プロローグ
読んでいたただいて嬉しいです。
自分自話を作るのが遅いので次の作品をアップするのが遅くなりますがよろしくおねがします。
俺、古河 志木は中学の最後の夏が終わる頃、ずっと好きだった一人の後輩に告白した。
名前は川瀬 夏希。
きっかけは些細な事だった。
夏休みの宿題である読書感想文の本を借りる為に図書室にいったところ、図書委員だった彼女に俺が一目惚れしてしまったのだ。
肩ぐらいまである綺麗な黒い髪、それにはんするほどの白い肌。
身長はそんなに高くなく、俺の肩ぐらい。
見た瞬間電撃が走った感情に包まれた。
それからは夏休みに入るまで図書実に通いつめた。友達と協力してアドレスも教えてもらうことが出来た。
現在彼氏はいないらしい。
それを知った俺はあまりしつこくならないよう、メールをした。
その成果が出たのか夏休みに入ると一緒にどこかに出かけるほどの仲までになった。
そんななかで、彼女への思いは俺の心の中でどんどんつよくなっていく。
そして夏休みが終わり、緑だった葉が赤く色つく頃に俺は告白したのだ。
屋上へ続く階段を登り、ドアを開けると眩しいほど赤い夕日が回りのすべてを包んでいた。放課後の屋上ということで人もいない。告白するのにもってこいのシチュエーションだった。
俺は気持ちを落ち着かせるために屋上から見える町の景色を見た。
思えば、生まれてからじっくりこの町を見たことなんてなかった気がする。
この町は、都会といえるほど大きくはないが海も近くて遊ぶところが多いのでなかなか人気もあるようだ。
最近では、いろいろな会社がショッピングモールやビルを立てたりしている。
俺はそんな変わっていく町を見ながら、少しの寂しさを感じた。
そうこうしているうちに約束の時間になった。
生徒は帰るようにと放課後の放送が近くのスピーカーから聞こえてくる。
ギギィ…
軋んだ音を出しながらゆっくりとドアが開いていく。
少し回りを見渡して俺を見つけると、ゆっくりとした足取りで夏希が少し顔を伏せながら俺の前で立ち止まった。
「ごめんよ、放課後に呼び出したりして。」
恥ずかしさと緊張で彼女の方を見ることができず、違う所を見ながらそういった。
「き、気にしないでください。どうせ帰っても暇ですから。」
彼女も緊張しているのか、少しきょどっている。
そういう所もかわいくて仕方ない。
「ありがとな。そう言ってくれると助かる。」
「は、はい。それで…、先輩。いったいどうしたんですか。いつもは図書室ぐらいでしか話さないのに、こんな所に呼び出したりして。」
夏希はあいかわらず、下を向いている。
やはり夏希も薄々勘ずいているのか、少しさぐってきているように感じた。
いよいよ決心をつける時がきたようだ。
告白の台詞を考えていたはずなのに、本人を目の前にして、どうやら忘れてしったようだ。頭のなかが真っ白になった。
しかし、目で夏希を見ると次第に言うべき言葉が浮かんできた。
「聞いてくれ夏希。初めて夏希を見た瞬間、俺はお前が好きになった。一目惚れだったんだ。」
言葉ひとつひとつを慎重に連ねいく。
「自分でもそんなのって笑えてくる。でも夏希と関わっていくなかでだんだんこの気持ちは本気だって思うようになっていったんだ。」
夏希は、あいかわらず顔を伏せたままただ静かに聞いてた。
「だから夏希。俺はもうあと少ししかない中学生活を夏希と過ごしたい。」
俺は、少し息を吸い込むと最後の言葉を口にする。
「俺と、付き合ってくれ。」
俺たち二人の周りを静寂が包む。
しばらくして夏希が顔をあげた。
「嬉しいです。先輩。もちろん、よろしくお願いします。」
夕日にも負けないくらい赤い顔の笑顔でそう言った彼女のその言葉を聞いた瞬間。
俺は彼女を抱き締めた。