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大竪穴の歩き方  作者: 曲瀬 湧泥
「紅蓮獅子団のカルテ」の世界
6/6

「DDD 紅蓮獅子団のカルテ」登場人物

 連載作品「ダンジョン・ドクター・デリヴァリー ~紅蓮獅子団のカルテ~」の主要登場人物をまとめています。

 順次更新予定です。

 なお、展開の上で重要な点は出来る限り書いていないつもりですが、若干のネタバレを含んでおりますのでご注意ください。

・リオンナード・キャラバ(リオ)

 紅蓮獅子団の団長であり、炎の魔導士。専門は外科。

 筋骨隆々とした大柄な男で、白いものの混じったマホガニー色の短髪に、傷だらけのがっしりした顔を持つ。厚手のドクイバラ繊維で織りあげた、防具代わりにもなる臙脂色の冒険用ロングコートに身を包んでいる。

 棍棒と見まがうほどに武骨で巨大な魔導杖を持ち、持ち前の強力な炎の魔力を先端に集めて一気に噴き出させる「噴火」の魔術を得意とする攻撃型魔導士アタッカー。紅蓮獅子団の中で唯一治療に関する魔法が使えない、「治癒魔導士ではないが医者で魔導士」という珍しい存在。

 医療ギルドに代表される大竪穴の硬直した医療事情を憂いており、「ギルドのしがらみを脱して患者を治療する救急医療チーム」として紅蓮獅子団を結成した。時として向こう見ずに見えるほど大胆かつ冒険的で、言い出したことは変えない頑固さも持つ。一方で、幾多の修羅場をくぐってきた経験からくる咄嗟の判断力も備えている。



・アラム・ヴィランダン

 紅蓮獅子団の副団長。大地の魔導士で、石膏を使った固定と止血術を得意とする。

 黒髪に銀縁眼鏡をかけた女性。年齢は30代なかばごろ。右腕に肘まで覆う頑丈な黒い革手袋を嵌めている。その人差し指には、銀の指輪状の金具が組み込まれている。

 手袋の下の右腕は土を詰めこむことによって作られた義手であり、肘に固定された魔導杖を「骨」代わりに土の中へ差し込むことで、魔力で土を操作して本物の腕のように動かすことが出来る。指輪は土中に充満した魔力を放出するための蛇口の役割を果たしており、ここから魔力を放出することで石膏粉末を固め傷口を塞いだりギプスを作ったりする。

 また、有事の際には手袋を外し、土の義手を変形・硬化させることで剣や盾を形成し戦闘を行う。

 性格は冷静かつマイペース、時にシニカル。紅蓮獅子団の中では常識人であり、独断専行の多いキャラバに振り回されることもしばしば。キャラバと同じく冒険者あがりで、紅蓮獅子団の経理を担当しているためもあってか、その考え方は慎重で時に冷徹なほど現実的。付き合いが長いためかキャラバのことを「リオ」と呼ぶ数少ない人間の一人である。



・ユノー・リステッロ

 紅蓮獅子団の風魔導士にして調香師。薬と麻酔のスペシャリスト。

 短くまとめた鮮やかな金髪、少しつり上がった目とそばかすの残る小生意気そうな顔。冒険に出る際には、革の胸甲と腰あたりまでのマント、そして大きな金属の籠手を着用する。

 籠手には薬香を詰めた金属筒をセットできるスロットと、香を調合し着火する火皿が仕込まれており、弾帯のような形で身に着けた金属筒を差し替えて調合を変えることにより、さまざまな薬効を持つ香を焚くことができる。作り出された煙は、手首の下にある排煙口から噴出する。

 得意とする魔術は「空気の塊を作り出す」というもので、籠手から出した煙をシャボン玉のような球体に固めて風で射出することにより標的に煙を「投与」するのが基本的な使い方。また、紐状に煙を展開させて相手を包囲・拘束したり、クッション状に固めて衝撃を和らげたりといったことも可能。籠手そのものには香を調合し焚くだけの機能しかなく、風の魔力はその下の腕に刻まれた契約印から放出されている。

 かつて第6大隧道の下で起こった大規模な竜列車脱線転落事故の、たった一人の生き残り。赤ん坊として鳥人バードマンの一族に拾われ、物心つくまでをそこで過ごす。両腕に刻まれた契約印もその時代に刻まれたもの。『ユノー・リステッロ』という名は彼女をくるんでいた布に書かれていた言葉で、それが彼女の本名なのかどうかは定かではない。

 見た目通り小生意気でこまっしゃくれた性格。誰彼構わずしばしば辛辣な言葉を飛ばすが、キャラバの振る舞いに関しては既に諦めの境地にいるらしい。



・ザイン

 紅蓮獅子団の水魔導士。巨猪人であり、全身に様々な魔神の契約印を刻んだ血液操作のエキスパート。

 巨猪人オーク部族に特有の金襴模様を刺繍した貫頭衣とターバンに、同様の生地で作られた布覆面をつけている。これは顔をも覆っている威圧的な刺青と、巨猪人オークの身体的特徴である巨大な牙を隠すため。

 全身の契約印から用途に応じた様々な水の魔力を放出し、時に患者の血を固めて出血を止め、時に血行を促進して強心作用をもたらす。また、血流をモニタリングして患者の容態を分析することも可能。

 巨猪人オーク村の医師の血筋に生まれ、自らも村の医師になるべく修行を積んでいたが、冒険者時代のキャラバと出会ったことで外界の医療技術を知り、本格的に勉強するため村を出て上層へ登る。第3大隧道の考古学アカデミーを経由して外界医療アカデミーの通信教育を受け、大竪穴古来の医術と外界の最新医学を修めたインテリである。

 恐ろしげな見かけに似合わず、物腰は非常に柔らかく丁重。



ディンゴ・アールメール

 紅蓮獅子団の新入り炎魔導士。優れた外科手術の腕を持つ。

 硬く渦を巻いた燃えるような赤毛と、意志の強さをうかがわせる鋭い瞳の若者。第10大隧道で、傷ついた冒険者を治療しては治療費と称して有り金を全て巻き上げていくという『追いはぎ医者』として評判をとっていたが、ある時キャラバに見込まれて半ば強引に紅蓮獅子団に引き込まれる。

 激しやすく斜に構えた性格だが、その実患者を第一に考え医者という職業に強い誇りを持っている。外界から降りてきて間がないため、大竪穴の事物にはやや不案内。

 元は外界で傭兵部隊の医者見習いをしていたが、師と仰いでいた外科医の戦死をきっかけに大竪穴へ降りてくる。その際に外界医療アカデミー出の医者の傲慢と技術不足を目の当たりにし、そういった「机の上だけで学んだ医者」を毛嫌いしている。

 同時に「アカデミー出」の権威が世間でどれだけ尊重されるかも身をもって知っているため、医療を変えるために自らが「アカデミー出」となるため学資を貯めている。

 使用する医療用魔道具『光のメス』は魔導杖の一種で、炎の魔術で発した光を魔導合金製の補助具により凝縮集中させ、その熱量で患部を焼き切るというもの。魔力ではなく純粋な光を放出するため生物の体にも高い効果を及ぼすが、単純な破壊力という点では他の魔術に著しく劣る。



エルクラップ・マーレ(エル)

 第10大隧道の表通りで診療所を開く医師。

 丸々と太った温厚そうな見た目にたがわぬ穏やかな性格で、患者を安心させる物腰と確かな技術のため診療所の評判は高い。

 キャラバとは冒険者時代からの顔なじみであり、時として無茶な頼みを聞いてやることも。彼からは「エル」と呼ばれている。

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