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大竪穴の歩き方  作者: 曲瀬 湧泥
大竪穴の設定集
4/6

「大隧道」について

 大竪穴(おおたてあな)は外界からまっすぐに下へ続いている竪穴で、内壁を螺旋状に穿った道が下まで続いている。その途中には無数の横穴が枝分かれしており、その中でも特に巨大なものを「大隧道(だいずいどう)」と呼ぶ。大隧道の内部はひとつの街がすっぽり入るほど広く、人類は踏査した大隧道にいくつもの都市を築きながら、大竪穴を下へ下へと進んでいく。

 下では、主要な大隧道とその特徴について解説する。



・第1大隧道

 最上層に位置する大隧道にして、全大隧道中唯一外界人によって掘られた大隧道。

 その位置と成り立ちから外王国の勢力が強く、大規模な憲兵隊も配置されている。また、文化の点でも外界の影響が色濃く見られる。主要な交通手段は、外界と同じく馬車。

 第1大隧道の竜列車駅には特別な通関が設けられており、『うちびと』の外出を厳しく統制している。これは『うちびと』を外界へ流出させないため、ひいては純粋人類との混血を防ぐためであるとされる。


・第2大隧道

 外界人類が初めて出会った大隧道。

 見渡す限り白い岩だらけの荒野が広がる不毛の地。かつては大規模な都市が存在したらしいが、今やその名残は朽ちかけた建物の土台くらいしか残っていない。

 外界から近いため観光に訪れる者もいるが、その数はわずかである。竜列車駅の前にはひなびた町が広がり、そうした観光客を相手にした商売でなんとか成り立っているようだ。

 第1大隧道に留まったり外界に戻ったりするには金が足りず、それでいて深層に潜って一攫千金を狙うことも事情により出来ない、スネに傷持つ連中が吹きだまっている場所。


・第3大隧道

 王立アカデミーの大竪穴出張研究所を擁する、学問の都。

 その関係から『うちびと』研究に協力する亜人が多く、大竪穴の中でも最も亜人と純粋人類とが違和感なく共同生活を営んでいる街と言える。一方で階層の浅さから『そとびと』の行き来も盛ん。

 新聞社の本社などもこの階層にあり、新聞の原稿はここから下の階層の魔導印刷機へと送られる。


・第4大隧道

 大竪穴最大の農園を有する、大竪穴の食糧供給源。

 一般的に大竪穴の太陽苔は外界の太陽と比べて光量が少なく、温度も低いが、第4大隧道は太陽苔の密集地帯であり植物の育ちやすい環境となっている。加えて、人工的に太陽苔を養殖して作った投光装置「光塔」により、本来大竪穴では育てられなかった果実・タバコ等の外来種も栽培が可能になった。


・第5大隧道

 大竪穴随一の大歓楽街。

 魔導灯で彩られたいかがわしい店が立ち並ぶ、眠らない街。酒、女、ギャンブルから麻薬に至るまで、考えられる限り全ての快楽はこの街に集中する。ひと山当てた冒険者は、まずここで豪遊するのがお定まり。

 亜人も少なくないが、外界からの観光客も多いため、どちらかといえば容貌を隠して暮らしがちである。

 組合(フッド)と呼ばれるマフィアによって、地域ごとに分割統治がなされている。


・第6大隧道

 ほぼ踏査済みの大隧道。街に飲み込まれず残った遺跡も郊外に多数存在するが、ほとんどが冒険の末目ぼしい財宝を持ち去られた後の状態であり、今では史跡兼公園として観光名所となっている。

 かつて冒険の最前線だったころの賑わいを今でもかすかに留めてはいるが、全体的に落ち着いた雰囲気の街。「猥雑でありながら静か」とも形容される。

 住んでいるのは商人や職人が多く、特に職人の中には、冒険ブームが去った後も腰を据えて工房を営んでいる名工が少なくない。


・空中市場

 第6と第7の中間、竪穴の内部に名前通り浮かんでいる巨大商業地域。

 内壁から生えた無数の大木が絡みあい、土台を形成している上に、幾つもの商店が営業している。元々は冒険者たちが竪穴の端同士でものをやりとりするためにロープ等を張ったのが、次第に発展して現在のような形になったらしい。

 深層から上がってくる遺跡の秘宝と、外界からやってくる物資、さらには第5大隧道から流れ込んでくる怪しげなカネまでが交差する、大竪穴随一の商業地域である。

 内部は「バザール」というギルド複合体によって統治されている。


・第7大隧道

 「深層」の始まりとでも言うべき大隧道。

 浅い部分には踏査が進み、都市も出来始めているが、未だ未踏査の遺跡・迷宮も多く、訪れる冒険者は後を絶たない。

 一方で亜人部族と冒険者との融和も始まっており、都市部では亜人を労働者とした工場なども建てられている。


・第8大隧道

 深層のうちでも『深み』と称される未踏査領域を多く持つ、未だ未開の大隧道。

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