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桜ヶ丘高校生徒会役員  作者: 嫁葉羽華流
夏の章 ~ソノヒトハ ヨクハナク ケッシテイカラズ イツモシズカニ ワラッテタ~
33/151

三十日目、古い建物には近づかないようにしよう。

「なんで…?」


そこには、確かにあの子がいた。

でも私が知っている、あの子ではなかった。


守れなかった。

護れなかった。

マモレナカッタ。


「分かりましたか? ハルさん」


あれ? 抄華ちゃん?


「あなたには所詮、何も守ることなんてできないんですよ」


そんなことない。

今回は失敗しただけ。次こそは…。


「次なんてものはないんだよ。桜田さん」


萩先輩…?


「ここまで見てきて、やっと分かったのよ。ハルちゃん」


柊先輩…?


「あなたは、」


やめて…。


「あなたは、」

「きみは、」

「ハルさんは、」


お願い…それ以上言わないで…!














「「「化け物だ。」」」












「うわああぁぁああぁあぁぁああぁぁああぁあぁああ!!!!!!!!!」

目を覚ました後、ハルは絶叫に近い声を上げて、起き上がった。

「…ハル。この苦しみから逃れたいのならば、言え。鋼流拳法の奥義書の在り処を」

「知らないっ!! 知らない知らない知らない知らないっ!!!」

ハルは髪を振り乱しながら耳をふさぎ、何も聞こうともしないようにしていた。

「…言え」

「知らない!!」

「…言うんだ」

「分からない!!」

「言うんだ!!」

「いやああぁああぁああぁ!!」

そうこうしているうちに、後ろにあるドアが開け放たれた。

「ぎゃーぎゃーうっせぇんだよ。近所迷惑だコノヤロー」

やる気のない、抑揚のない声が、そこに響いた。

そこに立っていたのは、ボロボロの制服を着たヤンキーテイストの髪型をした、日本刀を持った学生…。

桜ヶ丘高校生徒会会長、夏樹竜介ヒーローがやってきた。




「なぁ〜にやってんだ? 雁岨」


俺はここにいる同級生に向かって言った。


「拉致監禁がお前の趣味だったなんてな…意外だぜ?」

「お前と一緒にしないでもらおうか」


静かに殺気を放ってんな…おぉ怖。


「暗黒生徒会っつー迷惑なもんを立ち上げやがって…何様のつもりだ? てめぇ」

「お前には関係ない」

「関係あるさ」


そう。

こいつは秋原雁岨あきはらがんしょ。俺の元クラスメートだ。そして俺に生徒会長選挙で負けた相手。

そして元、俺の恋人だ。


「…色即是空を出してくるとはな」

「俺がそれだけ怒ってるって訳だよ。雁岨くん。さぁ、会長命令だ。桜田ソイツを返してもらおうか」

「ふん…いいだろう。ただし…」


そして雁岨は指ぱっちんをすると天井を割って身の丈が俺の約1,5倍の大男が出てきた。

(目測でわかんのか? スゲーナ。By作者。)


「半蔵、やれ」

「それが元恋人に向かって言うせりふかねぇ? やれやれだぜ」


そう言った俺は刀を後ろ下段に構えた。

どういうものか分からん奴はK○Hの主人公のキーブレードの構え方を想像してもらえれば間違いじゃない。


「さて…私は逃げるとするか」

「待ちやがれ、雁岨。てめぇを校内審問にかけてやっからな…」


そう言って図体のでかい半蔵とかいう奴のわきを通り過ぎようとしたとき、


「半蔵。どうした? やれ」


半蔵は大きな拳を持って殴りかかってきた。

でもこんなもん…。

色即是空コレの敵じゃねぇ。


「どきやがれこの木偶の坊デクが!!」


そう言い放って刀を横一閃。峰を使ってるから相手を気絶させるだけにとどまる…はず!

(はずかよ!! By作者)

そして相手の首で鈍い音がした。入った!

そしてその半蔵という男は倒れた。

と、同時に雁岨の姿は消えているのを確認したのと同時に、校舎が揺れ始めた。

倒壊か?


「長居は無用だな…」


そう言った俺はさっさとその旧校舎から離れることにした。

あ、もちろんハルは助けたぞ? 錯乱してたからみぞおちに一発入れたが…まあ大丈夫だろう。

さて…学校むこうはどうなってるかな…?

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