百十四日目。あえた。
遅くなりました!! ええ! 今回はかなりのちょい危なげなシーンが……。
まぁ、あれですよ。サービスカットですよ。
……なに? 更新が遅かったって?
……すんません。最近いろいろと忙しいんです。
受験生なんです!! いろいろとかかってるんです(ェ!!
それでは本編ドゾー。
私はその人の後を追った。
ほとんど人がいなかったはずの商店街は人がかなり多くなってきていた。
だけども。その人を私が見落とすことは無かった。
なぜならば、その人は背が高いし、何よりも目立つ金髪を持っていたから。
おまけに、袖の短い白のカッターシャツを着ているので、さらにわかりやすかった。
いくら何でもこんな冬に短いカッターシャツを着ていることは珍しい。
その人は路地に入っていった。
私もその人を追って路地の中へと。
路地の中は夕焼けと相まって、薄暗かった。
おまけに所々、あきカンやペットボトル、ガムも捨てられていたりしていた。
そんな奥に、あの人はいた。
「おい。来たぞ」
「おお。お前か」
どうやらあの人は誰かと話していたようだった。
「誰にもつけられてはいねぇよな?」
「当たり前だろ? さぁ、早く……約束のもの、渡してもらおうか」
そして何を渡そうとしているのか気になり、気付けば私は物陰から身を乗り出していた。
当然、そんなことをすれば。
「誰だっ!?」
あの人と話していた人がこちらに気付いた。
思わず私は元の物陰に身を引っ込めたが、遅かった。
「てめぇ、つけられていたんじゃねぇか!!」
「いや、まさかつけられてるなんてなぁ……」
「くそっ! おい! 隠れてないで出てこい!!」
私はあきらめて物陰から出た。
あの人と話していた人物は赤いフードにすっぽりと身を包み、バッグをしょっていた。
そしてあの人は……。
…………。
…………。
こういってはなんだけど……その……。
「不細工って言ったら殺すぞ!!」
言われた。
そう。かなり不細工だ。
一歳にも満たない子供が落書きで書いたようなそれを見た途端、私はなんだかがっかり感が出てきた。いや、なぜにがっかり感が出たのかは知らないけれども、とにかく、がっかり感が出てきていた。
いやまて。私は何にがっかりしているんだ?
よもや、私はこの人が誰か、自分にとって大切な人だったら良かったのになぁ、とか思っていたのだろうか。
「おい、お前こっちに来い!」
私は不細工な人に手を引っ張られ、路地の奥へと連れられていった。
そしてかなり奥に連れられていった。もう商店街の人たちの声も、視線もここならば届かないだろう。
「おい、お前、何を見た?」
私は答えない。
「なんとか言えよ! おい!!」
赤いパーカーの人がポケットから折りたたみナイフを取り出した。
鈍色に光るそれを見ても、私は何も答えなかった。
どうしようもない、身体から出てくる絶望感が、全身に取り巻いているみたいで、その場から動かず、考えることをさせようとしなかった。
誰が?
私が?
そんなことはない。
今現在、私はこれ以上ともない危機に遭っているはずだ。
それなのに、身体がついて行かない?
何でだ?
なんで?
「なんとかいえって……言ってるだろ!!」
赤いパーカーの人が制服を切った。
私の肌とブラのホックが目の前の人たちにはあらわになるだろう。
いつもだったら、それを隠すはずなのに。
なんで、身体が動かないのだろう。
なんで。
「おぉ~い」
誰かの声が聞こえた。
「こぉ~んなところで不純異性交遊ですかぁ? 悲しいねぇ。若いんだから、そんなところで身体をもてあますかねぇ?」
そうして私はその方向を見てみた。
そこには金色の髪を逆立てた短いカッターシャツを着た、黒ベストに蝶ネクタイ、黒いズボンを着た……。
般若がいた。
正確には般若のお面をつけた人だった。だが背中にもその姿相応の般若を背負っているかのように見える。
「おに~さんはぁ……悲しいねぇ!!!」
一歩、力強く、地面を、大気すらも揺るがすかのように踏み出した。
一歩、大振りの一撃を繰り出すためのモーション。上半身を捻らせた。
そして一歩。その右拳を赤いパーカーの人に向けて。
めきっ
間合いにして、三歩。
それだけで私の目の前にいるパーカーの人を殴った。
殴られた人はよろめき、体勢を崩してはいたけれど、ナイフは握っていた。
だが、そこにもう一撃。右足をあげての右手に向かってハイキック。
握られていたナイフは赤いパーカーの人から離れて地面に落ちて金属質の音を響かせた。
さらに引き下がった赤いパーカーの人に向かってその金色の髪の人は追い打ちをかけて殴る。
鈍い音を響かせて、ナイフは落ちてその人と共に倒れた。
そしてその人は振り向き逃げようとしていた不細工な人に向かって般若のお面を投げつけた。
それは後頭部に当たって不細工な人に当たった。
その人は当たった衝撃に転び、一度こちらを見た後、飛び上がるように立ち上がりそのまま走って去っていった。
その人がこちらに近づいてきた。
呆けた顔でその人を見ているとその人は来ていたベストをこちらに投げた。
私はそれを受け取り、その人の顔をまじまじと見つめた。
切れそうな目つき。一見すると不良のようではあるけれども、どこかに優しさがあるような表情だった。
ああ。そうだ。
「よぉ」
私は。
「待たせたな。桜田」
私はこの人を。
「なんだ? あまりにも懐かしすぎて声も出ないってか?」
私はこの人を――知っている。
「――遅いんですよ。ば会長が」
笑いながら、私は言った。その時、頬に何かがつたっていった。