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大竪穴の歩き方  作者: 曲瀬 湧泥
「冷血探偵」の世界
1/6

「冷血探偵」主要登場人物

 連載作品「冷血探偵」において、主に3作品以上に登場する人物を紹介しています。

 その人物が登場する話も付記しておりますので、読み進む際の参考にでもしていただければ幸いです。

 なお、展開の上で重要な点は出来る限り書いていないつもりですが、登場話やそこでの行動などどうしても若干のネタバレを含んでおりますのでご注意ください。

・ベク=ベキム

登場話:「冷血探偵」シリーズ全話

 連載作品「冷血探偵」主人公。蜥蜴人種(リザードマン)の男で、大竪穴の一角に「コールドブラッド探偵社」として事務所を構える私立探偵。

 エメラルド色の鱗に覆われた体と、歪んだ半月型をした瞳を持つ大きく黄色い目、針のような歯がびっしりと並んだ口、先の割れた青い舌を持つ。

 外出する際にはその異貌を隠すため、黒のフェルト帽を身につける。色彩感覚・ファッションセンスは人とズレているらしく、激しい色や模様の服を好む。

 左手には大地の魔神・ゲム=リガゲメトとの契約印が刻まれている。使える魔術は、無機物に魔力をまとわせて銃弾のように撃ち出すというもの。砂埃を撃ち出すことで、空気中に魔力をまとった砂の壁を作ることもできる。普段は白手袋をはめて契約印を隠している。

 年齢は不詳だが、年寄りではないにしろもう若いとは言えない齢のようだ。

 軽口や冗談を好むが、あまり評判は良くない。

 生粋の亜人で深層生まれらしいが、かなり若いころ人類の住む階層まで登り、王立アカデミーで研究の手伝いなどをした後、事務所を設立し探偵稼業を始めたようだ。



・マフィ・エメネス

登場話:「こちらコールドブラッド探偵社」

     「ブリング・バック」

     「かくて幕は降り……」

     「探偵 マフィ・エメネス」

     「血と冷血 (エピローグのみ)」

     「カーテン・コール」

     「怪盗バップ・ホッパーの愛情」

     「太陽館の人々」

     「激震」

     「はてなき夢の涯」

 猿人(エイプマン)の血を引く若い女性。空中市場の外縁部に古道具屋を構えている。が、その実態は、ありとあらゆる品物を捌くギルド無所属の故買屋である。

 栗色のぼさぼさ髪に丸顔。灰色のツナギなどを着て、常に四肢を隠しているが、その隠した四肢には髪と同じ栗色の体毛が生えている。短い尻尾もあるらしい。外出時には、様々な武器や道具を隠したロングコートを羽織ることもある。スミレの香水を愛用し、好物はビン入りのハッカ水。

 亜人と呼ばれることに対し強いコンプレックスを持っており、普段は猿人の特徴を隠して暮らし、「猿」や「亜人」といった言葉を聞いたり、その特徴を露出させられたりすると、烈火のごとく怒る。

 猿人(エイプマン)の特徴として強い腕力があり、戦闘となればその膂力を活かしてメイスを振り回す。また、強力な火器をも反動を恐れず使いこなす。魔術を使うことは出来ないが、単純な物理武器を次々にコートから取り出して戦う戦闘スタイルは対魔術戦闘でも十分に脅威となる。



・ジギー

登場話:「こちらコールドブラッド探偵社」

     「ファントム・レディに捧ぐ」

     「探偵 マフィ・エメネス」

     「カーテン・コール(エピローグのみ)」

     「荊のはら

     「激震」

     「はてなき夢の涯」

 空中市場の酒場『空に星』亭に勤める若きバーテンダー。

 整った顔立ちに、完璧な歯並びを備えた青年。その両手には、長い指の先までびっしりと契約印が刻まれている。遠目からは、レースの黒い手袋をしているように見える。属性の異なる幾多の魔神と契約を交わしており、あらゆる属性の魔力を操ることが出来るが、印自体が小さいため魔力は小さい。これは戦闘用ではなく、カクテル作りのためにわざわざ刻んだものである。

 常にバーテンダーとして愛想の良さを崩さず、完璧な歯並びを見せて笑う顔からは真意が読み取れない。笑顔の裏で策略を巡らす腹黒い一面もあるが、反面、酒のこととなると少年のように夢中になることもある。

 元は「そとびと」だったが、5年ほど前にカクテル作りに古代魔術を使うことを考え付き、大竪穴に降りる。契約印を刻んでもらう代金として多額の負債を負い、その代償に『空に星』亭で雇われることとなった。雇われびとの身ではあるものの、『空に星』亭の露骨な異郷趣味には嫌悪感を持っており、特にオーナーのザナ・ステラに対しては、その悪趣味と権勢欲とに激しい憎悪を抱いている。自分が自由になるためにも、ことあるごとにザナを陥れようとしているようだ。

 酒場の上得意であるベキムとは良好な関係だが、時に自分の策略に利用しようと企むことも。



・ヴァーニ・ジョルダンスン

登場話:「ブリング・バック」

    「かくて幕は降り……(名前のみ)」

    「血と冷血」

    「カーテン・コール(エピローグのみ)」

    「一なる根より生ずる」

    「はてなき夢の涯」

 考古学者。王立アカデミーの名誉教授にして、第3大隧道に設置されたアカデミー出張研究室の教授。『そとびと』。

 短い白髪を綿毛のように生やし、丸眼鏡をかけた小柄な老人。専門分野は『うちびと』の民俗学的研究で、その道では外界でも権威として尊敬を受けている。本人は外界のアカデミーにはほとんど顔を見せず、もっぱら大竪穴の研究室と深層とを行ったり来たりして研究に精を出している。

 70歳を超える老齢だが未だかくしゃくとしており、背筋もぴんと伸びている。会話の中でどもる癖があるが、専門分野である『うちびと』のことを語る際にはどもりがウソのように消える。

 探偵事務所を開く前のベキムを研究助手として雇っていたことがあり、その縁で未だにベキムを息子のように思い、「若い方(ジンナ)」「美しい緑(ジュナ・ゲール)」などの古代『うちびと』語のあだ名で呼んでいる。



・バルナバス・ボルゴ

登場話:「ブリング・バック」

    「稲妻の歌を聴け」

    「荊のはら

    「激震」

    「はてなき夢の涯」

    短編「夜のモンストロ・ビート」

 第5大隧道の翡翠通りを仕切る組合(フッド)(マフィアのようなもの)の長。

 巨猪人(オーク)と見まごうばかりの巨体を持つ肥満漢。後退しだした髪に垂れた頬、落ちくぼんだ目をしており、瞳には常に悲しげな色が浮かんでいる。太い指に巨大な指輪をいくつもはめている。

 冷酷非情で、他人を痛めつける命令を出す際にも表情一つ変えないが、鷹揚なところもある。また、娘が一人いるらしく、その娘のことは深く愛しているようだ。

 大勢で集まって食事をするのが趣味という変わった嗜好を持つ。大掛かりに準備された豪勢な晩餐は芸術作品であると考えているが、自身は体格に似合わず小食であり、準備させた晩餐を処理するため常に組合の構成員や客人を多く集めて食事をする。

 また、音楽にも造詣が深く、自ら所有するナイトクラブでは演奏するバンドを自身で選んでいる。



・『禿げ』

登場話:「こちらコールドブラッド探偵社」

    「カーテン・コール」

    「一なる根より生ずる」

    「激震」

 バザールの汚れ仕事をこなす雇われエージェント。本名は誰も知らず、ただ『禿げ』と呼ばれているらしい。

 年齢はまだ中年といったところだが、頭頂部から禿げが進行し、既に前髪が妙な形で残るのみとなっている。軽装の下にチェインメイルを着込み、両の腰にダガーを提げる。

 ブーツには風の魔道具が仕込んであり、風を噴射して体を浮かすことが出来る。ある程度の距離であれば空中を走るように移動したり、高く跳びあがったりすることも可能。また、横方向に噴射すればホバーの要領で高速移動することも出来る。噴射移動で突進し、獲物をすれ違いざまに2本のダガーで切り裂くのが得意の戦術。

 バザールの走狗として働く自分の境遇も若くして禿げあがった頭も、ひとしく笑いのタネにしてしたたかに生きるタフな男。



ジュジュ=ザズー

登場話:「カーテン・コール」

    「荊のはら

    「激震」

 冒険者ギルドに所属する炎の女魔導士で矮鬼人コボルト鳥人バードマンのハーフ。が、その正体は『うちびと』秘密結社メイユレグの構成員である。

 明るくつややかな桃色の髪に赤褐色の肌、すらりと手足の長い細身の体を持つ。美しいがやや鋭くきつい印象を与える顔立ちをしており、矮鬼人コボルトの血筋を示す目の上の小さな角がその印象を増している。また、うなじの周りには鳥人バードマンらしい白い羽根も生えている。

 物に当たると爆発する青い光の帯を魔導杖から放つ魔術を得意としている。また、奥の手として、頭蓋骨に刻んだ契約印から発する魔力を瞳に集めて放射する「邪視イビルアイ」という魔術を使う。

 メイユレグの導師であり親代わりであった人物をベキムに殺され、その復讐を狙うが……。



・ティルザ

登場話:「子らを悼む歌」

    「カーテン・コール」

    「熱き鋼に」

    「激震エピローグのみ

 冒険者くずれの雇われ剣士。

 かつてはバザールの冒険者ギルドに所属していたが、仲間内でのいざこざから離反。今では剣の腕を売って用心棒や傭兵として生活しているらしい。カネ次第でどんな仕事でも請け負うが、本当に追い詰められた際には雇い主をあっさり見捨てる冷徹さも持ち合わせる。

 痩身に短く刈り込んだ黒髪、吊り上がった目が特徴。使用する片刃剣は深層の技術で鍛造されたもので、刀身には波型の「焼き」が入っている。縦横無尽の跳躍と、抜き打ちからの鋭い一閃を武器とする剣術を使い、その腕前は冒険者ギルドにも一目置かれるほど。

 ベキムとは、お互いの雇主次第で敵対もすれば協力もする、いわば「プロ同士の関係」。



・ジャムフ(片目のジャムフ)

登場話:「ブリング・バック」

    「かくて幕は降り……(名前のみ)」

    「子らを悼む歌」

    「カーテン・コール」

    「荊のはら

    「一なる根より生ずる」

    「激震」

    「はてなき夢の涯」

 深層を拠点とし魔神を崇拝する謎めいた宗教組織・メイユレグの「導師」と呼ばれる幹部。

 痩せた長身に、色とりどりのぼろきれを継ぎ合せたような異様なコートを身にまとい、同じ布で出来た眼帯をかけて、異名どおりに左目を覆っている。コートのえりについたひだと、ぼさぼさの黒い長髪で、顔の大部分を覆い隠している。

 ほとんど常に謎めいた笑みを浮かべており、口走る言葉は詩かなにかのようで掴みどころがない。亜人を「同胞(はらから)」と呼び、来たるべき「真の世界」に近しきものと考えているらしい。その出自や目的は謎に包まれている。

 強力な魔導士でもあり、古代『うちびと』文明によってつくられたらしい異形の魔導杖を携帯している。非常に強い魔力を操る上、本来反発しあうはずの別属性の魔力を同時に扱うという芸当までこなす。また、亜人の居場所を感知する力もあるようだ。

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