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桜ヶ丘高校生徒会役員  作者: 嫁葉羽華流
春の章 ~そしてまわりだす~
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百三十一日目、鋼鉄蜘蛛

鋼鉄蜘蛛こうてつぐも……NKナチュラルキラーランチャースパイダーのこと。四字熟語ではない。

ちなみに作者が結構好きだった天外魔境ZEROというのには「鋼鉄の獅子」というキャラクターがいるが、なんの関係性もない。

あと、遊戯王カードの中にTM-1ランチャースパイダーというのがいるが、それとも関係性はまったくない。いやまじで。

「が……がん……しょ……?」


竜介は惚けた顔をしていた。今更惚れても遅いぞ。


「ふん。こんな化け物蜘蛛、すぐにたたきのめしてくれる」

「いや何でおまえここに来てるんだ」


そっちか。

殴りたい気持ちを抑えつつ、


「なに、途中でガキんちょに会ってな。話したらこれをもらえた」

「RPGかよ……」


そう言って出したのは……。


「オシリ○の天空竜、オベリスクの巨○兵、○ーの翼神竜」

「神のカード!?」


間違えた。こっちは昨日のだ。


「これだ。カードキー」

「なるほど……」


竜介は若干の悪態をつきながら頭を抱えていた。


「……んじゃ、お言葉に甘えて通させてもらうが、いいか?」

「ああ」


竜介はそのまま蜘蛛の横を何事もなく通り過ぎ、そのまま奥に行ってしまった。


「……さて、選手が交代してしまったが、かまわないか?」

『ええ。別にかまいませんよ。あなたならば彼よりかよりよい結果を出せると信じています』


ひどくあっさりした声で紙袋は言った。


「……要はこいつを倒せばいいんだな?」

『ああ』

「そうか。なら――」


私はバールを取り出して一歩歩いて。

次の瞬間にはチェーンソーに変えていた。


「――壊してしまっても、問題はないな?」


※――――


後ろからは爆発音が聞こえるのを尻目に、どこからか流れる機械音を聞いていた。

無数に伸びている何かの管。それにどことなく冷たい空気。

ずっとずっと、奥までそれは続いていて、先は、とても暗いままだった。


「まるで地獄へ行く道みたいじゃねぇか……」


今更になって薄気味悪い、とか言うのではない。

ここで引き下がっては雁且に申し訳がたたないというものである。


「……とにかく」


待ってろ、桜田。

ひとまず、この道を進むしかない。

鉄板を蹴る音を周りに響かせながら、俺は道を急いだ。


※――――


「はぁぁぁ――――――――!」


がきん。


硬質の音を当たりに響かせ、チェーンソーの進行を止められる。


「くっ……」


手にじーんと堅い感触が着ている頃に別の足が振り下ろされてきている。

それに気づき、素早く避けた後、距離を少し置き、息を整え――ようとした。

突如、蜘蛛の背中がいくつも開き、その中からでるわでるわ銃器のオンパレード。

マシンガン、機関銃、ライフル、ミサイル等々……背中にはこれでもかと言わんばかりに銃器を搭載していた。

それらが一斉に私に向いた。


「っ!?」


反応した、と同時にそれらは火を吹く。

マシンガンや機関銃の弾が雨あられのように降り注ぎ、それから逃れれば今度はライフルが狙ってくる。それを一発一発丁寧に避けていようともまた銃弾が降ってくる。


「こ、こいつ……」


強い。

いや強いなんて物じゃない。強すぎる。

さすがにチェーンソー一本では分があわない。というか、勝てそうにない。

しかし、それでも言った。

あいつに、「任せろ」と言った。

だから――。


「この場で、退くわけにはいかない――!」


しかし、チェーンソーでも斬れない、となればどこを攻撃すればいいのか……。

そう考えていたときだった。

ミサイルがついにこちらに向かってきていた。


「はぁっ!」


思わずチェーンソーでミサイルの頭からぶった切った。

一瞬、複雑な中身が見えた後、左右に分かれて爆発。

チェーンソーを青眼に構えて、蜘蛛を見据える。


『ふむ……当社比からするならばまだ5%の力も出していない。しっかりしてくれ』


これでもまだ5%。

半分の力も出していないと。


「――ああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」


私は半分やけになりながら闇雲に頭を狙った。

しかし、チェーンソーでは斬れない・・・・。ならば――。


「これなら、どうだ――!」


頭に向かってチェーンソーをバールに戻し、振り下ろした。


ばべきゃっ――――。


頭はへこみ、一瞬、時は止まった。

やったか――そう思ったとき、脇腹に鈍痛。そして視界が急に横へ移動される。


「けほっ」


肺から空気を絞り出され、そのまま壁へとぶつかる。

うっすらと目を開けてみると蜘蛛がだんだんと大きくなっているように見える。

おまけになにか重い、硬質の音も聞こえる。


『……サンプルにもならなかったか。使えないな』


またどこからかあの紙袋の声が聞こえる。どこにいるのだろうか。

やがて私の前に蜘蛛はやってきて破壊された頭で私を見下ろすようにみえる。


『潰しなさい。使えないサンプルに用はありません』


なにやらアームが出てきて私の首をつかむ。

そのまま宙にぶら下げられる。腕も、足も動かない。手からはバールが落ち、重たい音が頭に響く。

苦しいと感じはしなかった。

ただ、約束を(終わりか?)守れなかったことが(終わりなのか?)とても悔しかった。

(悔しいか?)

悔しいさ。

(ならばそれに身をゆだねろ。後は僕がやっておこう。なに、君が知らない間に終わるよ)

ああ――そうか。ならば、


「……て、……る」


※――――


ぞくっ――


何でしょうか。今一瞬、寒気がした感じが。

この、どこかで味わったような、それでいて初めてなような……。


「妙に怖いですね……っと」


私はビルの中で這いつくばりつつ先に進んでいました。

何せすでにビルは警察が黄色いテープで「KEEP OUT」と書かれた物で周囲を覆っていたので、入れるわけもありません。というか、強行突破したら確実に私警察に捕まりますよね。


「まあ……今やってることも捕まりかねないことなんでしょうけど」


なぜビルの中で這いつくばりつつ先に進んでいるかといいますと、要するに排気菅の中を通ってる訳なんですね。これ。

意外と排気管は汚く、埃とか蜘蛛の巣とかが張っている為、嫌なんですよねぇ。


「そうこうしている間に中に入れたみたいですね、っと」


適当なところで蹴破り、会社の中に潜入。うわ、埃とか蜘蛛の巣があちこちに。黒コートもすっかり汚れてます。


「さて、と。ハルさん達はどこなんでしょうか?」


とうろつき始めたとき、下からなにやら振動が来ました。

何かが下にあるなと思い、下に行こうと思いました。が、


「下に行ける物があるはずですよね……」


こんな何かありそうな施設には下に行ける乗り物とかがあるはず……ってあった。


「エレベーター、ですか」


銀色のエレベーター。ここぞとばかりに不自然なところにあるエレベーター。

ここから下に行けそうですが……。


「専用のカードキーがないといけなさそうですね……」


見るとスロット。なるほどこれでさして行くのだなと推測。

私はそんなに機械に強いわけではないので……。


「面倒ですね」


黒コートからC4(プラスチック爆弾)を取り出し、天井にセット。


「後は天に祈るだけ――っ!?」


爆破スイッチを押して爆破。そのままケーブルをぶちっと切って落下。

すごい負荷が体にかかったのは言うまでもない。

また遅くなっちゃったね。ごめんね☆


……ってだから物を投げつけるのやめぇぇぇい! 水月さんはゴミ箱じゃねぇっての!! まったく……ってうぉっはぁ!?


な……なに? 今のなんかかめはめ波的な物……?

もしくは約束された勝利の剣的な物……?

それとも、もっぷん(わかんない人はようつべで調べてみよう)?


それはともかくとして次はおくれんように頑張ります……。

次回はもう、ランチャースパイダーさんがどうなる事やら……。


ランチャースパイダーさん「え? なに、俺一発屋?」


ですよ。ではでは~。

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