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最強使い魔軍団を従えて  作者: K.K
5 クラス対抗屋台バトル
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「ソフィアって何者なの。」


「普通の9歳の女の子だよ。」


 放心状態から戻ったイオが質問をする。だが、その解答はイオの望む物ではなかった。


「これで、年下なのか。」


「そんな筈がないよ。僕達のお母様と同じでソフィアも途中から年を取らないだけだよ。」


「そんな人間がいるの。1000年以上生きているけど、初めて知ったよ。」


「えっ、ルースは1000年も生きているの。」


「うん。まだ1356歳なの。皆の中で1番年下何だ。」


 使い魔の寿命は種族により異なる。なのでソフィアはルースが1000年以上生きていても余り驚かない。ソフィアは日常会話のようにルースの言葉を軽く流す。だが理由を知らないイオ達は先程の言葉を簡単に流せない。


「ちょっと待て。冗談は止めてよ。人間は普通1000年も生きられないよ。」


「ああ、私人間では無いからね。」


 イオ達は絶句する。よく見ると近くにいたソフィア達の会話が聞こえていた班の、数名は同じ反応をしている。その数名はイオとソフィアの決闘を観戦した者だ。イオに勝ったソフィアの友達なのだ。もしかしたら本当に1000年以上生きていると疑っているのだ。それ以外の殆んどの者は興味を示さなかったり、変な冗談だと笑っている。


「まあ、普通は信じないよね。」


「イヤ、絶対に嘘だろう。どう見てもルースは人間だろう。」


 

 人間に変身しているのだ。ルースを人間だと勘違いしない筈がない。だが、リオはルースが最上級使い魔だと知らない。当然ルースの言葉は信じない。ルースはその態度は慣れているのか、普通に微笑んでいる。伊達に1000年以上も生きていないようだ。


 そして、ソフィアは周囲の反応に心の中で慌てていた。この状況でやっとルースの正体がバレる可能性に気が付いたのだ。最上級使い魔だとバレる=ルースが注目を浴びる=一緒に居る自分も注目される。場合により自分がルリアミーナ家の娘だと知られてしまう。そんなのイヤだ。ソフィアの身体が震える。


(ソフィアは本当に注目されるのが苦手なんだね。思考がバレバレだよ。まあ、あんな事があったら人前に立つのを苦手になるよね。)


 モコはハンナから聞いたあの事件を思い出す。ソフィアは幼かった時の話なので、覚えていないだろう。しかし、確実にあの事件がソフィアの性格に影響を与えていた。

 

(仕方がない。ここは僕が助けるか。)


『ルース。』


「何ですか?」


『あれお願いね。』


 モコの言葉に1度キョトンとするルースだったが、直ぐに意味を理解すると、その場でクルクル回り始めた。それには、自分の世界にトリップしているソフィア以外のクラス中の視線をルースは集める。そして、周囲のざわめきが大きくなるとルースはその場と止まった。


「へ~んしん。」


 クラス中が煙に覆われる。窓の近くにいた生徒が慌てて窓を開けて、煙を外に逃がすが、煙の量は多く中々視界が開けない。危ないからその場を動くな。誰かの叫び声に全員が従い、煙が消えるのを待った。そして、生徒達は目撃した。


「という訳で大人に成長したルースです。私は魔法で自分の年齢を操作出来るんだ。」


 彼等の視線の先には伸長が大きくなり、服が少しきつそうにしているが、髪の色や笑顔が全く変わっていない大人になったルースがいた。



「もしかして、さっきの話は全て事実なの。」


「当たり前でしょう。」


 最上級使い魔とばれたくないなら、真実を混ぜた嘘を言えばいい。ルースの性格から人間だと嘘を言わせて、挙動不審になったり、ドジを践んだりするなら魔法のせいにしよう。そう考えたモコの企みは成功した。

 

(ひとまずは安心だね。)

 

 未だに自分の世界から帰らないソフィアを見ながら、良い仕事をしたと安心するモコだった。



閲覧ありがとうございます。

<オマケ>ルースの正体

※ソフィア以外のクラスメイト全員います。

イ「所で人間ではないって、ルースは何者なんだ。」

ル「私は天使(天使族の使い魔)だよ。」

リ「…天使ってあの天使?」

ル「うん。羽の生えた黄色い輪を頭に乗せている、あの天使だよ。」

 クラス全員で、ルースの頭の上を見る。

イ「ルースはルースだな。」

 妄想の激しい、魔法が得意な年齢的不明の少女。生徒達のルースを見る目は、何処か悲しかった。


 真実なのに伝わらない。ちょっと可哀想なルースの話でした(笑)

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