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題名未定  作者: 冬ノ木
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盗賊討伐の話

右手に持った刃渡り60cm程度の剣を振るい相対している盗賊の首を切り裂きながら、左腕に装着したボウガンで切り裂いた盗賊とは別の盗賊を射る。

矢は盗賊の頭部にあたったが生死はまだ不明。

後々の討伐漏れも厄介のため止めで剣で首を刺す。


------盗賊の討伐

これが今日の俺の仕事

最近街道に盗賊が現れ行商人を襲っているそうだ。

しかし、行商人といっても丸腰ではない。

もちろん護衛だっているし、商人自体も最低限の武装をしている。

盗賊以外にも魔物や動物に襲われる可能性があるからな。

そんな、行商人が3回もやられて、3回のうちの1回が美術・骨董品専門の商人だとわかり、荷物がないなんざ盗賊で決まりだ。

しかも、それなりの実力を持つ盗賊だ。

街としては物資の流通が滞るなんてことが起きたら死活問題、しかも盗賊被害の場合行商人の寄り付かなくなる可能性もあり、商人の来ない街なんざすぐに廃れるのは目に見えてる。

まぁ、物資が滞ってうまい飯が食えなくなるってのは嫌だしな。

すぐに対策のために街の領主は冒険者たちに依頼を出したわけだ。

俺は依頼を受領したわけではないが、依頼の指定人数が足りなかったために無理やり40名の中にぶち込まれたって話だが。

街の軍を出すよりかは経費も少なくなるだろうし、切捨て安い人間だしな冒険者ってやつはな。

しかも盗賊の居場所は調査の結果、最悪なことに街道近くの森の中。

なにが最悪かって言うと、この森が隣国との国境みたいなもんだ。

国境で盗賊がいるってなると、キナ臭い。

政治や外交戦略って言えばいいのか?

戦争で有利になるために盗賊を装った兵士が攻撃しているなんてありえる話。

国境近くの盗賊討伐のため軍を動かすのにも大きな理由がいるしな、たとえば多くの冒険者の死亡とかな。

そういった意味では俺らは使い捨て。

討伐できればそれでいい。失敗したら軍を動かせる。

しょうがない。


俺は周囲の安全を確認しながら腕に装着したボウガンの弦を噛み肉体強化の補助魔法で強化した顎で無理やり引くと、瞬時にどこから現れたのかわからない矢が装填される。

どうゆう魔法原理かは知らないが武器屋に聞いたところ、指定のバックパックもしくは足につけるポーチに入れた短い矢を自動的に転送されるそうだ。

武器屋にはずいぶん金をかけたなといわれたが、たまたま拾ったものだ。


森の中のいたる方向から雄たけび、悲鳴、戦闘音が聞こえる。

まだ戦闘継続中だ。

俺は弓矢残弾を確認。残り20本。矢の余裕はある。

他の冒険者の援護に向かう。


森に斥候として入って半刻くらいで盗賊を補足できたのは良かった。

実際見た感じ、武器は粗悪。防具は最低限で兜はなし。

胴体の急所は最低限守れている程度、しかも相手は偵察される可能性も考えずに堂々と歩いている。

これなら奇襲をかけて逃がさずに一気に包囲・殲滅もいける。

しかし、その後が最悪だ。

斥候から戻り情報を共有したのはいい、その後同士討ちを避けるために肩にマークをつけてそれを隠すように組合証をつけて味方を識別する方法や隠密行動で包囲など綿密に作戦を立てるのも良かった。

しかし、今回寄せ集まった冒険者は切り捨てていい人間の集まりだ。

多少は協調性の欠ける馬鹿や報酬に目をくらむゴミもまじる。

お察しの通り抜け駆けだ。

雄たけびを上げながら5人程度の味方が突撃。

他の冒険者はタイミングを逃されたせいか多少遅れることになった。

そのおかげで突撃を食らった一部相手以外は戦闘態勢整わせる余裕が生まれてしまった。

その後は乱戦の始まりだ。

そして、今に至るわけなんだが---


移動中、盗賊の一人を見つけた。

相手は俺に気がついていなかったのか、俺が思いもよらぬほど近くにいたことを認識して驚いたのか目を見開いた。

俺はその隙を逃さず即座に盗賊の首へ剣を突き出し、首を刺す。

盗賊はとっさに剣を弾こうとするが、腕の感触からすでに剣は喉奥まで刺さりきっている。

刺さった剣を盗賊が弾いてしまい、傷口が広がり盗賊の鮮血が吹き出る。

とりあえず三人目討伐完了。

討伐の証はとる必要はない。

組合に所属していると神の祝福とやらで確認できるのだそうだ。

俺はすぐに剣の血を盗賊の服で拭いさると、雄たけびのする場所へ走る。


軽く走ると叫び声が近くなってきた。

俺は木に身を隠しながら周囲に注意しながら移動する。

声のする方へ隠れながら移動し続けると盗賊が冒険者を包囲していた。

盗賊は1人は軽い怪我をしているものの男が5人持っている獲物は斧2人の剣3人。

冒険者側は錫杖を持つ女1人、両手剣を持つ男と片手剣をもつ男の三人だが片手剣の男は攻撃を受けてしまったのかすでに左腕は大きく抉れている。

止血手当てがないがすでに血は止まっているため、回復魔法が使用されたと推測できるが相当な血の量を流したのだろう、血が体を伝い足元には血を吸った靴の靴跡が見え男の顔は蒼白だ。

しかも、いまだに怪我をした男と2人で女性冒険者をカバーしているのを見るに、女性冒険者の戦闘力は高くないのだろう。

冒険者の多量の失血により体力は心もとなく女性冒険者の戦闘力は低い、盗賊からしてみれば増援がなければ有利な状態だが---すぐに始末しなかったのはまぬけだな。

俺はすぐに腕のボウガンを自分の位置から一番遠い盗賊の胴体に狙いを定め矢を撃つ。

その瞬間一番近くにいる剣を持った盗賊へ走り出す。

"運悪く"冒険者を包囲しているため一気に始末はできないが、"ありがたいことに"包囲している。

走っている途中で放った矢が命中した音と叫び声が聞こえたが、盗賊たちの注意をそらすための矢だ。

命中先の確認はいらない。

盗賊に当たったら後の戦闘は楽になるがな。

案の定盗賊たちは皆音のした方向を向いている。


まずは一人。


剣を持った盗賊の首に剣を突き刺す。


「がっ!?」


突き刺した時に盗賊に悲鳴をあげさせてしまったのは失敗した。

突き刺した剣をすぐに抜き取らずに、盗賊の持っていた剣を奪いとり別の盗賊へ投げる。

冒険者を包囲していたおかげで盗賊と盗賊の間の距離がありがたいことに少なからずある。

周囲を警戒しながら右手で突き刺した剣持ちを盗賊を足蹴にしながら抜き取り、口でボウガンに矢を装填する。

初手の矢は盗賊に命中していたようだが肩に刺さって手で肩を押さえ武器を取り落としており、ほぼ無力。

一人は剣が飛んできたことに驚き飛びずさり、他の盗賊は悲鳴からかこちらをすでに注目しており一人はこちらに向かっている。

状況を見て攻め時と他の冒険者が思ったのか、同時に二人の冒険者も動くのが視界の隅に映った。

向いていた方向的に両手剣の男は残りの注目していた盗賊、片手剣の男は俺を倒そうと向かってくる盗賊と闘うようだ。


ならば、すぐさま俺はボウガンの矢を飛びずさった盗賊に放つ。

ボウガンの矢が盗賊の目に命中し倒れたのを確認し、すぐさま俺に向かっている盗賊へ視界を向ける。

ダメージを負っていた以上、やられる可能性は高い。

時間稼ぎをしているならありがたいが。


しかし、視界に向けた時にはすでに盗賊は頭をかち割られており地面に倒れ付していた。

心配は杞憂だったようだ。

他の盗賊を見ると胴体で二つに両断されており、どう見てもどちらの盗賊も生きてはいないだろう。

肩を射抜いた盗賊を確認するため周囲を警戒するが肩を射抜いた盗賊はおらず、逃げたようだ。

周囲の確認を終えたとき、勝どきのようなものが聞こえる。

盗賊の頭を討ち取ったとの声が聞こえる。

初手でミスがあった以上は殲滅は無理だ。

ここで、退散すべきだろう。


俺は残った目を射抜いた盗賊の生死を確認するために近寄る。

目を射抜いた盗賊に近づくがピクリとも動かず息もいていない。

しかし、死んだふりってのもありえる。

もし、生きていたのなら逃げた奴らの情報が欲しい。

他国の間者ならその情報で報酬が跳ね上がるかもしれないしな。

なら実験してみるか。


死んだ盗賊の衣服を切り取り、簡易的な舌を噛んで自害を防止するよう倒れている盗賊に口にあてがい縛る。

手足も同様にしばり、逃げられないように足の腱を絶つ。


「ん”ん”ん”ん”ん”!?」


足の腱を立つと盗賊はくぐもった叫び声を上げながらのた打ち回る。

運が良いことに眼球を射られてまだ生きていたらしい。

まぁ、帰って領主に引き渡したら情報を引き出すために拷問がまっている以上は運が悪いというべきだがな。


俺は盗賊の足をもち引きずりながら集合場所へと向かうとしますか。

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