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桜ヶ丘高校生徒会役員  作者: 嫁葉羽華流
冬の章 ~ユキ ト オモヒデ~
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九十四日目、本当に怒らせてはいけないのは物静かな人。

さぁ~て……今日も一日張り切りましょうか~……。

あ、どうも。皆さん。乍乃雫です。

今回は久々に休暇をもらいましたので一日のんびりとゲームを……もとい、読書をしたいと思います。

さてさて……本棚の中には……。

私の本が七割、そして柊先輩(相部屋なんです)の持っている書籍が三割、といったところです。

その三割の内、2,5割がなにやらアルバムで覆われているんですけど……。

いやいや。そんなことは考えないでおきましょう。

さーて……今日は何を読もうかな~……。


「あ、いた。雫さん」

「おろ? 誰かと思えば抄華さんじゃないですか。どうしたんですか?」

「いや……最近なんか持ち物が急に無くなったりするんだよねぇ……」

「最近無くなったのは何ですか?」


抄華さんは少し考えてからおずおずと言いました。


「ダイナマイト、グレネード(破片式)に超電磁砲レールガン、パトリオットにサブマシンガンにランチャーにバズーカ(使い捨て)に……」

「待ってください。何でそんなに銃刀法に違法しそうなものがたくさんあるんですか?」

「聞く?」


抄華さんがなにやら裏に一物ありそうな笑みで一言。


「内緒です♪」


これ以上聞いたら帰ってこれないような気がする。どこへとは聞かないでください。

とにかく私はその後、そんなことは知らないといってまた一人になりました。

……いや、心当たりはありっちゃぁ、有りなんですけど……。さすがにあの人、そんなことやるんだろうか……。


人の部屋に無断侵入ピッキングして人の部屋の物を物色したりするとか……ないですよね。


「さぁ~てっ。そう言えば小説が書きかけでしたね。今の内に少し執筆をしましょう」

そう言って自分の机の前に座ってノートパソコンを立ち上げました。

この中には自分の命の次に大事な小説データやらなんやらかんやらが、まとめて保存してあるのです。私は一○郎を立ち上げました。

するとなんと言うことでしょう。

執筆はするすると進んでいきます。まるで水を得た魚のごときするする感です。

いやぁ。これはかなり進みそうですね。快調快調。

そんなことを思いながら打ち込んでいると、外がなにやら騒がしいような。


『あっ! 会長!! その手に持っている物は何ですかっ!』

『げぇっ! 見つかったっ!! 逃げろッ!! 俺っ!!』

『しーきゅーしーきゅー!! こちら曹長!! 軍曹! そっちに向かって会長さんが行った!! 取り押さえろ!!』


トランシーバーでも使ってるんですか? 思いっきり口調やら何やらが変化していますよ?


『こちら軍曹。了解したっ!!』

「いやいやいやいや!! どうしてここまで届いてるんですかっ!? 声!!」


ここの壁って結構厚いはずですよねぇ!? こんなにはっきりとトランシーバーの声が聞こえることがびっくりなんですけど!?


『くっ……逃がすかっ!!』


そう言って抄華さんはなにやら発砲していました。この連続的な音は機関銃でしょうか。

いや、最初の頃はびっくりしていましたが、今はもうなれてしまいました。


『会長!! ここは通させませんよ!!』

『さぁくぅらぁだぁぁぁぁぁぁぁぁあああああ!! 邪魔するんじゃぁ、ねぇぇぇえぇぇえぇええええ!!』

『来ますか! ほでぁぁぁぁぁぁああああ!!』


そして拳と拳、蹴りと蹴りとが炸裂するデッドオアアライブが展開されているような音を醸し出していました。いや、だからなんでこっちまで音が響いて来ているんですか。


『会長!! そこまでですっ!! これを食らってください!! てゆーか食らえッ!!』

『ちょ、ま、それを放つなっ!! ここは狭い校内……』


そのときでした。

目の前が爆発したのは。

そして……今、この瞬間データが全て吹き飛びました。

この時、私の中で何かが切れたような……そんな音がしたような気がしました。




「ああああああ!? 会長!? な、なんて事するんですかっ!? あの部屋雫さんの部屋ですよ!?」

「おお……プライバシーの壁が崩壊した瞬間だな」

「何ベルリンの壁が崩壊したような感想を述べてるんですか……あれ? 何か出てきたような…」

あれ? いきなりさくしゃ視点? 土埃の中になにやら朧気に人の姿……いや、


亜麻色のオーラを纏った鬼がいた。


「アナタタチノセイデ……私ノ命ノ次ニ大事ナパソコンガ粉ミジンニ……! ドウ弁償シテクレルンデスカ……!?」


いやいやいやいや!!

雫ちゃん!? 君いつの間にそんなに顔が黒くなって目が昆虫のように丸くなって赤いんですか!?

まるで……まるでなにやらムンクのごとき目ですよ!? いや、あれよか目は細長くはないけど。

そんな雫ちゃんの手には、体育祭の時に使われたハンマーが手に!

ご存じの方もそうでない方にも一応説明をすると、あのハンマーは特別仕様で、人一人はかる~く吹っ飛ばすことができるという超巨大ピコピコハンマーです。これさえ持てばあなたも怪力の仲間入り! 一家に一つはほしいところですね(コピーライト 柊コーポレーション)。

「し、雫ちゃん……? いったい何でそんなに黒いの……?」

「さ、乍乃……落ち着け。な? 話せば分かるって。な?」

もはや抄華に至ってはハルの影でがくがくぶるぶる震えています。よほど怖いんでしょうね。はい。書いてる自分が怖いです。

不意に雫ちゃん。ハンマーを一ならししてからばこーんと窓のある方の壁にたたきつけました。したら……

壁が吹き飛びました。いや、霧散しました。すでに霧となって散ってしまったのです。


「「「ひぃぃぃぃぃぃいいいいいい!!!?」」」

「次ハ、頭ダ!!」

す、すいませんでしたっ!!

あれ……? なんか反動で誤っちゃったよ? 俺。

「「「ゴ……ゴメンナサイ!!」」」

「モット大キナ声デ誤レ!!!」

「「「ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい!!! もう二度と廊下で騒ぎませんから許してくださいっ!!」」」

一人の一年生女子(しかも人気投票で下位)の人物に一年生二人と三年生会長(しかも人気投票でナンバー1、2の人物)が土下座して床に頭をつけていました。怖いッすね。

「オ前モダ!! 作者!!」

え? いやいや。なんでおれまで……そりゃぁあれですよ? 確かにシナリオ考えたのは俺だけど……つか、兄だけど? 何で俺にとばっちりが……。

そう思ったとき(ここでは思ったことが全部地の文に反映されるみたいですね)、自分の顔に傷が。

よくよく見てみると雫の右手には拳銃が……しかもなんか硝煙っぽいのが出てるんだけど……?

「誤レ……次ハ両肩ダ!!」

ヒィィィィイイイイイイイ!!!

す、スンマセンデシタァァァァァァァアァァァアアアアア!! 自分チョーシこいてましたっ!!

「少シデモ謝罪ノ気持チガアルノナラバ、壊シタ物全部直セ!!」

「「「ぜ、全部ッ!?」」」

いや、あのー……雫ちゃん? ッつーか雫様? それはいくら何でも無茶があるのでは……?

「そ、そーだよ!! いくらなんでもそれは無理……」

ハンマーが眼前にぼこーん。

「…………ぜ、善処します……」






翌日。

廊下は何事もなかったかのようにキレイになり、雫様のパソコンはキレイさっぱり元通りになりました。

そして、桜ヶ丘高校に校則が一つ。


「廊下で走ったり、騒いだり(一定以上)するものには、罰則を科す」


……いやー。ホント。怖かったわ。

「なにか言いましたか? 作者さん?」

な、何でもないッス!! 雫様っ!!

「……? なんで雫様になってるんでしょうか……?」

……………………知らないっつーか、無意識って、こえーな……。

「何か言いましたか?」

何でもないッス!!

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