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最強使い魔軍団を従えて  作者: K.K
5 クラス対抗屋台バトル
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「ソフィアちゃん、怖くないですよ。椅子の下から頭を出しましょうね。」


「うん。」


「…なあ、俺は本当にソフィアに負けたのか。」


「そうだよ。それにしてもソフィアは、ギャップが凄いよね。」


 ルースに言われて顔を上げたソフィアの顔は青い。あの強さで何を怯えているのか、イオが問い詰めたくなる程だ。


「はい。これを装着すれば安心だよ。」


 ルースがソフィアに仮面を着ける。するとソフィアの顔色がどんどん良くなっていく。そして、ソフィアのもう1つの女王様スイッチがオンになった。


「私の話を聞きなさい。」


 ソフィアは足を組んで席に座る。ソフィアの突然の変わりように、一斉に生徒達はソフィアの前で跪く。立っているのは、ソフィアの変化に戸惑い口を開けているサラと、この変化に慣れて普通に立っているルースだけだ。


(何で僕たち跪いているの。でも何故か逆らえない。)


(超カッコイイ。イオ様、リオ様と違う魅力があるわ。)


(お姉様。違うわ。女王様の誕生よ。) 


 この時、女子達のソフィアに対する好感度はかなり上がっていた。今までのソフィアに対して女子達は、男子に対して弱い自分を見せて媚を売る子だと誤解していた者や、普段人を寄せ付けないイオが、ソフィアとは普通に仲良くしている事に嫉妬していた者達がいた。その為、ソフィアの好感度は低かった。

 だが蓋を開けてみれば、そんな事はない。体中から溢れるカリスマのオーラ。この人に従いたいと感じさせる才能。そして、なんといっても普段とのギャップ。生徒達は既にソフィアの虜になっていた。


「言いこと。これは商売と言う名の戦争よ。勝つためには、手段を選ばない。他のクラスの客を奪うつもりで行くわよ。」


「「「「「はい。女王様。」」」」」


 流行の変化により、自分自身も変化していくのが優秀な商人である。流行の波に乗るのは商人にとって必要なスキルである。その点で言えば、生徒達は皆が合格ラインに届いていた。

 だが、サラの心は何かが違うと叫んでいた。此処は学園だ。身分関係なく誰でも平等に友人を作り、学び、競い会う場である。


(これは1度止めた方が…。でも身分で脅しているのとは違うわよね。)


 結論から言って、サラはクラス全員がソフィアを女王様扱いするのを止めなかった。それはサラがまだ若く、経験が少ない教師だという事もあるだろう。何か問題が起こったら止めよう。そう楽観的に捉えていた。


「私の考えた作戦として、このスタンプを使います。」


「スタンプって何だ?」


「良い質問ね。これは私の屋敷で使っている道具よ。こうして、紙に押し付けると模様が映し出されるの。」


 イオの質問にソフィアが、実践して見せる。細長い棒の先端にインクを付けて、紙に押す。すると、モコの絵がくっきりと紙に描かれていた。


「判子みたいな物ね。文字ではなく、絵が出るのね。」


「それで、これを何に使うんですか。」


「これを私たちの屋台で商品を買ったお客様が持つ紙に、押していくの。何個かスタンプが集まったら、割引やクッキー1枚無料等の、サービスをするの。」


 ソフィアの話に生徒達の目が輝く。


「素晴らしいアイディアです。私は去年この学園祭に、お父様と見学に来ましたが、誰もこのようにクラスで協力していませんでした。」


「ええ。クラス対抗と言っても、クラスで協力なんて殆んどしない。協力なんて仕入の時に安く買う為に一緒に購入するくらい。その考えをソフィア様は破られましたわ。」


 この中には反対する者はいない。ソフィアは既に班だけではなく、クラスのリーダーにまで登り詰めていた。


「さあ、皆で準備するわよ。商売と言う名の戦争は、私たちが勝利を納める。」


「「「「「オオオオオゥー。」」」」」


 クラスの気持ちが1つになる。学園祭の当日まで、生徒達は一致団結して取り組むのだった。



閲覧ありがとうございます。

オマケ<ソフィア女王について語る>

女1「ソフィア様、凄いカッコイイ。それに普段とのギャップが堪らない。」

女2「分かる。あの気弱な子があんな強気になるなんて、普通の男子よりカッコイイ。」

男1「なっ、確かにソフィアちゃんはカッコ良かったが俺たちの方が、カッコイイよな。」

男2「そうだ。ソフィアちゃんはどちらかと言えばカワイイ分類に入る。カッコ良さなら俺たちの方が上だ。」


 クラス中の女子が男子を睨む。


女1「ソフィア様と呼びなさいよ。それにソフィア様の方が何倍もカッコイイわ。」

女2「そうよ。このクラスでも1・2を争う、イオ様とリオ様よりソフィア様の方が魅力的で素敵なんだから。」

リ( ̄□ ̄;)!!

イ「リオ。しっかりしろ。リオ‼」


 地味にショックを受けて、その場に倒れるリオだった。


 

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