二十一日目、全人類よ、金持ちの家は危険だらけだ! 罠とか、罠とか。
んで早速私は何をしているかって?
もちろん、優雅に柊先輩の部屋にたどり着いて楽しく談話中…なんて事はなく、
廊下(レッドカーペットの上)走ってます。
後ろからは何故か巨石がごろごろと音を立てて転がってきてるんですよ!!
「からくり屋敷かここはぁぁぁぁぁぁ!!」
「あながち、まちがって、ない、かも、な!!」
「ひゃぁぁぁぁぁあぁぁあぁぁぁあぁぁ!!」
「しゃべってないで必死に足を動かしてください会長ぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
「な、なんで、こんな、ことに…!」
そう言えばメイドさんは!? 入ってきたときから全然姿が見えないんだけど!?
そんなとき、何故か目の前に移動式のモニターが!
ラジコンヘリに括り付けられながら飛んできた!
『みなさん、すみません。私としたことがうっかりワナ全解除のレバーを…』
「あんたのしわざかぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁあ!!!」
「いやまて! ひょっとしたらひょっとするがレバーのその先! 戻してるんじゃないのか!?」
「そ、そうですよね! 会長!」
「は、はやくたすけてぇぇぇぇえぇぇえぇ!」
「もう…だめ…!」
しかし、そこは作者。(読者の)期待を裏切らずにお約束のパターンを用意してやがった!
『それがレバーがさび付いていたのか、戻そうとしたところこの通り』
「どうなってるの!? いや! やっぱいわないでください!」
「絶望が! 僕たちの心の中で広がるぅぅぅぅぅうぅぅうぅぅうぅぅぅうぅぅ!!」
そして絶望が私たちの心を支配する!
『ぽっきりと折れてしまいました』
「「「「「うそぉぉぉぉぉおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおぉぉぉぉぉおぉぉぉん!!!???」」」」」
そんな! 嘘だと言ってよ! メイドさん! あと作者ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
てめぇあとで体育館裏こいやぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁ!!!!
『しかしご安心ください。そこの角を右に曲がれば…』
「てめぇら右に曲がれぇぇえぇええぇぇえぇぇ!!」
「「「「了解っ!!」」」」
そこには何もなかった。そしてそのまま巨石はごろごろとどこかに行ってしまった。
全員が安堵の息を漏らした。しかし!!
カチッ。
ん? なんですか? この何か「起動しましたよ!」みたいな音は?
すると今度は壁から槍が!!
しかも何故か銛仕様だし! 鉤型になってるから刺さったら抜くときが痛い!!
『今度は比較的楽な槍が迫ってきます』
「先にいえそれをぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」
そう言うが早いか、一目さんに走った!
なんなんだこの家は! どうして至る所にワナが仕掛けられているんだ!!
「てめぇら!! 意地でも柊の部屋に逃げ込めぇええぇぇえぇ!!」
「「「「「了解っ!」」」」」
…とまあこのほかにも、
天井から針が落ちてきたり、
落とし穴がランダムにあったり、
びりびり床があったり、
針の床があったり、
エトセトラ…エトセトラ…。
柊邸はなんでこんなにワナが仕掛けられてるんだ?
そう思いながらやっとの思いで柊先輩の部屋に入ることができた。
「みんな。お疲れ様…ってどうしたの? そんなに息切れになったり、服がぼろぼろになったりして?」
「てめぇんところの…メイドのおかげで…さんざんだ…」
「し、死ぬかと…思いました…」
「し、紫苑…何であんなに…ワナがあるの…?」
「警備システムのために決まってるじゃない。それと、うっかりレバーを引いちゃったのは井宮さんね…今度厳重に注意しておかなくっちゃ…」
「「「「「「やめさせろ!!!!」」」」」
そんなこんなで柊邸の探索が終了して、やっとおうちに帰ることができました…。
「どうだ? 楽しかったろ?」
「死ぬかと思いましたよっ!!」
その日の反省。
確かに柊邸には一度でいいから行った方がいいと思う。
平和ボケした皆さんの脳みそを活発にしてくれると思いますよ?