闇に一筋の淡き光
コポ・・・
コポポポ・・・
水の音が聞こえる・・・
ここは何所だ・・・?
目を開けると、前は真っ赤でこの水は『不死の水』だと分かった。
体全体を見ると、数本のチューブが体に刺さっていた。
取ろうとしても取れない。深く刺さっているようだ。
そういえば、みんな元気かな・・・
あいつらだけで依頼こなしているかな・・・
そしてあたしは・・・
生きていけるのかな・・・?
意識が朦朧としてきた。
もう寝よう・・・
だけどもしかしたら、永久に起きる事がでいきないかもしれない。
死ぬかも知れない。
あたしはこれを最後に、意識を手放した。
「フレア!!!!!!!!!!」
大きな声がキーンと耳に入った。
それはとても懐かしく聞こえた。
あたしは天国にでも着てしまったか?
・・・いや、違った。
手足には紅色の鎖が巻き付けられている。
どうやらあたしは、地獄に来てしまったようだ。
と、思ったとき、モニターらしき物が現れた。
そこには大きくなった、あいつらがいた。
あたしはここにいるよ。
あたしの声は届かなかった。
今、この体を征しているのは『偽りの人格』
そしてここは、『闇の世界』
助けて、お願い、助けて!
声は虚しく闇に響く。
モニターからは、あいつらが偽りの人格と戦っていた。
どんどん傷つくあたしの家族。
お願いやめて!おまえたちが傷つく姿は見たく無いんだ!!
声はもう、無きものになっていた。
お願い・・・・止めてよ・・・あたし・・・・
ぽろり、またぽろりと雫が落ちた。
・・・だめ泣いちゃ・・・
振るえる手で涙を拭う。
だがぽろりぽろりと落ちる涙。
泣いちゃだめと分かっていても落ちていく涙。
それはとても綺麗な透明色だった。
それが闇に落ちた瞬間。
バタリ。
あたしの体倒れた。
おまえら・・・強くなったんだな。
そのときだ。
足元から淡い青色の光がホタルのように舞っていた。
あぁいよいよ、あたしもあの世に行くんだな。
待っていてお父さん、お母さん。
今、行くから・・・
「本当にそれでいいの?」
だっ・・誰?何所にいるの?
「私はあなたの望み。あなたはまだ死にたく無いんでしょ?」
でも・・・あたしの魂は消えかけているんだよ・・・
「ほら、あなたにも聞こえるでしょ?家族たちの声が」
あたしは耳を傾けた。するとあいつらの声が聞こえた。
「お願いです!死なないでください!!」
「死なないでくれよぉぉぉ!!!」
「姉さん死なないで!!!姉さん!!!!!」
「お願い・・・死なないで!!!!」
「俺は・・・まだおまえに大切な事を言ってねぇんだ!!目を覚ませよ!!!!!」
・・・おまえら、こんなに悲しまなくてもいいだろ。
「ね?あなたはまだ、家族たちには居なくちゃいけないの」
うん、そうみたいだな。あいつらがこんなんじゃ、死に切れねぇよ。
「それじゃあ、これを飲んで。飲めばまた生き続けられるわ」
あたしは、その液体を受け取った。
黄金色に輝く綺麗な液体だ。
ありがとうな。あたしの望み。
「いえ、それほどでもです、本当の私」
そして、その液体を飲んだ。
・・・体が燃えるように熱い。
その瞬間、光が滝みたいに降り注いだ。
バイバイ!!あたしの望み!!
「さよなら!!本当の私!!」
そして、あたしは闇の世界を貫け、意識が帰ったのは2・3時間後のころだ。
「ケホッケホッ、うぅっ・・・・」
「フレア・・・?」
「あぁそうだよ?それがどうかした?」
「フッ・・・・」
「フ?」
「「「「「フレアー!!!!!!!!!!!!」」」」」
ギュッ!!
いきなりあいつらが抱きついてきやがった!!
「やっ止めろ!!絞め殺される!!また死ぬ!!ギャー!!」
そこからあふれる涙と笑い声。
これで、あたしの長い闇は幕を終えた。
闇に一筋の淡い光~END~