四十一日目、最終回の前の回が一番楽しい…たぶん。
作者、水月五月雨は個人的に航平先生を応援しております。
さて。
荒野を行き、野山を歩き、たまに戦闘などを繰り返して仲間(主に中央護衛隊の方々)を町に置いていったりしてたどり着いたのは…。
「うみだーっ!!」
海でした。
蒼い蒼い、どこまでも蒼い海でした。
「さてと…船をどこにあるのかなっと…」
ハルが船を探していると、「ハルさんハルさん!」と言ってショウカが指を指した先には…。
ぼろぼろの服を着ている人をいじめている子供たちでした。
「オラオラ! 何でいっつも働いていないんだよ!? 読者の皆々様方はお前の活躍を期待してるんだよ!」
「だって働きたくなんだもの…」
「それが船長の言うことかぁぁぁぁあぁああ!!!」
「働けーっ!!」
「ダメ人間!!」
うわぁ…すんごい罵詈雑言をはかれているうえに蹴られたりしているよ…。
「ハルさん…」
「う〜ん…あーいうのは見捨てる方が良いかもね…船はないし…」
「誰か助けてぇ〜!!」
「ハルさん…」
「う〜ん…」
「何でも言うこと聞くからぁ〜っ!」
「まてまてまてまて〜い!!」
素早く変わり身。ひでぇな。この人。
「こんなホームレスの人をいじめちゃかわいそうでしょ! いい加減止めなさい!」
「うわっ!? なんだ!?」
「にげろ〜」
蜘蛛の子を散らすようにぼろぼろの服を着ている人をいじめていた子供達は逃げていきました。
「ふぅ…まぁ、今度あったときには、ぎったんぎったんにのしてやろけどな…」
「おいあんた。間違えているぞ。やるけどなじゃないの?」
ハルがそういって指摘した後、その人は目の前(海)を向いて、一言。
「あ〜…うみはあおいなぁ〜…」
「無視すんな」
「んだよ。これから俺は船に帰って、昼ドラを見なくちゃなんないんだが?」
「え? 昼ドラの名前は?」
「『カレーの一族』」
ハルはおもむろにそのホームレス風の男の手を握り、こう叫びました。
「同士!!!」
「ええ!?」
ショウカはもう訳が分かりませんでした。
「そうだ。何か困っていることがあれば俺に相談してくれ。こう見えても俺は何でも屋を営んでいるからな」
「何でも屋?」
「あ、ひょっとして『剣ペンっ!!』?」
「ショウカちゃん!? そこはあえて『カタクロフト』と言おうよ!!」
ちなみに航平先生が執筆中の剣ペンっ!! カタクロフト。おもしろいから是非読んでって〜!
「ナレーション!! おかしい! 何かがおかしい!!」
…ごほん。失礼しました。
そんなハル達はそのカタクロフトのメンバー…バスターと一緒にその船へと乗り込みました。
船は近くの浜に船首を乗り上げて止まっていました。
船はとても大きな帆船で、二つほど家が入りそうなくらいです。
「さぁ。入ってくれ」
「ハルさん…私…とっても不安です…」
「わ、私だって…こんな時にナトスさんは途中の町で急な仕事が入ってエルさんと一緒にいなくなっちゃってるし、アキラさんとイコさんは途中の町で誰かに捕まっちゃってたし…」
なるほど…あの人達がいないのはそういうわけだったのね…。
なぜ二人がそわそわしているのかというと…帆船の帆には禍々しい髑髏が書かれていたのです。怖っ!
めっちゃこわっ!! なんか口には鎖がくわえられてるし!!
「まぁ、入ってくれ。暖かいぞ? 中は」
「「嫌ぁぁあぁあぁぁぁあぁあ!!!!」」
女子軍かたくなに拒否! そりゃぁそうです。だってこんな海賊船に連れ込まれてはとんでもないことが起こるに決まっています。え? 何が? …読者さん。それをここで言ったらこれが十八禁になっちゃいますよ。
「なんだ? なにが…って、船長…ついに…」
「く、クロウ!? おまえ何を引いているんだ!? ち、違うから! これは違うから!」
「つ、ついに私たち…」
「純血を散らされるね…」
「冗談だ。仕事だな? 依頼はなんだ(ふぅ)?」
「クロウ。お前今すぐこの船降りろ」
「じゃぁ肉じゃがは二度と作らんぞ」
「さぁ、入ってくれ! ようこそ。海賊船カタクロフトへ!!」
バスターさん、若干涙目になっていました。大丈夫ですか?
それはともあれ。ハルは自分たちの身の上を説明して、大魔王ロリコーンの居城まで連れて行ってくれ、と頼んで、何とか連れて行ってもらえることができました。
…次回、最終回の予感です…。
たぶん!!
ここで遅くなったけれどもちょいと補足説明。
ナトス…
水月五月雨原作、Shadow//Breakerの主人公。番外編でナトスの狂人家の謎が解けているのでそこの所をよろしくお願いします。
エル…
同じく、Shadow//Breakerのヒロイン。姉によって目を特殊なものにされた。銃を使うことが得意。よく食べる。
アキラ…
同作者、正しい魔導書の使い方の主人公。極めてふつーを愛する高校生。読書大好き。しかし、それが災いして魔導書の封印を解いてしまう。操者の魔神、イコを従える。女子供には基本優しい。
イコ…
同じく、正しい魔導書の使い方のヒロイン。魔神。とんでもなく力が強い。その力は人一人は軽くぶっ飛ばせる。
アキラの知り合いである井子とは関係性は不明。
どうでしょうか。これらの作品に興味を持ってくだされば幸いです。