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桜ヶ丘高校生徒会役員  作者: 嫁葉羽華流
春の章 ~そしてまわりだす~
144/151

百三十日目、奇奇怪怪

奇奇怪怪ききかいかい…………常識では理解できない非常に怪しく不思議な事。ひどく不気味な事。奇怪を強調した表現。


え? 人間にこんなことできるのかって?

いや、どんなに鍛えてもむりじゃね? これ。

「上、っ等、です……!」


といきがってみてはいいもののまじこえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇえええええええ――――――!


え? 今あの人、私を殴り飛ばしましたよ? 私縦回転しましたよ?

いくら私平均的な女子高校生よりか劣っているとはいえ、人ってあんな風に縦回転するもんですか? 

てかあの人、ほんとに人なんですか? マジで人類かどうか疑いたくなるんですけど?

とにかく……


(近距離によったらたぶん死ぬから、遠距離で安定、っと)


と思ってまた銃器をとりだそうと


「遅いさね」


眼前にウメさんが来ていた。


「ひっ」

「約束さね。耐えきりな。――十割」


そう言ったと思ったときには私はすでになんか空に浮かんでいました。

そんな感想を抱いたとき。


「――がっ!?」


いきなり体がぐにゃりと曲げられた感覚。それが一回と言わずに、


「げっ!? がぇっ!?」


おおよそ私の口から出ているとは思えない何かのあえぎ声というか、つぶれたカエルの断末魔というか、なんかそんな感じの声が何回も出てき始めた。

そう。体の中が曲げられた感覚は一回ではなく、何回も、何十回も出てきた。

それも宙に浮かんでる間にで、だ。

なんだか体が好き勝手に折り曲げられて伸ばされて組み替えられて潰されて締め上げられてそのまま引きずり出されるような感覚がして……。


要は、ものすっごく痛いし吐きたい。けど吐けない。そんなもどかしい感覚がいつまでも続いている感覚。

その間、ずっと苦しい感覚。こうやってまともに考えていられるのが不思議なくらいだ。

それにも何回もやられていると慣れてくる(いや、慣れるていうのも変なんですが)。

そうなったら次は頭が痛くなってくる。息ができなくなってくる。


「これ……」


まずくないですか?

そう言おうとしたときにはすでに地面。これはもう死ぬかな?

なんて思ってたら地面に到達。

私の体は潰されたトマトの如くべちゃりとなって――――。






いなかった。……え?


「はー。いやいや、すごいさね。十割に耐えきるとは」


気がつくとウメさんは目の前にいて拍手していた。え? 何ですか? これ?


「どういう……」


聞こうとしたとき、ウメさんは手で制止した。

そのまま人差し指を私の体に持ってきて、


「体、少しいじくった」

「はぁ?」


体をいじくった、って……。どういう?


「んー、心臓の心拍回数をちょっといじったり、筋肉をいじったり、あと効率のいい呼吸方法にするように肺をいじったり――」

「もういいです」

「結局のところ、体の隅々をいじった。十割の力で」


いや、何で十割でいじったのか、ってところにつっこみを入れたいんですけど。


「十割じゃないと体の中身をいじり変えることができないのよさ。あたし、不器用だから。何より――」


何より?


「あんたに賭けてみようと思ってね」

「賭ける?」

「自分の孫の命運を、さ」


ウメさんはその後空を見上げながら言った。


「確かに、あたしは臆病だったのかもしれんさね。たかが自分の孫一人にびくついて。そんな自分が情けなくて、やるせなくて……でも何もできなくて。それが腹立たしくて……」

「…………」


私は黙って聞いていた。ウメさんは少しだけだけど、


「でもね、あんたが『あなたは弱い』と言ったとき、一瞬わからなかったけど、殴ったときに少し理解したんだよ。ああ、確かにあたしは弱いってね。あたしは行きたいよ。でも怖くていけない。だから――」


ウメさんはこちらを向いて指を指した。


「あんたに賭けてみることにしてみたんだよ。でもそのまま行かせると死にに行くようなモンだからね。以前であった最強の男でも無い限り、生きて帰ってくるような真似はできないからねぇ」

「最強の男?」

「なんでも、ふぉっ○すとかいうところに所属していた、バンダナをつけた上半身半裸の男だったねぇ。あいつ、今はどうしているんだか……」

「…………」


私は何も言わないことにした。

というか、実在してたんだ。ふ○っくす。実在してたんだ。ス○ーク。


「まあ、何はともあれ。これであんたの身体能力は格段に上がってるだろ。それで後はあんたの腕次第さね」


そう言ってウメさんは私の方をぽんとたたき、抱きしめた。

体格が同じくらいなのだが、こそりと、


「……無事に、帰っておいで」


そう言った気がした。


「――――ありがとう、ございます」


そう言った後、私はまっすぐに校門に向かった。そこには、


「いかせんぞ」


ボロボロになった井宮さんを抱えながらくわえタバコのコガセンが立っていた。学校内は前面禁煙のはず。


「どいてください、コガセン」

「退くか、バカ。さっさと校内に戻れ」

「……いやです」

「そうか。なら力づくで連れ戻す」


そう言ってコガセンはチョークを指の間にいつのまにやら挟んでいた。私もそれに合わせて拳銃を二丁抜く。本邦初公開(たぶん)、二丁拳銃です。


「行くぞ」

「はい」


その言葉が引き金となった。

コガセンがチョークを投げる。

ほんとだったら見えないはずなのに、スローで見える。とてもよく見える。これなら撃てないことはない。これが体をいじった効果ですか?


「ふっ」


飛んできたチョークを撃ち落とす。

一瞬コガセンはびっくりしたが、それでも投げ続ける。私はそれを撃ち落とす。

平行線の撃ち合い。

立ちながら撃っている、という訳でもない。脇からならばと思ったのか、コガセンは、


「ここはっ!?」


チョークを撃つ位置を変えて撃ってきた。マシンガンのごときチョークの雨。

ちなみにコガセンはチョークを下から上に投げる、野球的に表現するんだったらアンダースロー方式で投げ続けている。そうなったら手とか充血しないのか。すっごく痛いだろうに。


「せんせー」

「なんだっ!?」


うわ、すっごくせっぱ詰まってる声。


「……痛くないんですか?」

「すっごく痛い!!」


だったら投げなければいいのに。


「だから……これならどうだ!?」


取り出したのは三角定規。それも数学に使いそうな位にでっかい。


「って、先生現代文の先生ですよね!?」

「黙れ!」

「何でそんなもの持ってるんですか!」

「借りた!!」

「誰に!?」


答えずにそのままぶん投げる。

とんでもない風切り音をさせながらそれはこちらに飛んできた。


「あぶなっ!」


思わずその場にしゃがみ込んでやり過ごす。

ふうとおもった後、後ろを見てみると、戻ってきていた。


「なんでっ!?」

「ブーメラン方式だ」

「空気力学絶対無視してるでしょう!? 明らかに穴の開いた直角三角定規で戻ってくるはずが……あぶなっ!」


またしゃがむ。

コガセンはそれをがっちりと受け止めた後、こちらに向かって三角定規で斬りかかってきた。


「せいっ!」

「あふっ!?」


間一髪、それを避ける。

完璧につきささってる。やばい、この教師、


(差し違えてでも私を止める気だ……!)


やばい、これはほんとにまずいぞ……そんなことを思っていた矢先、アレ・・の存在を思い出す。


(あれなら……!)


そう思って部屋に戻ろうとした。が、


「勝負の最中に逃げるかおまえは」


コガセンに止められる。

万事休すか……。そう思ったとき。


偶然にも、突風が吹いてきて、

偶然にも、私とハルさんの部屋があいていて、

偶然にも、私のアレに風がながされ、

偶然にも、それは風に運ばれて校庭とは反対方向に流れ、

偶然にも、それはコンドルに引っかかり、

偶然にも、コンドルはそれに気づかず、そのまま旋回して今、私たちが戦ってる校庭に戻ってきて、

偶然にも、コンドルがそれを振り落とし、

偶然にも、私の元にそれは落ちてきた。


と言うことらしい(紅則くん談)。

……偶然、続きすぎだろ。おい。


「とにかく……」


これでアレは手に入った。

これで……


「なんだそれは……コート?」


私が手に持っていたのは黒いコート。一見するとウインドブレーカーのようなデザイン。しかし肩の部分にボタンみたいな部分がある。おまけに少し光ってる。

これは私がお父さんからもらったコート。どんな機能があるのかといわれれば……。


「先生、降参の準備はいいですか?」

「は?」


私は手に持っていた拳銃を地面に落とし、コートを着る。すると手には新しい機関銃(銃器)


「な……」

「威力、量、増加です♪」


にこやかにいった後、一気に距離を離し(一歩退いただけですごい飛んだ。びっくり)、そのまま引き金を引く。

銃弾がコガセンの足下に向かって行く。


「ぐっ!?」


砂煙で目の前が見えなくなったのか、一瞬ひるんだ。

その隙を狙ってコガセンの脇をすり抜け――


「まて」


られなかった。

コガセンはいつのまにやら三角定規ではなく、ものさしに持ち替えていた。


「行くな、といったろう」


そのまま首を持って行かれ、無かった。


「なっ?」

「えへへ……」


コートでガード。

肘を使ってものさしの進行を止めていました。


「くっ……!」


コガセンは力ずくで押していたが、それでも進まない。


「んじゃ、コガセン。すみませんがここで寝ててください」


じゃこんとコガセンのお腹に向けて対戦車ライフルを構えている私。

それを確認したとき、


「……内申書、覚えておけよ」

「知りません」


思いっきりぶっぱなった。


コガセンはおもしろいように飛んでいった。


「……ゴム弾だけど、大丈夫かな?」

(至近距離でも危ないんじゃないか? By作者)


それはそうと。


「井宮さん、大丈夫ですか!?」


ボロボロの井宮さんを見つけると、私は急いでかけよった。


「う、うう……」


なんか、うめいている。無事なようだが、かなり手ひどくやられているみたいだ。

あんなコガセン、初めて見たもんなぁ……。


「井宮さん、先輩達をお願いします」


聞こえているかどうかはわからないけど、それでも一応言っておく。

そして私は向かっていく。

会長と――――ハルさんがいるところに。

と言うわけで久しぶりだね。みんな大好き、水月お兄さんだよ!


……うん、みんなが言いたいことはよくわかるよ。


バンプの曲はいいよね! 今回執筆がすごくはやくすんだよ!!


って、ごめんなさい! だからバケツとか投げないで!! 痛いから! 結構痛いから!!


ふぅ……。


ええ、今回ぶっちゃけ更新が遅れた理由は……。




怠けてました!! てへっ☆


――――だからバケツ投げるなって! ちょ、いたっ! って、うぉあっ!? 誰だ!? 今くない投げたの誰だ!? 水月さんが馬鹿だったから避けられたけど、変態だったら避けきれなかったよ!?


……ふぅ。まったくもって。少しくらいは弁解させてくれよ。みんなの大好きな水月兄さんだぜ? そんな簡単にほいほいついてきちまっていいのかい? 水月さんはのんけだろうと遠慮無く馬鹿にしちまうような漢の子なんだぜ?


……まあ、わるいとは思いましたよ。でもですね。全く持って書けなかったんですよ。パソコンの前に立ったらいつのまにやら動画見ながらニコニコしてたり、PSPもってモンハンしてたり(上位で苦戦中)、DSiもってジャンプアルティメットスターズやってたり(最新版希望)。

そんなこんなで遅れてました。ごめんなさい!


まあ、不定期更新になってきちまってるけど、それでもついてきてくれている皆さんに感謝感謝。ほんとにありがとうございます。


といってももうそろそろサクコーも終わり。スパートに入っていると言うのにまだまだ先は長い。もう駅伝で言うんだったら最終区ですよ。

とにかく、この長い道のり、必ずやゴールしきって見せますだ。

それまで、どうぞ、長い目で応援してやってください。







……って気づけばそろそろ三周年!? うわやべまず!! がんばらな!!

ではっ!!


水月でした。

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