百二十九日目、大喝一声
大喝一声……大声で一発怒鳴りつけること。
果たしてこのサブタイで大丈夫なのか。心配でなりません。
「なんでそんなことするんだよ!? そいつは持ちたくて持ったもんなんかじゃねぇんだよ!」
気づけば俺は大声で怒鳴り、孫の手を刀に変えていた。
「あいつがどれだけ脆いか、おまえらにはわかんねぇだろうな! なにせあいつを、モノとしか思ってねぇ奴らだ。だからこそこんなひでぇことができるんだろうよ! おまけに化け物だぁ!? あいつが化け物だったら、俺は何だって言うんだ!? 魔神か!?」
なんだか懐かしいようなフレーズがしたような気がしたがそれはおいといて。
「俺は、あいつの側にいる! たとえ化け物だろうが、人間じゃなかろうと、そいつは――」
俺はここぞとばかりに大声で叫んだ。
「俺の、妹だからだ!!!」
※――――
「心配だったら、なんでそんな事をするんですか! するくらいなら相談に乗るとか、力のセーブの方法とか、教えてあげればいいじゃないですか! それなのに怖がってばっかり……強いと思ってましたけど、訂正します。あなたは弱いです! 弱すぎます!!」
「あ、あたしが、弱い?」
「実の孫すら守れないような人は強くも何ともありません! そんな物、実用性がチョークの粉以下です!」
「なぜにチョーク!?」
「知りません!」
私は拳銃を取り出す。
今度の今度は毛虫と書いてマジと読む(よまねぇよ。by作者)位の毛虫ものである。
薔薇二込メシ銃弾――私が持ってる中での最高威力の拳銃を取り出す。どのような威力なのかはたとえるならば厚さ十センチの鉄板を打ち抜くくらいの威力(どれほどの威力なのかは桜ヶ丘高校生徒会役員第七十五日目後半を参照。by作者)
「とにかく、そんなこと、知ったこっちゃないです! そこを通させてもらいますよ! ウメさん!」
「…………」
ウメさんはにやりと笑った後、ぽつりと言う。
「ちょっと三割の力じゃ灸が足りなかったみたいだね……」
「え?」
三割?
そう思ったとき、ウメさんは姿を消して瞬きの間に私の目の前にいた。と思ったときには私の身体は宙を舞っていた。
「…………っ!?」
舞っていたときにお腹にすごい鈍痛が。
まさか……瞬きの間でぶん投げられた!?
「ぐえっ」
地面に落ちたとき、情けない声を上げてしまった。
「今のは五割。次の十割の力に耐え切れたら、後は知らないよ。好きにしな。あんたが反撃をしてもかまわないけど、」
ウメさんは腰を落とし、右手を前に突き出して構えた。
「そんときは、あたしの力加減で病院送りになるだろうね?」
にっこりと笑ったとき。私の顔は見えないけど。
「……上、っ等! です!」
笑っていたと思う。
※――――
「はぁ……少し早いが、仕方がありませんね」
御名は少しあきれたように言った後、紙袋の中からボタンを取り出して押した。
「面接はこれで終了だ。これより、実技試験を開始する」
地響きと共に御名の声がする。
地響きは近くなってきて、やがて止まった。見るとそこには――。
鋼鉄の蜘蛛がいた。
鉄骨の足、ガラスのような目が七つ、六角形に並んでいる。何もないはずの背中にはロケットランチャーや重火器の類がこれでもかと言わんばかりにつぎ込まれていた。
「このNK-ランチャースパイダーを倒すか、私が持っている停止ボタンを押せば、ここを通します。近年、我々は軍事産業にも関わっていこうと思いまして。――そうそう。ここより先は一本道ですので、たやすくいけるはずです。警備員もいませんのでご安心を。奥には基様がいらっしゃいますので。ですが……」
御名が機械の蜘蛛の上に乗る。
「ランチャースパイダーは戦車が十台、束になってかかっても倒されませんでした。戦闘ヘリ、装甲車、ナパーム、ミサイル、etcetc……この世のありとあらゆる軍事機械を使っても倒れなかった。それだけの経験を積んできた高性能AIも積んでいます。そのことを補足情報として入れておいてください。では」
御名がそういった後、蜘蛛は大きなうなり声を上げて背中の排気管から蒸気を出した。
「Are You Ready?」
「上等だ!! その蜘蛛を三枚におろしてやるぜ!!」
そう意気込んでいこうとしたとき。
なにやら堅い物が後頭部に当たった。
「――――ってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!」
思わず頭を抱え込んで投げつけられた物を見てみる。
これは……スケッチブック?
書かれた内容を見てみると見覚えのある字で、
『待て。』
と一言書かれていた。
「全く。貴様というやつは……」
かつこつと靴を鳴らす音を響かせながら、
「どれだけ急いでいるんだ? まあいい。説教は後だ」
怒りに満ちているような笑顔で、
「貴様を絞るのは後にして、まずはこの目の前のデカブツを片づけて、そして――」
秋原雁且は言った。
「貴様はさっさと、桜田を助けてこい!」
名前をつけて後悔している物。ガンズアンドローゼスて……誰だよ、こんな名前つけたの。俺だよ。書いたときにはもう遅かったよ。書くたび書くたびに叫んでるよ。「こんな名前つけたのは誰だ!」って……。