に出て行ったら…」
「だ〜」
そして…抄華ちゃんは…。
どこからともなく取り出したロケットランチャーを発射しました。
…って、おいいいいいい!!
「危険! いっつ危険!! デンジャラスベイビー!!」
まさしく抄華ちゃんはいつものごとく普通に平然とロケランを発射させていました。
そして…本人は、
「きゃっ♪ きゃっ♪」
喜んでました。
鬼子だ。この子、かわいいなりして中身は鬼だ。
…さて。
そんな抄華ちゃんの協力あってか、黒服を蹴散らしたあと、そこにはやはり麻上がいた。
そして…一心不乱に何かを書いているみたいだった。
まさか…!
あれは間違いなく…。
デス…
「だからぁあぁぁあぁああぁぁあぁあああ!! こういう連想はやめてぇぇえぇえぇぇええええ!!」
「馬鹿! 桜田、気づかれるだろうが!」
「もう…おそい…!」
その声が聞こえてきたと思ったら秋原さんが崩れ落ちるように倒れた。
「雁岨!」
「りゅ…すけ………………」
その言葉(?)を最後に…秋原さんもロリータ体型に…!
「あっはっはっはっは! すばらしい! すばらしいぞ! このロリノートは!」
「「ろ、ろりのーとぉぉぉおおおお!?」」
こ…ここまで来て作者はついにジャンプネタを…!
「…!? なぜそれが!? それは柊グループが厳重に保管してあったはず…!」
「ふっ…死神が僕にくれたのさ…『新世界を創造しろ』とね!」
うわーここまできてさらにきたよジャンプネタ。
「こんな新世界やだなぁ…」
「ふっ…まあいいさ。このノートさえあれば僕は神…」
「抄華ちゃん、発火弾発射」
「ばぶ〜」
そして…見事に抄華ちゃんが放った弾はロリノートとやらに当たった。
めらめらと燃えるロリノート。
「あ…あああああ!!」
それを必死に消そうとする麻上。
しかし…所詮は紙。すぐに燃え尽きてしまって…そして…。
みんなの体が元に戻った。
ん…?
元に戻った…?
と…言うことはデスよ?
今までみんなが来ていたのは一応幼児用の服である訳なのだから…。
高校生のサイズだと…!?
…………男性の読者の方はティッシュの用意を。
というより…。
「会長萩先輩ついでに春樹!!」
「「はい?」」
「お前ら少し天空の城に遊びに行ってこいやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ!!!」
そして三人まとめてアッパーカット。
そして…男性読者のために…。
表現は自主規制!!
※あえて言わせてもらうとしたら、雁岨は出るとこ出てて、コガセンは平均的な大きさ。柊さんはモデル的な体型(てな感じでキレイ)で、桧木はほぼ絶壁、雫はまぁ…一般てk
「「「「「作者しねぇぇぇええぇえぇえぇえぇえぇえぇえぇええぇぇぇぇぇぇぇぇええええ!!!」」」」」
『殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺殺』
※え? ちょ、ま、やめ、ぎゃぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁ
がががががががががががががちゅいーんちゅいーんざくざくざくざくぼごっぼごっぼごっぼごっどががががががががががががが…。
「はぁ…はぁ…はぁ…」
麻上は走っていた。
まだ日は高いがそれでも全力で走っていた。
そして麻上はさらに狂気に満ちた目ですでにはるか後ろにある倉庫を見た。
あそこにはもう行けないだろう。
だからこそ、と思って麻上は懐に手を伸ばした。
そこには白紙のルーズリーフがあった。それらは何枚かしわが寄っていたりちぎれていたり焼けて茶色く黄ばんではいたが、文字が書けないほど黄色くはなっていなさそうだった。
これがある限り、自分は負けない。
あいつらや、あの女にも…。
負けない。負けるはずがない。
だからこそ、ここは一旦引く。
退却だ。
そう思いながら麻上はビル街に走っていった。
はい。なんかミステリアスな感じで終わりましたね。
そうです。麻上はまた出てきます。
どこで出てくるのか?
…お客さん、そこは言ったらネタバレってぇもんですよ…。