七日目、名前に惑わされちゃいけないってことが良くわかるね
新キャラ、ついでにほかの作品の宣伝です(勝手に)
「はぁ…」
「どしたの? ハルちゃん」
「聞いてくださいよ、柊先輩。抄華ちゃんったら、私の部屋のいろんなもの、捨てちゃったんですよ?」
「どんなもの?」
「? それは、レアものの虫かごとか、レアものの虫取り網とか、レアものの腐葉土とか…」
それを全部捨てるなんて、ひどい! 天使のようにきれいな顔しといて、中身はきっと腹黒いよ!? そう思うよね? 読者さん?
「……いや、捨てたほうがいいような気がすると思うけどな? 私は」
「ひ、柊先輩まで! そ、そうだ、萩先輩は?」
「紫苑、それはいいすぎだよ?」
「萩先輩…」
やば、惚れそ……………
「せめて部屋一室全焼くらいにはしとかないと…」
「うぉい!」
「じゃぁ、今度大掃除するときには呼んでね。灯油とライター持ってくるから」
「持ってこないでください! っていうか呼びません!」
この人たちが私の部屋(というより、私と抄華ちゃんのだけど)にきたら間違いなくボヤ騒ぎ以上に発展するよ?
なんていっている間に、抄華ちゃんがすごい形相でやってきた。おお怖い。鬼みたい…っていうか鬼だ。怖すぎる。これ見たらどんなチンピラヤンキーだって逃げ出すね。
「ハルちゃん、今失礼なこと思わなかった?」
「ん? 思ってないよ? ぜんぜん」
「そうにこやかな笑顔で言われるとすっごく怪しいんだけど…」
「まあまあ」
それはさておき。
「何があったべや? まるで夏樹が部屋にピッキングで侵入してきてそれを振り切ってやっとここまでこれた、って感じど?」
「そうなんですよ! ってか何でわかったんですか?」
「勘だべ。」
勘でわかるとか、すごいなこの先輩。
ん?
「「アンタ誰だ!!!!!???????」」(私と抄華ちゃんのダブル突っ込み)
「ああ、薄影先輩、いらしてたんですか」
「おお、誰かと思えば萩っぺでねぇか! どだったか? なんか変わったこと、なかったべか?」
な、なに。このなまり全開の田舎から越してきたばっかりのような先輩。どこもかしこも泥だらけじゃん。頭に麦藁帽子かぶってて顔がわかんないけど。
「いつもどおりですよ。新しい人が後2、3人来ますけど」
「おお、そうか。んじゃ今度、白神さ行った時ば、シシ鍋の材料でも取ってくるべか!」
「お、いいですね! シシ鍋!」
「ふふふ…楽しみね」
な、なんか会話進めてるけど、この先輩、だれ?
あと白神って白神山地のことですよね? たしか天然記念物の。
いいんですか? こんなことして?
「あ、あの〜? この人は誰ですか?」
お、抄華ちゃん、さすが。私が思ったこと言ってくれた。
「あ、紹介するね。この人は薄影 会都先輩。主にほかの学校の生徒会の伝令役よ」
「ほ、ほかの学校の生徒会!?」
「ど、どういうことなんですか?」
「ん? しらな〜い」
「ま、どうせ作者が考えなしに考えたことなんだろっぺ」
『薄影、てめぇそれ以上言ったら出番なくすぞ?』(By、作者)
「………………」
「薄影先輩。先輩は強い人です。泣かないで」
「な、泣いてなんかねぇだ! これは、あれだ。こないだ食ったおむすびが目にしみてんだ!」
胃と目ってどうやって直結してんだろ? 気になる。
「にしても、薄影先輩って、忍者か何かですか? 気配がまったくありませんでしたよ?」
「あ、それ私も思った。どうしてなんですか?」
この人って、謎がたくさんありそうだな…
「ん? いんや、特にたいしたことはしてねぇだよ? 山で熊と戦ってたら自然に身についただ」
山で熊と戦ってたって……
アンタはどこぞの野生児ですか!?
「あなたはどこぞの野生児ですか!?」
あ、かぶった。突っ込み。
「ひのきた〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ん!!!」
「きゃぁあぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁあああぁああぁあぁぁぁぁぁ!!!出たぁああぁ!」
「ちょえいあぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!」
な…
すごいキックだ! 会長が壁にめり込んだ! 私でもこんなことはできない!
さすが山で熊と戦ったって言ってる先輩だ。
「大丈夫だったか?」
「え、はい…」
「んじゃ、オラはこれで。そろそろ天和湾屋高校に顔出しに行かなきゃなんねえだからな」
ん?どこかで聞いたような…?
「んじゃ、いってくるだよ〜!」
「行ってらっしゃ〜い!」
「お土産よろしくお願いしますね〜!」
二人の先輩が薄影先輩を送り出していた。とりあえず私も手ぇふっとこ。
ってかぜんぜん、影薄くないじゃん。あの先輩。