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桜ヶ丘高校生徒会役員  作者: 嫁葉羽華流
春の章 ~はじまりはいつもここから~
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十一日目、コメディーの主人公がなんか元気ないと、なんかいらいらするよね

出て行こうとしたちょうどそのとき、

ハルが目の前にいた。

「「「「……………………」」」」

「…………どうしたんですか? みんなして?」

ハルは目がひどく虚ろだった。

目があるべきところにはまるでガラス玉が代わりに入っているような感じだった。

ハルはそのまま自分の席に着くと仕事をしていた。

庶務の仕事は以外にたまっていたりするのだが、なかなかに頑張ってかたづけていた。

急いで他の人も席に着き、仕事を始めた。

パソコンのキーを打つ音と、鉛筆が走る音が交響曲を奏でていたとき。


………空気が、重いっ……!!


ハル以外のその部屋にいる者はそう思った。

そして、

「さ、桜田さん。今日は天気がいいね」

「そうですね、こんなに汚い雨空を見るのは初めてですよ」

びしっ。

萩、撃沈。

「は、ハルちゃん、こないだおいしいレストランのチケットが手に入ったからみんなで食べに行かない?」

「そのお店確かこないだニュースで食中毒が出たって聞きましたよ」

ばきゃっ。

柊、轟沈。

「は、ハルさん。今度カブトムシ捕まえに行きましょう! い、いい気晴らしになると思いますよ!? ねっ!?」

「こないだマイ虫かごとマイ虫網とマイ腐葉土捨てられたばっかりだしおまけに今春だから幼虫だっていないよ」

どごあっ。

桧木、爆沈。

「桜田、実はおまえが放心状態の時に撮った猫耳猫しっぽ(三毛Ver.)の写真が飛ぶように売れてるぞ? プロマイド一枚500円で」

「いつそんな写真撮ったんですかっ!!!!!!????」


作者! いい加減に返しやがれ! ナレーションは私のモンだぁぁぁぁ!!!

そんでもって、

食らえ、久々のぉぉぉぉぉぉ…………!

ジャァァァンピングロォォォォォリングソバットォォォォォォォォォォ!!!!!!!


「ひげぶらさぼげあっ!!!!???」


はーっ、はーっ、はーっ…。

懲りずにそんな盗撮をよくも…。


「さ、桜田…今日は…赤と白の…スト…ラ…イ…プ…」

「ここまで来てまた暴露するか貴様わぁぁぁぁぁぁぁあ!!!!!」


蹴り飛ばす! 蹴り飛ばす! 蹴り飛ばす! 蹴り飛ばす! 蹴り飛ばす! 蹴り飛ばぁぁぁぁぁぁぁす!


「はーっ…」


精神統一…。よし。


「萩先輩」

「だめだよ」

「…まだ何も言ってません」

「『生徒会辞表願い』を出すんだろう? そんな物は僕は受け取らない」


凛とした声が雨粒が窓を叩く音と一緒に聞こえた。


「桜田さん。君の処遇は聞いた」

「だったらなおさらです。受け取ってください」

「だから受け取らない」


気づいたら萩先輩はいつものへらへらとしたにこやか顔じゃなくて、生徒会副会長の顔になっていた。


「いいかい? こないだの君のあれは事故だった。僕らだって、ちょっとはおもしろがっていた部分もあるかもしれない。でも、あの桜田さんも、桜田さんだと、僕は思う。

桜田さんは、桜田さんだ。なにも変わらない。

突っ込みを入れようが、人を殺しそうになろうが、会長を半殺しにしようが、その犯人が桜田さんだとしても、僕らは何もかわらない。

ただ、僕らは。

桜田さんと一緒に仕事をするだけだ。

桜田さんと一緒に思い出を作るだけだ。

桜田さんと一緒にいるのが楽しいだけだ。

ただ、それだけだ。

それでも、この生徒会から抜けるのなら、僕は遠慮なくその辞表をもらおう」


………………馬鹿?


「馬鹿ですか!? 皆さん!? 私と一緒にいたら、へたすりゃ死んでしまうかもしれないんですよ!?」


ぱしんっ。

頬をたたかれた音が部屋に響いた。

たたいた主は、抄華ちゃんだった。

泣きそうな目をしながら、


「…それが…それがどうしたって言うんですか!?」


……………………………。


「私は! ハルさんと一緒に仕事がしたいんです! 笑って! 馬鹿をして! 間違えて! それでも! 私は!」


そこで泣きながら、抄華ちゃんは息を整えた。


「…私は…ハルさんと…一緒に…一緒に生徒会活動がしたいんですっっっっっ!」


…………………い、


「いいの…?」

「?」

「ここに…私がいて…いいの?」

「ええ。いてもいいわ。むしろここが」


そう言って柊先輩は生徒会室を見た。


「あなたのいる場所よ。桜田ハル」

「……………う、うう……」


うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ………

私は泣いた。

天が裂けんばかりに、

地が割れんばかりに泣いた。





















って…


「ほんとにわれてんですけどぉぉぉぉぉ!!!」


ちゅ、駐車場が…生徒会室から見える駐車場が…

割れてるぅぅぅぅぅぅぅぅ!!!!????


「「「うそぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!????」」」


あ〜…高級外車が割れ目に飲み込まれてますよ…。

すごい! 私の泣き声!

いつの間にか復活していた会長。ぼそっと。


「う〜ん。さすが作者。きっちりコメディーでしめたな」

え〜、書き終わりました。

もちろん、これで終わりじゃないですよ?

ええ。書いているうちに、まともになってきました。

さて、次の回では、緩急をはさみまして、

第二シーズン(早いな)!

夏です!夏へんを書こうと思います!

皆さん、お楽しみに!

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