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異世界行ったら魔王になってたんだけど(以下略)  作者: にょん
第一章 異世界に栄光あれ
17/67

17 . また今度



「この度はお越しいただき本当にありがとうございました。是非次回もお越しくださいませ」

頭を下げてにっこりと笑ったのはここの主人の老紳士、メーデルだった。

少しボロボロとなった屋敷のまた大きな玄関で執事、メイド一同揃い頭を下げていて、その先頭には老紳士と…ロゼッタが立っていた。

「お気をつけてお帰りなさってくださいませ」

「うん、なかなか面白かったかな」

先程までの賑わいを思い出しクスりと笑ってしまった。

「さようでございましたか。では手配してある馬車にどうぞ」

「うん、ありがとう」

じゃ、帰るかと後ろの3人に告げると玄関を出てすぐど真ん中に止めてある黒のドラニンの馬車に乗った。

窓から礼をし続ける大勢の執事、メイドとメーデルとロゼッタが見えた。

また今度。

ロゼッタが不意に顔を上げた時、その様な瞳をしていた。この後の後片付けが大変なんだろうなぁとしみじみ思いがんばれとエールを送った。がくんっと馬車が動き出すと屋敷の屋根から満天の星々が顔を出す。

「ねぇマイ」

不意に呼んでみるとその人物は汗をダラダラ流しながら息を切らしていた。

「なん…です…か…?」

「ハアハア言ってんじゃないわよ、キモいわ」

「ひ、酷いです!!私置いてかれそうになってダッシュで帰ってきたのに…!」

そのやり取りを訝しげな目で残りの二人が見つめた。

「マイじゃなくてアイの方がいいのかな。その…さっきのメーデル?とロゼッタってなんの種なの?特に人間とかと変わらなかったけど…」

「あぁ、あの方々は魔族ですよ」

「魔族?」

少し聞いたことのある単語を繰り返すとアイは頷いた。

「見た目は人間そのものですが魔法を使えると魔族に分類されるのです。つまり魔族と人間の違いは魔法が使えるか使えないかですね」

「ほえー」

「人が説明してあげたのに何故そんなぽけーっと星見てるんですか全く!」

どうやら少し気に障ったらしい。通り過ぎていく農園を眺めることにした。

「てかマイさっきどこ行ってたの?」

「ちょっと昔の馴染みに会ってきただけですよぅ!それなのに置いてかれるなんて…!」

マイ容疑者必死の抗議。裁判長、アイはどのような判決を下すのか。

「有罪」

「なんで!?」

圧倒的有罪判決でマイは処刑と…。

「アイナ様は変なこと言わないでください!」

「おっと口から漏れてた」

その言葉にわかりやすく頬を膨らませるマイをよそにメイが読んでいた本から顔を上げて口にした。

「アイナ様アイナ様、ちゃんとケーキ屋寄ってくださいね〜?メイはチョコレートケーキで!」

「私も!!」

ばっとマイが満天の笑顔で挙手する。やっぱりこいつチョロいなぁと思う。


「なんでアイナ様そんな可哀想なものを見るような目で見るんですか!?私が何に見えるんですか!?ちょっとやめてくださいよー!!」

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