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遊戯戦  作者: 太陽化身
7/11

1話-4

前回がかなり中途半端なところで終わってしまって今回が危ぶまれた(作者にとって)が、何とか続いたぜ……。

いやぁ〜もう随分と待ったぜ全く。もしかして打ち切りしたのかと思っちゃったよ……え? そんなことも考えてた? 本当にうち切ろうと思ってたの? やめてくれよーじょうだんは(棒)。

さて、前回「レ●プ!!」と下ネタ野郎が合言葉を言い、魔界の扉が開き(童貞(仮)は魔法陣だと思ってたらしい)、今いるのが魔界の軍基地の中にあるどっかの隊の部屋だ。

「こ、ここが魔界ですか……?」

厳密には魔界の軍基地の中にあるどっかの隊の部屋だが。

「いやぁ……あの……ここってまるっきり僕のいた世界に似ているんですけど……」

はーーはい?

一体何をおっしゃっているのでしょうか童貞くん。

ここは、ま・か・い・だ・よ? どこの異世界行っても魔界という世界はないのですよ? それが君のいた世界に似ているだって?

「ていうか似ているという次元を超えてパクリっていうぐらいなんですけど……」

ぱ、ぱくり!?

「このパイプ椅子も長机もホワイトボードもそっちの世界にはあるというのか!?」

「あ、ありますよ」

ええー。

この世界は……オリジナルでは……なかったというのか…………?

「え、ちょ、ちょまて、ちょっと待て。そしたらお前の世界では何年前にできたんだよ? ほら言ってみろよ? ほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほらほら」

「いや、そんなことわかんないですって」

「そうかならばこちらから教えてやろうwwww。こっちはなーー198億年からできてんだよーーーー!!!」

「こちら側がパクリをしていましたすいませんでした」

フフッ。

完・全・勝・利!!

「隊長、早く俺たちの部屋、いきましょ。馬鹿やってないで」

冷ややかな目線で部下にそう言われた。ついでに童貞にも。




それから30秒たったーー

「あ、あい……さつ……ぎ?」

「あぁ、違うっすよ。愛殺戯と書いてうさぎと読むんすよ」

「うさぎ? これがですか? ……完全な当て字ですね……」

「さっきいた部屋の使用者たちも火痛十隊なんすけど、他の隊も全部当て字っすよ、当て字。ーーここには中二病しかいないんすかねぇ……」

「ひつじーーですか。干支みたいだな」

「?」

「え、あぁ、こっちの世界の話ですよ」

三人がいるのは軍基地にある一室、愛殺戯隊の部屋の前にいる。

この軍基地、正確には俺たちみたいな隊の部屋が複数存在しているフロアの形は四角形になっている。四角形の辺の部分が廊下になっており、四角形の内部が部屋ーー二十ぐらいの数である。

隊と隊の部屋は壁一枚でしきられているので、声が聞こえてしまうトラブルもままある。

それぞれの部屋の扉にはその隊の名前が書かれているプレートが貼ってある。先ほどの会話はそういうことだろう。

「とっとと入っちまうぞー」

隊長はそう言い、言葉の通りとっとと愛殺戯隊の部屋の扉を開ける。

中に入った童貞は、

「おおおおおおお、お? お、お、おおおおお…………」

始めは普通に感嘆していたが、途中から残念な声を上げている。

隊長とヤタガラスはその理由を察していた。

中は畳にちゃぶ台に襖と、和室のような部屋。大きさは八畳ほど。扉側の壁にはでっかいテレビが置いてある。さらにその下にはファミコンや異世界からの輸入品であるゲーム機が散らばっていた。

とまぁ、中は残念な声を出すには値しない、こちらの世界にもありそうな部屋だった。

そして、恐らく原因の、ちゃぶ台にいる二人の男が三人に気づき、熱中していたゲームのコントローラーを手放す。

「帰ったぞ〜」

「ただいま〜っす」

「おかえり。ーーおお、まさか本当に新しいのを連れてくるとは」

「えエ? マジで!?」

一人は穏やかな声を。もう一人は言葉のアクセントが微妙に違う声を。そのことに童貞が、ビビる。

「た、隊長!?」

「あぁ、わかるよわかる。そりゃこいつのこと見たら誰だってお前みたいになるわな」

「エ? なんかいった?」

「ひっ??」

もっとビビる童貞。

「先にこいつの紹介しちまうな」

隊長はその男に指をさす。

その男はーー全裸だった。

三人が部屋に入った時から、全裸だった。

もう一人とゲームしてる時も、全裸だった。

髪の毛は首の根元まである。身長は165前後。チ●コはたってないので今は小さい。

全裸ということ以外は至って普通なのである。

「そして、名前が全裸である」

「なんか残念ですよね、魔人て。魔人全員こうなんですか……?」

「「「「…………」」」」

四人全員黙った。

隊長はもちろんだが、下ネタクソ野郎も、全裸キャラというキチガイなクソ全裸も、紹介はしてないけどロリ大好きなクソロリコンも、額から冷たい汗をたらたら流しながら、黙っていた。

「うん、まぁ、ね、ああ、そう、ふぅ〜ん、はいはい」

隊長が腰に手を当て、もう一方の手で頭を掻いて、そう言った。

あまりにも典型的すぎるはぐらかし方に童貞君は魔界事情を察する。

「全裸の好きなものはせいぎです。よーし次いくぞー」

「なんもいえねえ」

「んで、この髭生やしたおっさんがロリコンね」

体格は大きめで、茶色スーツのおっさんをさす。

この部屋は和室のような部屋だが、このおっさんはフランスのベランダでコーヒーを飲んでいるイメージがある。全く和室には似合わない。

「それにしたって、ロリコンという名前は一体どこから……」

既に呆れ尽くしているはずの童貞君なのに、ちゃんと質問しているのはとても、優しいといえる。

「ふふふ、それはじゃな、わしの好きなものは全て年下じゃからじゃ!」

「説明になってねえよ、クソロリコン!!」

言葉遣いが急に荒くなったからわからなくなったと思うから、言っとくと、童貞君のセリフです今の。

暴言を言ったにもかかわらず他の人たちは何も言わない。それほど、このおっさんのロリ好きを知っているのだろう。暴言を言われても仕方がないぐらいほどの。

「じゃからの? わしの好きなものは全て年下なんじゃ。故に、ロリコンと言われておる」

「なんか違うんだよなぁ……説明になってないんだよなぁ……」

がっくりと肩を落として、泣きそうな声で。

「おいクソロリコン。明らかに説明不足だったろ。もっと、丁寧に噛み砕いて説明しろ」

「う〜む、そう言われてもな……」

本気で頭を抱えるクソロリコン。早く、自分がクソロリコンである所以を話したらいいのに、なぜか言わない。今頃ロリコンが恥ずかしいとか思ってんのかこいつ。

ではなく、自分で自分のことを説明するのはそれこそ恥ずかしいので、ただ言いたくないだけである。

「クソロリコンはな、魔界の中で最も長く生きてる魔人なんだよ。そしたら、自分が好きになった人は必ず年下なるだろ? だから、ロリコン」

いまいち分かりづらい説明だったが、要するに愛した者は例外なく年下なのでロリコン。

「ふっふっふっ、わしから見れば、全ての女がロリに見えるぜ!! ていうか、ロリだぜ!! 中でも幼女が一番だぜ!!」

「一瞬でも、普通だと思ってしまった数秒前の自分を殴ってやりたい! 正真正銘のロリコンじゃねえか! てっきり、年下だったら人妻とかJKとかなんでもいいと思ってたけど、やっぱり幼女じゃねえか! ロリコンじゃねえか!」

「ばっきゃろーー!! お前さんのその言い分、まるでロリコンが犯罪と言ってるようなもんではないか!」

「言ってねぇぇぇよ! それにてめえ犯罪って自覚あんじゃねえか! マジで罪を犯す前に警察に投降しろっての!!」

「魔界に警察なんてチンケなものねぇぇぇよ! そのゴミの代わりににこの軍があるんだよ! 勉強不足だな、坊主!」

「どうでもいいこと言ってんじゃねぇぇぇよ! だいたいこの軍が警察の代わりってんなら、あんたとんでもねえことしてんじゃねえか!」

「なにがだよ!?」

「幼女に手ェ出そうとしてんじゃねえか! そんな奴が町の治安守れるか!」

「坊主の方こそどうでもいいこと言っておるじゃねえか! それに、わしはまだ手を出しておらんぞ!」

「『まだ』って言いやがったぜ、このクソロリコン! これから手を出す予定なんだろ!」

「んん!? ああ、言ったぜ!? 『まだ』って言ったぜ!? 近いうちにここの軍辞めて手を出す予定だったぜ!」

「だーれーかー、このクソロリコン殺してやってくださーい! 魔界が地獄になってしまいまーす!」

「そん時にはもうわしは止められんからな! 愛と欲望に心を洗ったわしは誰にも止められんはせんわい!」

「てめえは欲望だけに穢されてんだよ! いや、ちげえ! てめえのそれは生まれた時からの固有スキルだったんだろうよ!」

「ほう、そうか! わしは生まれた時からのロリコンというわけか! 根っからのロリコンじゃ! 筋金入りのロリコンじゃ!」

「なんでそこで喜んでるのかロリ属性を持たない僕にはわからないんですけど! むしろ、わかったら人間として終わりの気がする! なんで、ロリコンと言われて喜んでるんだよ!」

「それは、わしがロリコンじゃからじゃ! それ以外に理由があると思うか!?」

「ねぇと思ってたぜ!」

「ロリコンは正義でも悪でもない、純粋な愛なんじゃ!」

「てめえに限っては不純な気しかしねえよ! さっき欲望も入ってたよな!?」

「愛6の欲望4じゃ!」

「何気に欲望高えなおい! そこは9と1にしてやれよ! じゃなくて! てめえは欲望10だろうが! ロリコンが愛なんて語ってんじゃねえ!」

「はーい、やっちゃったねー! 全世界のロリコン敵に回しちゃったねー! 数秒後から、坊主の命を狙う奴らが来るはずじゃぞ!?」

「あ、童貞って名前だから坊主にしなくていいぜ」(隊長)

「わかったか、童貞!」

「おいちょっと待ってー! なに加勢してんの、隊長! ねえ、あなたも童貞でしょ!? ここにいるみんな全て童貞だよね!? 僕一人だけ童貞と呼ばれるのはおかしいんですよ! なぜならここにいるみんな全て、ど・う・て・い、だもんね!? クソロリコンも何万年何億年生きてるか知らねえけど、それでもやる勇気がないヘタレ童貞でもあるんだろ? そうなんだろ? やっぱ、幼女には手を出せねえんだろ? ロリコンて自分で言っちゃってるとか十分いたいのに、手を出す勇気もねえのに、ロリコン語ってることもいてえんだよ!」

「馬鹿か、童貞! 幼女に手を出すとは何事だ! 幼女は人生の中で一番穢れなき時代、それを、自分の手で穢そうとするロリコンは決していないのだ!」

「いーや、いるね。毎っ年毎っ年幼女に手を出してるてめえみたいなクソロリコンの報道があんだよ! もうなんなら毎日報道されてるね!」

「そんな奴らと一緒にしてんじゃねえぞ、童貞が! そんなクズはロリコンでもなんでもない、ただの犯罪者じゃ! 手を出した時点でそいつはロリという愛を語る資格なんてない! 欲望にまみれたクズじゃ!」

「だーから、それがてめえなんだよ! そのクズがてめえなんだよ! てめえが欲望にまみれたクズなんだよ! クソロリコン! クズ童貞!」

「おお? なんじゃ、今更童貞キャラをわしに譲る気か? 残念だったな、ど・う・て・い君? わしはもうロリキャラで通ってしまっているのでな。わしが童貞でも誰も気にしないのじゃ!」

「童貞と言われても全く気にしていないんなんて……。隊長たちは童貞と言われたらめっちゃ落ち込むのに!」

「「「やめてください僕たちをその口喧嘩にまきこまないでくださいすみませんでしたごめんなさいゆるしてくださいしんでわびますぼくたち童貞がわるかったです」」」

「話逸らしてんじゃねえぞ童貞!」

「勝手にそいつら(童貞三人)が反応しただけだよ!」

「「「すみませんでした」」」

「ほらまた!」

「こいつら重症じゃね!?」

「てめえの方が重症だ、クソロリコン!」

「「「そーだそーだ死んじまえクソロリコン」」」

「えぇ……!……」

「……」

「ロリは……愛……」

ずたっ、と。

クソロリコンは倒れた。

童貞三人は仲良くゲームをしている。

真の童貞は前の世界を懐かしむように思い浮かべていた。

(ロリと合法ロリはこの世界でも相容れない者どうしなんだな……)

そう、童貞は、

年のいったロリ、

俗にいう合法ロリが好みらしい。


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