六十六日目、その人は綺麗で華麗でめちゃ強くの一!
今回は桔梗が結構出てくるお話です…。大変だったよ…
桔梗「ふむ…これは汚れ仕事をした私への対価、か?」
どうとでも受け取れ…。
「ふぅ〜…いいお湯だった…」
「あ、ハルさん。上がったんですか」
「うん。先に入ってたよ」
ども。皆さん。桜田ハルです。ただいま私たちは生徒会室棟女子寮の部屋にいます。このへやって意外に快適なんですよ。
勉強机完備(ほとんど使ってないけど)。
クーラー、暖房、コタツ完備(オプションにミカンです。豪華っしょ?)。
そしてお風呂やシステムキッチンまである!!
…どうしてここはそんなに生徒会にお金を出してるんだろ?
「まぁ、いいことじゃないですか」
「そだね」
細かいことは気にしちゃいけない! 人生を楽しむコツは何事も楽しむこと…って。
な、なんか…。
天井になんかいる!?
「しょ、抄華ちゃん! 天井に何かいる!」
「ネズミか何かじゃないですか? 私のベットの下にスミス&ウェッソンM67のマスターピース版があるはずですよ? それで撃ち抜いてください」
「天井裏が悲惨になるよ!! いやだよ! そんなところで寝るなんて!!」
抄華ちゃんは浴室のドア越しに(脱ぎながら)言ってきた。
というか、何でそんなところにそんな物があるのかに私は不安を隠しきれないよ!!
そして!!
「桜田ハル…」
「うわぁ!?」
出てきたのは…桔梗!?
な、なんかいつもと違うんだけど…。
いや…いつもはなんかいっつも不機嫌顔で前髪で目を片ッぽ隠していて忍者なんだけど…。
今ここにいるのは貞○だよ!! 怖いよ!! リ○グだよ!!
「貴様…」
「ちょちょちょちょちょ! なに!? なんなのさ!? あたしが何をしたって言うのさ!?」
そして袖からくないを…ってヲイィィィィィィィィィィィィイイイイイ!!
まてまてまてまてまて!! いくら何でも刃傷沙汰はまずいって!!
「貴様はァァァ…」
「なに? 一体何が望みなのさ!?」
そうこうして後ろに下がっていたら…げっ! もう壁!?
壁の冷たい感触があたしの背中を伝ってそして今目の前には貞子が立っている…!
まずいってぇぇぇぇぇぇぇぇぇええええええ!!!
助けて! どくしゃさぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!
「貴様はァァァァァァァアアアア!!」
「ギャァーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!」
そしてそのままくないは私の頭に!! …と思ったら壁にトッスと突き刺さってた。
「…女性用の…その…き…きれいな服の選び方を知らないか?」
「…は?」
「ふぅぅ〜…いいお湯だった…って、何してるんですか? 二人とも」
殺されそうになってます。
「…つまりはあれか。今日は休暇、と」
「はい…」
「なる…ま、最近は忙しかったからな。一年生女子には休暇を出そう」
「「ありがとうございます!!」」
「ちょっとまってください! 何で僕には休暇無しなんですかっ!?」
「紅則君ははいなかったときが多かっただろう? その分の仕事がたまってるからね」
「そんなぁ…あれは僕のせいじゃないのに…」
「だまれ。さっさと仕事をしろ」
「…はいぃ…」
なんか春樹がかわいそうに思えるんだけど…。
「…す、すまないな…その…わ、私なんかのために…」
「いいってこと!! こんな風にお出かけする機会なんて無いんだから!」
「そうですよ! しかも今回は何故か会長からお小遣いまでもらっちゃいましたしね!」
「…まるで慰安旅行みたいです…」
そんなことを言いながら私たちは桜ヶ丘市の市街にやって来ていた。
そして…服の専門街へ…突入!
「うわぁ…いろんな服がありますね…」
「迷いそうです…」
「はぐれないように…ってあれ? 桔梗は?」
その一言により桔梗はどこかでなんか男達のスカウトに引っかかってた。
「君かわいいねぇ〜どっから来たの?」
「俺ら湘南、趣味は救難」
「…五月蝿いぞ。愚民が」
「「はぁ?」」
「…散れと言っているんだ!! 貴様ら!!」
そう言ったと同時になんかでっかい手裏剣をぶん投げたっ!?
「「うおぉぉぉおおおおお!?」」
その手裏剣は、(自称)湘南の男達を追い回していた。
いつまでも…いつまでも…。
「まったく…見境なしとはあいつらのことだろうな」
「いや、普通の人に手裏剣を投げるのもどうかと…」
「っていうかあの人達も大丈夫なんでしょうか…」
「あんなやつらでも死なない程度の堅さだから大丈夫」
「あんなやつらって…」
なんか近場でぎゃーぎゃー喚いてますよ?
「ま、そんなことはともかくとして服をえらぼー」
「「おー」」
とにかく、今回の目的は桔梗の服を見つけること。
と、言うわけで…。
「それぞれ服を見繕ってきましたー!!」
「いっぱいありますよー!」
「それでは早速お着替えタイムスタート!」
最初に着たのは…おっと!!
「こ…これは…その…め、メイド服という物ではないのか!?」
そこにいたのは髪をあげて片眼を眼帯で覆った黒ミニのメイド服を着た桔梗!
う〜ん…プリティ…♪
「気にせずそのままゴー!!」
「ちょっ…ちょっとまて」
そして次は…
チャイナ服! 髪をお団子にして手には木製お盆! その上には蒸籠です!
「せ、蒸籠はどこから持ってきた!?」
「蒸籠はオプションですよ♪ では、次です♪」
次は…おっと、ナース服だ!! 注射針とでっかいカプセルはもち、オプションです!
「お、おい…おまえら、楽しんでるんじゃないのか!?」
「そんなことはありませんよやっほ〜! つぎですぅ〜!!」
このままで次は…普通の服装に猫耳猫しっぽ(黒猫Ver,)だ!! う〜ん! キュ〜ト!!
「か、完璧に楽しんでるだろう!?」
「次にゴ〜!!」
次は…今度は水着!! スク水です! しかも白!! 浮き輪と麦わら帽子はオプションで!!
「お、おい…この服装は大丈夫か!? その…この小説的に!」
「気にしない気にしない!!」
次はリクルートスーツ!! 何でもできそうなお姉さん的なキャラのできあがり!! このときには片眼はモノクルで!!
「…こ…これは…その…個人的に…好き、だな…」
「さーどんどんいってみよ!!」
ドンドンテンションが上がって参りました!! 次は…セーラー服!! 鞄とかローファーはもちおぷしょ(以下略)
「さぁ!! コレで先輩と言ったら完璧に男の人は落とせますよ!!」
「む…………………せ…せ…せ…先…輩…?」
上目遣いでそんなことを言ってきたらもう…もう…きゃー♪
「うわっ!? し、雫!? ど、どうしたんだ!?」
「もう我慢できませんこのまま私は桔梗さんの貞操を奪いますです拒否権はないですよふふふふふふ」
「ハルさん!! 雫ちゃんが壊れました!!」
「取り押さえて!! さて…最後は私がめいっぱい真剣に選んだ物だよ!!」
「ま、まともな物なんだろうな!?」
「最後は…こちら!!」
そこにいたのは清楚な白のワンピースを着た長い髪を下ろして片眼を隠したお嬢様風の桔梗!!
両手でおっきなトートバックを持ってるのは私が貸した物つまりはオプ(以下略)
「…すまない…こんなに買ってもらって…」
「うん♪ 今日は楽しかったしね♪」
「お互い様ですよ♪」
「…今日は…いい物がみれましたよ♪」
ま、私たちも楽しむことができたし…そ・れ・に♪ 楽しかったしね♪
そんな桔梗と私たちはただいま(桔梗は)先ほどの白ワンピースを着て夕暮れの家路を帰っています。
すると…。
「あ、いたいた!! おい、女!!」
「STOP TO THE WEY!! ME WANT TO THERE'S!!」
出てきたのは先ほど…っつーか昼にいた自称「湘南BOY'S」。何しに来たんだ?
「俺らはてめぇらに大恥をかかされてたんだよ!! この落とし前、どうつけてくれんだ?」
「YOU ARE K・I・L・L!!」
「って殺す気満々!?」
手には一人は鉄バット、一人は鉄パイプ。鉄が好きだねお宅ら二人。
「でもまあ、こんな事もいいかな?」
「すっきりきっぱり倒して、お風呂でさっぱりと一日の疲れを洗い落としましょう! ハルさん!!」
こちらも臨戦態勢! 抄華ちゃんはどこからともなく拳銃を取り出しました!!
さあ…いっつ、あ、ショータイム!!
「…ここは私に任せてもらおう」
「ってあら? 桔梗?」
「そのカッコでやるんですか?」
「…ふっ」
そう不敵に桔梗は笑ってどこからともなく(ホントにどっから出してるんだ?)くないを取り出した。
「へっへっへっへ…おい、お前…俺らとやんのか?」
「抜かせ、外道。お前らにやられるほど、私は甘くないぞ?」
「へっへっ…死ねや!!」
「K・I・L・L YOUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUUU!」
そして男二人がかかっていった!!
素早いスピードで桔梗に向かっていった!
が、しかし!!
「…遅いな」
その一言を残して桔梗は相手の首筋に手刀が吸い込まれるように入っていった。
「私に歯向かおうなど…」
そして桔梗が振り返ったとき、男が倒れた。と同時に言った。
「十年早い」
「…んで? 結局はどうなったんだ?」
「さあ? まだ結末は聞いていませんよ?」
ここは翌日の生徒会室。私と会長は仕事をしていました。
「そだ。ちょっと茶もってこい」
「…自分で持ってくればいいじゃないですか」
「茶葉が切れたんだよ。番茶で頼む」
「…はいはい」
そして私は食堂に茶葉を取りに行った。と、同時に扉を開いたところの廊下には…。
「…ん? どうした? ハル」
白の制服(もちろん女子制服)を着た桔梗が立っていた。
その姿はまさしく、ユリ。凛とした立ちずまいがその可憐さを引き立たせていた。
「…はっ!? あ、い、いや…な、なんでもない…」
「そうか…ありがとう」
「? 何が?」
「いや…この服を選んでくれて、な」
「あ、いや…うん…その…」
「? なんだ?」
私はその可憐さを直視することができなかった。だからこんな事しか言えなかったんだと思う。
「あなたの恋、応援しているよっ!」
「…ああ。ありがとう」