二十日目、とりあえず、謝ろう。
リヤカーに引っ張られてやってきたところは…。
…バッキンガム宮殿?
いや…たしかここって…。
「日本、だな」
「いや…そうじゃなくて…」
「うわぁ…本物みたいです…」
「おっきぃ…綺麗…」
感心している場合ですか…。
つっこむのもだるくなってきたよ…。
そんなことを思っているとメイドさんが、
「皆様、そちらの方は紫苑様の家で、本館である奥方様達の家は…」
メイドさんが手を向けたところには…。
サグラダ・ファミリア!!!???
ちょ、あの有名なガウディの作品じゃないですか!
ま、まさか…あれが…!
「あちらでございます」
「いやまてぇぇぇぇぇぇえぇぇぇぇぇぇえぇえぇぇえぇぇえぇぇぇえぇぇぇぇぇえぇぇぇ!!!!」
もう堪忍袋の緒も限界だ!! いくら何でもこれはお金をかけずぎでしょ!!
だいたい、サグラダ・ファミリアとか、バッキンガム宮殿とか、タージ・マハルだとかどうやって作ったのさ!? 作者の家はどうして縦に長いのさ!?
(ほっとけ! By、作者)
「さぁて。早速中にはいるとするかぁ」
「みなさま、お待ちを」
メイドさんはバッキンガム宮殿に入ろうとした私たちを制すると、そこら辺にあった小石をバッキンガム宮殿の庭へと投げ込んだ。
するとどこからともなく、
ビチュン!!
そんな音がしてまばゆい光線が小石に向かって直進し、そのまま小石に当たった…が、
小石の姿はそこにはなく、代わりに小さい山がそこにはあった。
そしてその山は風が一吹きしたと思えば、どこかへと流されていった…。
「皆様、こちらの方は泥棒よけの対レーザー光線が…一歩でもここから先に入ろうものならあの小石のようになっていまいます」
……………………え〜っと、つまり…。
死ぬと。
「はい」
……おっかねぇぇ〜……。
満場一致でそこからはいるのはやめ(まだ死にたくないからね)、代わりの本当の通用口へと案内された。しかし、そこは…。
「どうぞ」
「いやどうぞじゃないでしょ!!」
そこにはまたしても田中さんがいるしね! 先住民の方たくさんいらっしゃいますしね!
「どこに入り口が!?」
「こちらの…ダンボールハウスの中に…」
「この中!?」
「画期的な警備システムだな」
「すごいですねぇ…」
「ほんとですねぇ」
「お母さんにこれ進めてみようかな…?」
いやいや! 進めるのはやめよう! 雫ちゃん! いくら何でも犬じゃないんだから!
ちなみに萩先輩!? なんかすごいとか言ってますけど、ここって単にどっかの公園見たく、ホームレスの吹きだまりになってるだけじゃないですか! そして抄華ちゃん! それに感心しない!
なんて私がつっこみまくってると、こんな事をメイドさんは補足情報で教えてくれた。
「ちなみに近くに派遣切りにあわれた方を配備しておきますとかなりの確率で泥棒は寄ってきません」
「最強だ! この警備システム最強だ!」
これには私も驚いた。
しかも派遣切りの人たちも救えるとはなんていう…!
「ちなみに給料は出しません」
最悪だ。給料も払わないのか。ただ働きじゃん。
やっぱり派遣切りにあった人たちにはちゃんと働き口を世話してあげなきゃだめだね。
桜ヶ丘高校生徒会役員は、派遣切りに会われた方を応援しています。
就活頑張って!
早速田中さんちのダンボールハウス(ダンボールハウスじゃねぇ! ルビをよく見ろ! ダンボールハウスじゃい!)あ、すみません…とにかく私にとってはこれはまだ驚きの序の口だった。
これから起こるのはもっともっと驚くような出来事だったのだから…。
続く!!
だぁかぁらぁ!!! 続かせるな!! 作者ぁぁぁぁぁぁぁあぁぁあぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁあぁぁぁぁぁぁ!!!!