最終話前編 「堕・遊戯戦」
ーー何時間経ったのだろうか。
あれから何度サイコロをふって、何度胎児のままに死んだのかはもう数える気力も無かった。
結局、泣かなかった。いや、泣くはずもないのだ。
全員、泣く前に飽きてゲームオーバーでリタイアしたのだ。
男はやる気と飽きが早い。
確か順番は全裸、隊長、僕、ホモ、ロリコンだったか。因みにこれはチンコの大きさ順でもあった。ロリコンはチンコもロリサイズかな?
「いやーっ、リタイアした所で何も無かったっすねー」
「ゲームオーバーのくせに何も変わらなかったなあ...」
「じゃあさっさとやめればよかったなァ」
ほぼ全員が口々にそんな事を言う。
「おいロリコン、本当にゲームオーバーにして大丈夫なんだな?この後何かの罰ゲームが来るとか...」
「大丈夫じゃよ、まあ...」
「「「「ま、まァ?」」」」
4人の中に同時に不安が過る。まあ、と言う事はそこまで深刻ではないんだろうけど...?
「実はこれ、リタイアするとゲーム終了から10分後から、プレイ時間と同じ時間アレが勃つんじゃよ」
は?
しばらくこいつが何を言いたいのかよく分からなかった。
(ああ...チンコが勃つのか...)
どう言う理論でボードゲームから体に干渉してくるんだろうか?呪術的な何か?
「じゃ、お開きかのう....うおっ!?」
ロリコンに隊長自慢の蹴りが炸裂した。
ロリコンに脚が貫通していた。
「ふざけんな!!勃ってたら歩けないどころか立てないじゃねえか!」
「おぬしEDじゃったか...」
「そうじゃねえよ!話聞いてたかロリコン!」
「わしはこの機能を使って楽しんでおるぞ」
「こんなん楽しめるか!お前の玉潰してやろうか!!」
「ま、まあ今日はお開きってことで...」
流石になんか可哀想だったので助け舟を渡し、みんな自室へ帰ることにした。
ーーー前に屈みながら。
自室についた。
自室まで屈みながら移動するのも面倒である。
「ふう....」
どっと疲れていた。よく考えれば何時間もサイコロを振り続けていたので無理もない。
一連の出来事を反省する。
卒業式中に隊長がいきなりやってきて、成り行きで付いてきちゃって、すごろくして...って何だこれは....何もしてなくね?
ーーなんかカッコつけていた割に、なんなんだこの幼稚園みたいな所は...
ところで元の世界は今どうなっているのだろうか?卒業式の日に僕以外の人が全て死んだのだ。そして僕は行方不明。犯人扱いかなあ...
元の世界について考えるのも疲れたし、勃ってると疲れるし何にも集中できない。
寝たらすごろくプレイ時間のアレを越えて解消できるんじゃね?という安易な考えから、寝ようとベッドに入った。
1日(?)の反省も終えた。
だが、時間につれ段々と何か変な気配を感じた。
なんだこの感覚は...
ああ...これはなにかヤバイ...!!
ヌッ!!!ーーーーイってしまった。