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桜ヶ丘高校生徒会役員  作者: 嫁葉羽華流
夏の章 ~ソノヒトハ ヨクハナク ケッシテイカラズ イツモシズカニ ワラッテタ~
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三十二日目、いつも一緒にいる奴。

長かった夏祭り編、最終回!!

ふぅ…なにがあったんだろ…頭がなんかガンガンする…。


「お? 起きたか、桜田」

「あ、会長…」


気づけばそこは保健室。そして目の前には…。

うわぁ〜…会いたくない人にいきなりあっちゃったよ…。って、


「あかかかかかかかかあ会長!!!??? そ、その手に持っているのって…!」

「かっこいいだろ?」

「ごめんなさい。もっかい言ってください」

「素敵やん?」

「島田さんかあああぁぁああぁああ!!!!」


分からない人はあのクイズ番組の司会者をちぇけらっ!! じゃなくて!!


「何で日本刀持ってんですか!! 危ないでしょう!!」

「しゃーねーだろ? お前が拉致監禁されてたんだから」

「私のかわいさって、拉致監禁されるほどなんだ…」

「うぬぼれるな。馬鹿」

「いま馬鹿って言いましたよね? 明らかに馬鹿って言いましたよね?」


つかみかかろうと思ったら足に力が入らない。何で?


「自律神経の一時的な麻痺か…雁岨め…」

「はい?」

「いや、なんでもない。まぁ、2、3日気絶したのはほっといて…」

「え!? そんなに!?」


そして私が気絶している間にいろんなことがあったらしい。

一回夏祭りが中止になったり、マスコミがやってきたり…。

そんなこんながあってもう一回夏祭りが仕切りなおしになったらしい。


「ま、お前が立てたらいいんだけどな…」

「そうですか…皆は?」

「夏祭りを楽しんでる」

「なんで会長がここにいるんですか?」

「…お前に大事な話をする為だ」


そう言って会長が真面目な顔になった。何だろ…?






































「おまえ、紅則とどこまで行った?」

「はいぃ?」


思わず絶句。


「答えろ。紅則とどこまで行った? ヤルところまでいったのげふらっ!!」

「会長? いい加減にしてくださいね?」


コレが18禁になったら間違いなく会長のせいだ。


「ま、殴れるくらいに神経が復活しているならいいかもな」

「会長…」

「安心しろ」

「…まだ何も言ってません」

「お前のことだ。なんか夢の中であったんだろ?」


図星だ。

思わず私は顔をこわばらせた。そして暑いはずなのに汗が出てきた。


「あはは…会長にはかないませんね…」

「…怖いのか? 皆に嫌われるのは」

「怖いですよ」


私はよりいっそう体をこわばらせ、震わせた。


「私はほかの人とは違うんです。皆にいつ、化け物なんていわれるか…それだけが気がかりで…それに、やっぱり改めて考えたら、みんなのそばにいるようなこと、私には資格ないし…」


会長は、はぁとため息が出た後、手のひらを握って、

こんっ。

こづいた。


「あいて」

「馬鹿か? お前は。あいつらはな、そんなことは承知でお前に付き合ってんだよ。

たしかに、生半可なことではお前とは付き合えないだろうな。

でもあいつらはお前がそんな風におかしかろうといつもどうり、何も変わらずに接するだろうな。

だいたいなぁ…。





友達…いや、仲間と付き合うのに、資格何ざいるのか?」


…………………そっか。

そうだったよね。

わたし、何悩んでたんだろ。

柊先輩も、萩先輩も、抄華ちゃんも、雫ちゃんも、会長も…。

みんなみんな、自然に入ってきたんだよね。

友達と分かり合えることに、わざわざ心の中にノックして入るんだろうか。

…多分しないだろうな。

だって皆、分かってるから。

そんなことしなくても、みんな分かってるから。


「…さて。そろそろ行くか? 夏祭り。紅則もちょうど見つかったことだし」

「え? 見つかったんですか? 春樹」

「ああ。ちょうど、な…」


??? なんか言いよどんだけど…。

まぁいっか。

さて。夏祭りだ…。







楽しもう。

心行くまで、この時間を。

楽しもう。

私たちが生きる、今を。

楽しもう。

皆といる、この時間を。













桜ヶ丘高校、給水塔上。


「………ふっきれたんだな。ハル」

「よかったんじゃないの? あんた、それだけが気がかりだったんだろ?」

「まあね。あんなトラウマを持たせちまったことに、ちょっと罪悪感を覚えてるしな…」

「…罪悪感を覚えているだけいいんじゃないのかい? 罪悪感を覚えてない、なんて言ってたら、あんたをあたしゃ殺してたよ」

「おお、こわいこわい。でも俺には勝てない。この世界の、どんな存在もな。おまけにこの物語は争いとは無関係。学生達おんなじガキどもには血みどろの争いをさせるもんじゃないぜ?」

「…ふん。分かってるんじゃないか」

「まあね。…近況報告ありがとうございます。甲賀先生・・・・

「ふん…身分を偽ったり、姿形を変えることができるんだろ? アンタ。ちょっとは楽しんできなよ。他の奴らと一緒にさ。でも、見えないかもね。そんな黒ずくめじゃぁね…」

「…あいにくながら、こっちはいろいろと忙しい身でね。なかなか一つの世界にとどまるわけにはいかないのよ。それに、俺はこの色が好きなんでね」

「ふん…まぁ、気が向いたら楽しんできなよ。水月・・

「ああ…。そうだ。近々、こっちの方に来客者が来るかもしれない。そうなったら対応、よろしくな。んじゃな」

「ああ。じゃあね」

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