大竪穴勢力図・主要組織解説
本項では、大竪穴に点在する主要な団体とその解説を記す。
・ギルド
商工業者や冒険者などによる、同業者組合。
大竪穴においては商業的役割の他にも、外界政府の力が及ばぬ中での公権力として、狭い地域を統括する地方政府のような役割をも担うことがある。
業種や規模は様々で、私兵を持ち、私鋳通貨や手形を発行して政府のような権力を振るうものから、単なる同業者同士の互助会に過ぎないものまで、各階層に無数に散らばっている。
・組合
兄弟組合の略。
第5大隧道を共同統治している、他の階層でのギルドのようなものだが、歓楽街である第5大隧道の情勢を反映し、その性質は多分に犯罪的な部分を含んでいる。早い話がマフィアのようなものである。
それぞれが統治する縄張りを持ち、縄張り内のもめ事の仲裁や様々な興行の仲介、事業の運営などを取り仕切っている。時に縄張りを巡って抗争が起きることも。
・バザール
大竪穴最大の商業地域である「空中市場」のギルド複合体。
空中市場の全ギルドが「運営委員会」を中心として結集したものであり、莫大な財力と私兵による武力を背景に、空中市場全体を小さな政府のようにして統治している。バザールの機嫌を損ねれば空中市場での商売は出来ないと言われるほどの権勢を誇る。
所属する各ギルドの間では水面下での権力闘争が絶えず行われているが、私兵隊の大部分が冒険者上がりからなるという事情から、冒険者ギルドの立場が最も強い。
・聖ジェマイアス教会
元々は外界の純粋人類が始めた宗教。
聖人ジェマイアスと、唯一の神を崇拝する一神教らしい。その教義から大竪穴の「魔神」の存在も認めず、厳格なジェマイアス教徒は古代魔術すら認めないほどである。
大竪穴にも冒険者と共に入ってきており、各階層に教会も造られている。時に『そとびと』の宣教師が降りてきて布教活動を行うこともあるが、魔神崇拝に阻まれて亜人への布教は進まずにいる。
・メイユレグ
魔神を崇拝する、『うちびと』の宗教結社。
正式には「メ=イユル=イェグ」といい、古代『うちびと』語で「真の世を成す」という意味である。
「導師」と呼ばれる幹部によって統括されるが、その活動は秘密裏に行われ、不明な点が多い。
「多様性による統一」「雑種主義」を標榜し、『うちびと』の容貌を賛美する。純粋人類をも含む、多種族による混血こそが理想としているらしい。一神教で魔神崇拝を認めない聖ジェマイアス教会とは不倶戴天の敵同士。
遥か昔に忘れられた謎の魔神「イユル=ゲマフ」を主神として崇拝しており、長い年月の末に逸失したイユル=ゲマフに関する資料を集めることも、主要な目的の一つである。