59/67
59 . 海底
とてつもなく暗い。
何もない。
ただ小さな泡だけが昇っていく。
逆に私はどんどん沈む。
そんな真っ暗な世界。
パチリと目を開ければすこし染み込み痛い。段々それに慣れてきた頃、辺りを見渡してもやはり闇しか広がってなかった。
上を見れば少しだけ明るい。再度前を向いた。
「!!!!」
違う、これは暗闇なんかじゃない。
でかいナニカがいる。
こちらに来ている。
そう気づいたところでもう遅く、全体像がはっきりと暗がりで見えた。
見えてしまった。
ギョロリとこちらを見るような漆黒の深い瞳。一つ6メートルはあろうかという巨大な歯。大きな三日月型のエラに特徴的な背びれ。
サメだった。
全長60メートルはあろうか。なんという巨大なサメだろう。その異様なまでに巨大なサメは大きくゆっくりと口を開け、こちらへと迫った。
あぁ、終わった。
スッと目を閉じた。




