第1話 女の子の体って柔らかいよね
俺、鏡淵京介はどこにでもいる普通の高校生だ。
「深夜徘徊さいこーっ!周りに誰もいないこの征服感ッ!!」
そんなバカな叫びは次の瞬間から聞こえなくなる。
ずるっーー
ドボンッ!!
運悪く土手で足を滑らせ川に落ちる京介。
不意に水に沈む時、人間はパニックに陥る。呼吸ができず、肺に水が入る中、手足をばたつかせるがどんどん沈んでいく。
あぁ溺死ってこんなに苦しいのか⋯⋯
まだやりたい事は沢山あるんだ!神様がいるならどうか助けてくれーーッ!!
こうして、神様なんて存在しない現実世界の鏡淵京介は、その思い虚しくこの世を去るのだった。
「ぐるしい!息がッ!!ってあれ?」
おかしい。さっきまで土手を深夜徘徊していたはず。なんで自分の家のベッドの上なんだ⋯⋯?
京介は起き上がり、周りを見渡す。自分の部屋はこれといって何もかわり映えしていない。ただ一点を除いて。
「こんな等身大のフィギュア持ってないぞ⋯⋯って、ん?これは鏡か⋯⋯えっ?」
京介の目の前にあるのは全身を写すことができる姿見だ。つまりその事から得られる結論は1つである。
「えぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!?!?俺、超絶美少女になってるぅゔゔぅぅう!!」
2018/02/27 22:18
ルビを振りました。
2018/02/28 02:59
3点リーダの修正。