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桜ヶ丘高校生徒会役員  作者: 嫁葉羽華流
秋の章 ~がくせいのほんぶん。~
76/151

七十日目、真の敵は己だったりする

「ふぁぁ〜あ…」


朝早くから気の抜けた欠伸をして廊下を歩いているのはご存じ皆様の主人公桜田ハルでっす。

にしても眠いですねぇ…。


「秋眠、暁を覚えず…かぁ…」


柄にもなくそんなことをつぶやきながら歩いていたら。


「ぐおっ!!?」


こけた。盛大にこけた。

…ちょ、読者さん!? 何パンツの柄見てるんですか!?

健康なる男子読者ならまだわかりますけど、女性読者の方!!

…そんな趣味を持っていらしたんですか…?


「まったく…なにがいったい…」


どうなっているんだ、と思って生徒会室の扉を開けた。


「おはよーございま…」

「ハルちゃん、早いわね。もうあの書類を提出してくれたの?」

「桜田さん、今度はこっちの書類のまとめをやってね」

「軍曹さん、この書類なんですけど…どうすれば…」

「は? は? はぁ!?」


な、何が何だかちんぷんかんぷん。みんなしていったい何を言ってらっしゃるんですか!?


「え? だって桜田さん、さっき…」


〜桜田ハルが起きる数時間前〜


みんなは今日もまじめに仕事をしているなぁ…。

て、いうか…。これぼく目線だね。うん。ひょっとして…初めての感覚?


「お早うございます」

「あ、桜田さん、お早う」


そうやってきたのはこの時間はちょっと珍しい桜田さんがやってきた。

…? なんか…雰囲気が違う?

なんかこう…処女然としたオーラが…。


「さて…副会長」

「? なに?」

「今日の仕事はなんですか?」


え?

僕は今、幻聴が聞こえたのかな?

いつもならば嫌々ながらに仕事をする桜田さんが、率先して仕事をするような言動を…。


「副会長? どうなさったんですか? 今日の仕事は?」

「あ、ああ…ええっと…これ、だけど…」

「ふむ…たしかこちらの書類はこちらと同じような形式の書類がありましたので、こちらを模倣しても…」

「あ、うん…別にいいけど…」

「ありがとうございます」


さ、桜田さんが…。

桜田さんが…まじめに仕事をしている!!


「は、萩先輩!? ど、どうしたんですか!? ハルさんは!?」

「ぐ、軍曹さんなんか悪いものでも食べちゃったとか、そんなことでも起きたんですか!?」

「ハルちゃんがこんなことになるなんて…予想外だわ…」

「な…何で僕のところにくるのかもわからないけど…とりあえずみんな、落ち着いて…」

「何をなさっているのですか、皆さん?」


うわぁ!? い、いつのまにやら僕のスペア眼鏡をかけている!?

し…しかも…インテリっぽく見える…!


「さて…早く終わらせて、読書でもたしなみますか。チェーホフがいいでしょうか?」

((しかもインテリ系のボケ!?))


さ、桜田さんが…更生された!!

そして僕らは桜田さんにたくさんの仕事を任せた。


〜現在〜


「と、言うわけで…」

「何がと言うわけですかっ!!」


激昂するよ!? 誰だってそんな話を聞いたら激昂するよ!?


「とにかく!! どこのどいつなんですかそいつは!! 捕まえてふんじばってやりますよ!!」

「それはあなたの方ではないのかしら? 偽物さん」


と…そこに現れたのは…。

私だった。

本物わたしと寸分違わず作られた私がそこに立っていた。

そいつはにこっと笑うと、


「初めまして。私、桜ヶ丘高校生徒会役員庶務雑務担当、桜田ハルでございます。以後、お見知りおきを」

「んなぁぁぁぁぁあああ!? そ、それはこっちの台詞よ!! なぁ〜にが『以後お見知りおきを』よ!」

「では、お聞きしますが、あなたのお名前は?」

「私? 私は『               、    』よ!! 文句ある!?」

「はははははははははハルさん!? 名前と前口上が言えてませんよ!! ていうかありません!!」

「んなっ!? まさか…『    』へ? 『    』っ!! …うそ?」


自分の名前が、言えない?

そしたら偽物はくすくすと笑い、


「どうしたのかしら? 偽物さん。自分の名前を言ってご覧なさい?」

「い、今言うわよ! せかさないで!!」


そして私は大きく息を吸って、そして…。


「『    』!!!」


思いっきり自分の名前を叫んでみた。が、


「なんておっしゃったのかしら? 全っ然聞こえないんだけど?」


なんで?

何で自分の名前が言えないの?

そうやって呆然としていたら目の前が一瞬暗くなった。


(んなっ!? め、目が…かすむ…)


そして机に手を置いたとき、

気のせいだったか。手が透けた。


「!?」

「ほら…やっぱり偽物は消えゆく運命なのよ…さぁ…『消えなさい』。

ここは・・・あなたの居ていい場所・・・・・・・・・・じゃなくってよ・・・・・・・?」


そして、私の目の前が暗くなって、

意識が、遠くなった。

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