四十七日目、猫鍋放浪記〜葉桜町を訪れて〜
今回は黒犬先生の作品、スクール・ラプソディーから、井戸端海鳴さんをお呼びいたしました!
…ん?
今回はどうやら猫オンリーだそうです。
そして今回の話は桜ヶ丘高校生徒会役員史上初!
…三桁の文字数でした。
短い…。
我が名は猫鍋。誇り高き黒猫である。
私はただいま主の萩昌介氏かのいる桜ヶ丘高校から遠く離れた所…葉桜町というところに来ている。
…我がいる桜ヶ丘とは全くもって静かだな…。
ここで余生を過ごしてみたい…そんな事を考えていたら…、
「おっと」
「うわぁ」
(注;今回は猫オンリーですのでこのまま会話もふつーにします)
別の猫とぶつかってしまった。
よくよく見るとその猫はとても毛並みが良い。良い主人に拾われている証拠だ。
「すまないな。よそ見をしていたものでな」
「いやいや。こっちこそ」
なかなかこの猫、話が分かりやすそうな猫だ。
「すまないが…あー…」
「井戸端海鳴、めんどくさいから海鳴で良いぞ」
「そうか…では海鳴、少しこの町を案内してくれないか? なにぶん我はこの町に来たばっかりでさっぱり道が分からないのだ…ちょうどこの町には我が主人もいるのでな…」
「にゃんと。あんたもご主人を捜していたのか?」
「というと?」
「奇遇だな。実は僕もだ。僕を拾ってくれた優しい主人の海梨さんがちょっと帰りが遅いのでママさんから呼び戻してこいとのお達しがきたので…」
「んにゃに!? 海鳴、あんた人間の言葉が理解できるのか!?」
「? 少しだけなら…」
「にゃはーっ!!」
な、なんと…この世の中にも人間の言葉を理解できるほどの知能を持った猫がいたとは…。
それから私はこの海鳴から人の言葉をちょっと教えてもらうことにした。
「まずはこれ。なんて言うかわかる?」
「むぅ…これは…」
この四角い細長い物体は…まさしく…
「分かった、シナチクだ!!」
「違う、正解は『ケータイデンワ』だ。ご主人の海梨さんはこれをいつも大事に持っているんだ」
むぅ…そういえば…昌介氏も同じようなモノを大事に持っているような…。
「つぎ、猫語で書く言葉を翻訳して」
「えぁ〜っと…」
むぅ…これは…。
にゃーにゃーにゃーにゃにゃにゃにゃにゃなにゃがにょんにゃがにゃ。
「すまん。なんて書いてあるか読めない」
「にゃぁぁぁぁぁああああ!!」
その後、海鳴はどこかに行ってしまった。人に…基、ろくに猫に教えることもできないのか?
そして私はまたこの葉桜町に来ようかな。
そう思って私は家路に帰った。