三十九日目、鳴かぬなら 鳴かせて見せよう 作者をね。
今回はシャドブレより、ナトスとエルが登場です!!
さて。
起きてからハルはいつもと同じようにたたき起こされ、そのまま学校に向かおうとしたところ、
「ハルだな?」
家を出た後にいきなり背中に銃口を当てられたようなひんやりとした感触を感じました。
さすがのハルも舌を巻きました。
「何用ですか? 今から学校に行くところなんですが」
「中央護衛隊……と、言ってもらえたらわかるかな?」
「うぇ!?」
中央護衛隊…それはミズキ王国の抱える警察みたいなもので、その隊員数は少ないものの、隊員はまさしく「一騎当千」に勝るとも劣らない力を持っているとの話だった。
まぁ、元が国王、ミズキについてきたゴロツキやチンピラの集まり……という噂だった。
その分、ミズキ王国民の不安や畏敬の念も含まれて、たまに死神隊とも呼ばれることもある。
「んで? その死神隊が私になんのようですか?」
「言ったはずだ。城に来てもらうぞ」
「断る……といったら?」
「そのかわいい顔に鉛玉のアクセサリーが加わるだけだ」
「……わかりました。ついて行きましょう」
そういって素直に従いました。
そして用意していたと思われる馬車にハルを乗せて、そのまま発信させました。
「ところで、いい加減放してくれませんか? こう金属の感触があると何かいやなんですけど」
「……わかった」
そういって後ろにいたそいつは銃をおろした。
そしてハルは相手の顔を見た。
そこにいたのは自分と同じ、桜色の髪をしたまだ幼げの残っている女の子でした。
両腰には銃を一丁ずつつっていました。
一丁のホルスターは空でしたが、もう一丁のホルスターには鈍色の銃が入っていました。
そして目を見てみると片眼は闇のように黒く、見たら吸い込まれそうな眼でした。
「もう一人いるよね? 出てきて」
ハルがそういったら馬車の天井から人が落ちてきました。黒い髪に黒い服、腰には刀をつっていましたが、顔が真っ青です。
「え、エル……馬車の……馬車のスピードを…弱めて…」
「だめよ、ナトス。あいつにちゃんとこの子を連れてくるように、っていわれてるでしょ?」
エルと呼ばれた桜色の髪の女の子が、落ちてきたナトスという男の子にたしなめるように言っていましたが、ナトスはきつそうです。どうやらこの子、乗り物酔いの気があるようです。
「くそう…ミズキめ…後で殺してやるぅ…」
「はいはい。物騒なこと言わないの」
「あの…ちょっといいですか」
「はい?」
「帰りますそれでは皆さんさようならっ!!」
早口で言ったあと、そのまま馬車のドアを開けて飛び出そうとしたとき、
すでにお城の前についていました。
世の中って、世知辛いですね。
「おお。ここまで熱心だったとは…意外だったな」
「うん…意外…」
そして、ハルは叫びました。
「りふじんだぁぁぁぁあああああああああああああああ!!!!!!!」
せめて漢字で言おうよ…。
さて、お城の中に入って国王、ミズキとご対面しました。
「よぉ。お前がハルだな?」
「そうですけど何か?」
「んじゃぁ話そう。魔王を「お断りします」はやっ!? もう!?」
何でと思いながらもミズキは言いました。
「何で!?」
「自分、不器用ですから!!」
「それ理由になってない!! お願い!! 魔王討伐して!!」
「どうせくじ引きとかで決めたんでしょ!? あんたのことだから!!」
「うぐっ」
言葉に詰まっていました。どうやらほんとらしいです。
「そんなてきとーなもので、魔王なんて退治できるわけ無いでしょ!? この馬鹿!!」
「うぐっ」
ハルの攻撃!!
国王ミズキの心に10ポイントにのダメージ!!
「そんなことだから無能とかだめ人間とかいわれんのよ!!」
「うげっ」
ハルの攻撃!!
国王ミズキの心に20ポイントのダメージ!!
「んじゃね。この無能変態売れない小説家志望のダメ無能人間」
「もはや国王じゃねぇぇぇぇええええ!!!!」
会心の一撃!!
国王ミズキに5000ポイントのダメージ!!
「じゃ」
「魔王殺ってくれたら好きなもんやるよ!?」
ぴたっ。
「…………ほんとに?」
「ほんとほんと!!」
「じゃぁやる!!」
「マジで!? やったぁぁぁぁあああああ!!!!」
「ただし、私が勝ったら一話だけ私に作者の力をよこしなさい」
「…………わかった(泣きそうな眼で)」
こうして、世界一曲がった勇者、ハルが誕生しました。
うん。この世界終わったな。
指が痛いよぅ…なんか爪が指に食い込んでいたいよう…たしけて…。
それでもここまで書いた俺もがんばったよぅ…。
それでは。水月五月雨でした。
いま、人差し指で打ってます。結構きついです…。