十六日目、新発売! コロナミンα!
私の病気は治らないもの。
そう思っていた。
けど。
この日を境に、私の運命と、そして体が、
変わるような気がした。
けれど、いい方に、ではない。
悪い方に、だ。
軍曹さんは自分の病室の前に来るとノックをして、
「桜田軍曹、入ります!」
「入れ!」
入った。
そして中は、私がいつも見ていた病室とは違っていた。
そこには壁に日本の国旗、
ベットの代わりに大きな机が設置されていた。
そこにはよく戦術とかで使うような凸←こんなものがどこかの国の地図の等高線の上に置かれていた。
その脇では木村○哉をちょっと中性的にした人が誰かに電話をしていた。
そして、別の席では人形みたいな可愛い顔をした子が何か銃器をいじくっていた。
そしてその部屋の中心には校長先生の椅子が後ろを向いて置かれていた。
…どう考えてもここって病院じゃないよね?
「突っ込む場合は全力で!」
「は、はい!」
どう考えてもここは病院じゃない!!
「よし!」
ところで何で分かったんだろ? サイコかな?
そんな風に私が悩んでいると、
校長先生の椅子がこちらに向いた。
そこにいたのは、金髪上にストレート、とにかく「ヤンキー」という文字をそのまま人にしたような感じの人がそこにいた。
「桜田軍曹。どうした?」
「はっ! 体調の不調を訴える一等兵を連れて参りました!」
…階級、上がってない?
「「突っ込むときは、全力で!」」
「ふ、ふぁい!」
「返事はちゃんと確定して!」
「はい!」
階級があがってら…(←噛んだ)
ぶふぉあっ!!!!!(二人が吹いた)
「…なにもそこまで…」
「つっこみで噛んだ人…初めて見た…」
それはさておき。
「さて、話は桜田から聞いている」
ヤンキーっぽい人がこっちを改めて向き直った。
「うちの学校に入りたいそうだな…?」
「いえ、入学が決まってたんですけどキャンセルになったんですけ「そこでだ!」」
話聞いてない。
「うちの者が作った「何でも病気が治る薬」…略して…」
そう言ってどんと机の上に出してきた(その勢いで机の物が浮いた)のは、
…ゼ○?
「コロナミンα!!」
いや、これ確実「日本の、元気!!」で有名な○ナですよね?
「違う! これは…コロナミンαだ!!」
あ、あえてこれで通そうとしているな…。
そう私が思っていると、いつの間にかコップが置かれてそのゼ○もどきが注がれていった。
……………………………
……………………
……………
……
…怪しい。
これを見ていない人に分からないから説明するけどなんかこう、緑色の液体がぼこぼこと泡立っていてなんか紫色の煙が立っていて、なんか水みたいにさらさら、ではなく、田んぼの泥みたいになんかこう、どろっとしている…。
間違いなく飲んだらこれは、
DEATH。
「さぁ、さめないうちに召し上がれ♪」
生もの!? そして焼いてあるか何かしてあるの!?
「さぁ、男なら、ぐいっと! 一気に飲め!」
いや、男じゃありませんし、こんなにいかがわしい液体…もとい、失敗作のスライムみたいな物、飲めませんって。男の人でも。
「さぁ!」
「さぁ!」
「「さぁさぁさぁさぁさぁさぁさぁさぁさぁさぁさぁさぁさぁさぁさぁ!」」
な、なんか…近づいてくる…しかも、
あの失敗作のスライムのような物を私の口に…!
「いいから飲めや!!!」
うぐわっ!?
「あ、柊先輩」
「強要しちゃだめだろ」
「いいのよ。安全性には問題なかったんだから」
そんな声が気絶していく私の耳に聞こえてきた…。
まずい…意識が…。
だんだん…遠…の…いて…い…く…。