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桜ヶ丘高校生徒会役員  作者: 嫁葉羽華流
春の章 ~そしてまわりだす~
133/151

百二十日目、まぁ、今のうちに把握しておこうか……。

遺影!! 間違えた

イエイ!! コメディーパートが復活したぜぃ!!

さぁて……どんな作品になったのか?

見物だね!!

「……なぁ、桜田」

「何ですか? 会長。急にそんなしみじみとした声を出して」

「いや、な……」


会長は言葉を濁し、お茶を音を立てながら飲んだ。

でもそんなことしたら……。


「うっ! げぼ! ごっほ、ぐあっは!」


やっぱり咽せたよ……やらない方が良いのにね……。


「ぐればっ! あべしっ! ひでぶっ!」

「って、途中から殴られた音声的なものになってる!?」


※――――


「と、いうわけで、だ。今のうちに人物を把握しておこうと思う」

「人物を把握する?」


人物を把握するって……小説じゃあるまいし……。


「ああ、それ良いですね」

「ふふん。我ながら妙案だと思う」

「そこの先輩方二人。会長と副会長で何話してるんですか」

「と、いうわけで、人物を把握しておこうと思うぞ!」


無視ですかスルーですか。

そんなつっこみを心の中で入れたあと、「異議あり!」と抄華ちゃんがおずおずと手を挙げた。


「今更になってなぜに人物を洗い流すんですか! すでにこのヤマは終わっています!」

「え、何この展開」

「所轄は黙ってろ! ここは俺たち現場の仕事場だ!」

「だからなんですかこの展開」

「チーフ! 現場のたれ込みでガイシャの身元が――」

「あんたも乗るな春樹ぃぃ――――!」

「会長? とりあえずなんで事実関係を今更になって改めるんですか?」


おお。柊先輩が至極まっとうな発言を。

いや、いつもまっとうな発言を……してるよね。


「あの……」

「ん? どうしたの雫ちゃん?」

「じ、人物把握って、こんなものですよ……ね?」


そう言って生徒会室に備え付けてあるホワイトボードにきゅっきゅと書き始めた。

そこには……。


夏木竜介(生徒会長であり、萩昌介の恋人)


萩昌介(生徒会副会長であり、夏木竜介の愛人)


桧木抄華(生徒会雑務であり、乍乃雫のおもちゃ)


乍乃雫(生徒会雑務であり、桧木抄華の恋人)


桜田ハル(生徒会雑務であり、犬)


柊紫苑(生徒会会計であり、桜田ハル、紅則を養っている)


「こんな感じですよね?」

『いやいやいやいやいやいやいやいや』


良い笑顔をしている雫ちゃんに全員のつっこみ。

イヤこれは無い。断じてない。


「え? 違うんですか?」

「違うからな!? なんで俺萩とできてんだよ!?」

「僕はまともだから! 人物関係が根底から破綻してるよ!」

「わ、私は雫さんにおもちゃ扱いされてるんですかどっちなんですか!?」

「とりあえず私犬ってどういう事!? 説明をお願い!」

「あと僕! なんで呼び捨「あら私は今の関係で気に入ってるわよ?」僕が話してるのに割り込まないでください柊先輩!」


「ええっ!」と驚きの声を上げて、雫ちゃんは、


「私の脳内設定で何で動いてくれないんですか!?」

『脳内設定かよ(ですか)!!』

「脳内でも良くできてるわね。これ」

「ちなみに、こんな感じになります」


そして私たちの意識は緩やかにフェードアウトしていった。


※――――


「ほら……曹長さん……力を抜いて……怖くないですよ」

「ああっ、い、いけないです。駄目です、こんなことしては、あ、ああっ! み、見てます、他の人がみて」


――自主規制――


「ええっ! 今とても良いシーンだったのに! 何で邪魔が入るんですか!」

「どこがだよ! 思いっきり法に触れてそうな事やってたじゃねぇか!」

「じゃあ、会長さんは同姓愛は認めてくれないんですか!」

「認められるかぁ! それだから日本は少子化がすすんでるんだろーが!」

「がーんっ! ど、同性愛を認めてくれないだなんて……会長! 絶望しました!」

「何マ○ジンのノリで言ってくれちゃってんだ!」

「あら、私は好きだけどね。週刊少年マガ○ン」

「じゃあ、これなんてどうですか!」


そう言ってまた私たちの意識がフェードアウトしていく……。


※――――


「萩……力抜け……」

「か、会長……ああっ!」

そう言って会長さんは自分の×××××を萩先輩の×××××に押し当て、そのまま×××××した。

エキサイティングな


――以下自主規制――


「濡れん場でしたね!! 二人とも!! 作者さん協力ありがとうございます!」

「二人ともすっごい精神ダメージを受けてるよ!」

「か、会長! しっかり!」

「そうもいいつつ柊先輩はちゃっかりカメラを回しているんですね」

「こんな会長はそんなに見れないから♪」

「言ってる場合ですか! 二人とも! しっかりしてください!」


私はとりあえず二人をボコボコに殴っていると二人の意識は回復したようだ。


「――はっ! 俺たちはいったい何が……」

「会長……とりあえず、僕たちは何か悪い夢にうなされていたような気がします……」

「だな。なんだか本能がブラウザバックしろとか訳の分からん信号を送り続けている……」


二人とも、ひどく疲れているようだ。


「二人ともっ、良いものを見させてもらいました……♪」


顔を上気させて雫ちゃんは恍惚とした表情を浮かべていた。

……意外と侮れないかも、この子。


※――――


「さて、本格的に人物を把握しないと読者が間違った事実を受け止めかねないからはやいとこまっとうな事実関係を再確認すっぞ……」

「ですね……」

「ですからこれは……」

「井宮さんホワイトボード回収!!」

「了解しました」


というわけでホワイトボードは新しいものに変えられた。危機は去ったように思える。


「さて。早速だが俺の立ち位置はなんなのか? まずはそれについてみんなに意見を聞こう」


と会長が訊ねてきたのでとりあえずみんな正直に話した。


「金髪」(私)

「ロリ好き」(抄華ちゃん)

「不良テイスト」(雫ちゃん)

「見てて飽きない人ですかね」(萩先輩)

「まぁ、ストーキングしてても飽きない人ですね」(柊先輩)

「お前らは俺に対してろくな意識を持っていないということが分かった……」


会長が頭を抱えながらうつむき加減に言った。

それを雫ちゃんがホワイトボードにメモしていく。


夏木竜介(ロリな金髪不良テイストな見てて飽きない、ストーキングしても飽きないろくな意識を持たれていない人物)


ホントにろくでもない人物として見られること請け合いだ。


「さて、次は萩だが……」

「僕にはそんなろくでもないものはないと思いますよ? ねぇ? みんな?」


そう言ってみんなに尋ねる萩先輩。これにもみんな正直に――、


「どちらかというと、S体質ですよね」(私)

「実は明らかにされていなかったメガネ属性持ちの天パでしたね。木村○哉を中性的にした感じの」(抄華ちゃん)

「え、えっと……実はやくざの若頭だった、とか」(雫ちゃん)

「んー、なんつーかホントに右腕の存在だな」(会長)


そこまで言ったとき、柊先輩はうつむき気味にどもっていた。


「え、あ、えっと……」

「んー? どうした、柊?」

「柊先輩、顔が赤いですよ? 熱でもあるんですか?」

「そ、そうね、熱でもあるみたい。ちょ、ちょっと清水先生の所にでも……いえ……でも……」


何かを考えたあと、柊先輩は萩先輩の手を引いてそのまま廊下に出て行った。

数分後、二人は少し着崩れをなおしながら帰ってきていた。何をしていたのか……?


「は、萩? どうした? お前まで赤くなって?」

「何でもないですよ。そ、それより僕のは?」


急いで先に進みたがっているみたいだった。

雫ちゃんは疑問に思いながらもホワイトボードに書いていく。


萩昌介(どちらかと言うとS体質のやくざの若頭。実は知られていなかった会長の右腕かつメガネ、天パ属性持ち……?)


最後が疑問系なのはまぁ、納得。


「さて、次は……桧木たんか……」

「そろそろそれするのもいい加減疲れてきませんか?」

「何を言う!! ロリっ娘に『たん』をつけるのは常識だろう!?」

「……どこの常識ですか、それ」


そんなことはともかくとして人物分析。


「まぁ、ちっちゃい」(私)

「ちっちゃいですね」(雫ちゃん)

「ちっちゃカワイイわね」(柊先輩)

「ちっちゃい子だと思うよ」(萩先輩)

「ちっちゃカワイイロリっ娘だ!!」(会長)

「何で私にはちっちゃいイメージしかないんですか!!!」


え? なんで抄華ちゃんは怒ってるの?


「怒りますよ!! まるでこれでは私がちっちゃいだけの人みたいじゃないですか!!」

「まぁ、それではあなたはぼんきゅっぼんのナイスバディの持ち主だと言えるのかしら?」


柊先輩のその言葉に言葉を詰まらせる抄華ちゃん。

まぁ、明らかなナイスバディの持ち主にいわれちゃ敵わないよね……。

それを尻目に雫ちゃんはホワイトボードに書き込む。


桧木抄華ちっちゃカワイイ


「一行で済まされた!!!」


なんだかショックを受けているみたいだがまあ良いんじゃない?


「さて次は乍乃だが……」


これはなぜか雫ちゃんが勝手に書いていた。


乍乃雫(妄想癖持ちの第二のちみっちゃいキャラ)


うん。あれは妄想癖とかいうレベルじゃないと思いたい。

むしろこの子は怒らせたら……。

お、怒らせたら……。


「か、会長! ハルちゃんが痙攣を! って、会長!? 何口から泡をはいてるんですか!? ってよく見たら抄華ちゃんも隅っこでがたがた震えてるし!」

「な、何があったんだろう……」


こわいよぉ……亜麻色の悪魔が襲ってくるよぉ……。


※――――


「というわけで次は私なわけなんだけども……何がある?」


そう思ってみんなに聞いてみた。

ふっふっふ……さすがに私にはそんなにひどいものはないはず……。


「猫耳ですね」(抄華ちゃん)

「猫耳でしょう」(雫ちゃん)

「猫耳だろ?」(会長)

「猫耳以外は無いと思う」(萩先輩)

「猫耳は外せないわね」(柊先輩)

「って猫耳以外無いのかぁぁぁぁ――――!!」


選択肢の狭さに今になって突っ込んだ。

というか……。


「なぜに猫耳!? その選択肢の狭さにはびっくり仰天と言わざるを得ないんですけど!!」

「桜田の代名詞と言ったら猫耳だろう。以前作者のサイトで乗ってたと思うが」

「そんな豆知識はいりません!!」


ホントにあるかどうかも分からないものを調べるような人がいるとも思えないけど。

そして雫ちゃんはホワイトボードに書いていた。


桜田ハル(猫耳)


「ひどいっ!」


お粗末だった。


と言うわけで全員の人物分析が終わった訳なんだけども……。


「改めてみるとロクなのがいねぇな……」

「アクが強すぎる感がいなめませんねぇ……」


確かに。

この生徒会、まともな人が一人も……。

ん?


「あれ? そう言えば紅則君は?」


あれ?


※――――


「僕なんて……みんなに忘れ去られるような存在なんだなぁ……」


河原で一人、石を投げて遊んでいたらしいです。


結論。


「うちの生徒会にはまともな奴がいない!」

「それじまんして言えるような事じゃない!!」

それは、彼らを見続けていた。

故に彼らからは見られず、

また、その存在を彼らが認知するのは、まだ後の話である。

それでも、変化は起きていた。

彼らには、その変化が見えないだけで、

確実に、その変化は起きていた。

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