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桜ヶ丘高校生徒会役員  作者: 嫁葉羽華流
春の章 ~そしてまわりだす~
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百二十三日目、白昼堂々

お ま い ら 最 終 章 で す よ 。


誰に向かって言ってるんだつーかお前こんなことしてて大丈夫なのかと言われんばかりのこの感じ。一体どうしてくれようか。

さてさて。そろそろサクコーも最終章に突入です。締めくらいはびしっとやりたいね。今までの伏線とかが回収されたらいいなぁ。


P、S。 ユニークアクセス三万越え! ありがとうございます!

朝食時、私たちはニュースを見ていた。

何故か今回はおばあちゃんがいなかったので代わりに井宮さんが料理を作ってくれていた。


『……次のニュースです。最近桜ヶ丘市の女生徒をねらった誘拐事件が勃発しています。PTAや警察からは一人で登下校しないようにとの注意が……』


うちの学校でも問題になっている。なにやら女生徒だけがねらわれるような誘拐が増えてきている。

当然、桜ヶ丘高校うちはこれに対して柊グループお墨付きの警備会社に通学路を見張ってもらっている。


「物騒ですねー……」

「まぁ、一応の警備はしてあるし、生徒の方も警戒しているみたいだ」

「おまけに風紀委員会も頑張ってるみたいですしね」


そう。

あんまり言われてはいないがうちの学校には風紀委員会も存在している。

雁岨さんもそこに所属している、っつーか風紀委員長だ。ちょこちょこ遊びに来ていたのは風紀委員会の仕事という名目だったらしい。意外と不真面目なところは不真面目だった。


「まぁ、そんなわけでお前らも気をつけろよ? 女子ばっかりねらわれてるから男子は心配ないと思うが」

「というか会長。この女子群を襲える人っているんですか……?」


失礼な。


「軍曹さんはともかくとして私や曹長さん、少尉先輩は襲われる心配が無いですよ」

「ちょっと待とうか雫ちゃん。それ逆じゃない?」

「反語表現です」


大胆な反語表現だった。

というか失礼だ。


「まぁ、今回の議題を朝のうちに言っておこう。今回の議題は――」


会長が真面目に話をし始めたのでここら辺はカット。


※――――


「やー……今日も一日くたびれたー……」

「といっても、いつもと同じような雑談でしたけどね」


苦笑いしながら抄華ちゃんが言う。

あははー、そうだねーと私は同意していた。


「さて、そろそろ部屋に――」


(――――!)


「ん?」

「どうしたんですか? ハルさん。クラシッ○ダンジョンでドット絵が作られたことがそんなに気になるんですか?」

「何そのどうでもいい情報」


いや、なんか今、雑音が聞こえたような……。


(――いっ!)


「っ!?」


頭を殴られたかのような強い衝撃が襲ってきた。その場にうずくまってしまう程の痛み。

なんだ、これ。


(――くいっ!)


「っ!」


何かは分からない。

けど確実に明確に頭痛は襲う。

抄華ちゃんが何か言ってきてるけど聞き取れない。

それよりも、さっきから聞こえてくるこの声が明確に聞こえて――っ!


(憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い憎い!! あなたが憎い、憎たらしい!

 どうしてあなたがそんな風にいられるの!? きえろっ! あなたなんてjふぁkじv@のペ詩psまうりおぱえあいsぽgtじょぱsjちおあsとvshtう゛ぃおあsんvちあs、あcいお――――!)


「う、あっ……!」

「は、ハルさん!? ちょ、大丈夫ですか!? 今会長とか先生を呼んできますから、そこにいてください!」


うずくまって突然に出てきた声に私は何も聞こえない。

何でだ?

そばには誰もいないはずなのに、なんで耳元で言われてるような感覚がするんだ!?


(ああああああああああああああああああああああ嗚呼阿阿阿阿ああああ阿ああああああああああ阿!! 死ね死ね死ね死ね死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死――!)


頭が痛いのどが渇く耳が引き裂かれそうだ目がえぐり出されそうだ爪が割れそうだ全身が熱い!

何も考えられない力が出ない!

だめだ落ち着け(死ね)こんな時に冷静にならないといけないのに(何であなたが)どうしてこの声が出てくるんだ(死んじゃえばいいのに)この声は誰だ(嘘つき)


ああああああああ!! うるさいっ! 少し黙っててっ!!


頭の中で喚き続ける声に向かって叫ぶ。

その時、誰かがやってきて私の身体を持ち上げていた感覚があったのは覚えている。


※――――


「んで!? どこにいるんだ桜田は!?」

「廊下の方で絶賛うずくまってる最中です!」


俺たちはひとまず桜田が倒れた廊下まで急いで走っていた。

そしてそこまでたどり着いたとき、そこにいたのは桜田だけじゃなかった。

白い学ランを着た覆面の人たち。

その中の一人が桜田を担いで窓から飛び降りようとしている――!


「――おおおおおおおおおっ!」


俺は孫の手を持って白学ランどもをなぎ倒した。

ばったばったとなぎ倒していくうちに一人と孫の手がぶつかった。

ぶつかったモノは――西洋剣。


「っ!」


いったん間合いを置いて俺は孫の手を解放して色即是空に持ち変える。


「らぁぁぁっ!!」


そこから間合いを詰めて一気に剣劇の嵐。

しかしことごとくそれを受け流す西洋剣使い。

やがてつばぜり合いに持ち込んだとき。西洋剣使いはぼそっと、


「……まだまだ甘いね。竜介クン」

「!? お前は……」


一言言ってはじき飛ばす。

俺はその勢いで地面に手をつかされてしまった。


「キミは昔から変わっていない。変わったのは、キミを取り巻く環境……かな。あの頃のように燃えたぎらせていた目はどこに置き忘れてきたんだい?」

「てめぇ、やっぱ……」


俺がそれ以上を言おうとしたとき、そいつは突っ込んできた。

その西洋剣は俺の右肩に深々と突き刺さり。


「――っ!」


地面に押しつけられた。

奴は剣を抜いてそのままさやに収めた後きびすを返し、


「爪も牙も無くなったキミには用はない。今回用があるのはこっちの方でね。じゃあね。竜介クン」

「ま……て……こ……ら……」


そうやって手を伸ばしていたが、奴は他の白学ランと共に飛び降りていった。


「会長!」

「大丈夫ですか!?」

「ああ……っ」


やっぱり右肩が痛む。つーか痛ぇ。

けど……。


「状況のお知らせだ。桜田が連れ去られた。白昼堂々な」


なんであいつがここにいる。

春山基。

かつて俺と一緒に修行した仲であり、

すでに死んでしまったと思える奴が。

さてさて。春山基って誰ぞという人は薄影会都の極秘レポートを見るヨロシ。

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