今朝の夢ー4
私は近世西洋の世界に生きている。
夢見る小学6年生の女の子だ。
小学校卒業を控え、生まれ育ったこの地を去るという運命にあった。
それは今、着用している黒いフードのついたローブにある。
魔法学校へ進学するという証だ。
これは能力によって定められたもので、ある時、郵便受けにその通知が入っている。
小学校の通信簿から何某かの情報伝達があるのか・・・魔法学校の先生達が巡回して探しているのかは分からない。
故郷を出るにあたり、私はこの街の探索に出掛ける。
小遣いがなかったため、街の中心部にまだ行ったことがなかったのだ。
今、季節は秋、実りの秋。
美味しい食べ物に、黄葉が見られるだろう、胸がわくわくドキドキしている。
黄色い大型バスに揺られ、車窓を眺めている。
緑一色だった風景が黄金色の麦畑に変わり、街中に近づくにつれ、赤茶色とオレンジ色のレンガ造り大きな白い窓枠のついた家が少しずつ増えていった。
目的地のバス停に到着。
そこは川の両岸に階段状の傾斜がある土地で、川の流れと共にずっと続いている。
なだらかに左右に流れる川の地形に、いくつかの時代を経ている古びたレンガで作られた家々が所狭しと並んで建ち、家と家との間の小道が迷路のように見える。
「なんて素敵なんでしょ!まるで本で読んだおとぎの国のようだわ」
そう叫んで、先ずは腹ごしらえと思い、昼食を食べる所を探しに行く。
街の住人に美味しいおすすめのお店はないかと聞いて回り、誰もがすすめるお店がここだった。
階段状になっているこの街の最上段の場所から伸びる坂を上がった所に、デンと立つクリーム地に緑色の線で囲まれた大きな看板に、その店の名前が書かれている。
「爆裂バーガーキングキャプテン」
なんというか・・・どこで切って呼んでよいのか、意味不明だが・・・。
バーガーキング・キャプテンなのか、バーガー・キングキャプテンなのか?
店構えは古き良きカントリー調のデザイン・アーリーアメリカンスタイルで、平屋で奥が深く、玄関先の軒が広く、そこに幾つものテーブルセットが並び、大勢の客で賑わっている。
玄関の大きな扉や窓は全開放され、そこから暗がりの中での様子が少しだけ垣間見える。
「ジュウージュウー」と肉が焼ける音と、「カシャンカシャン」とヘラを合わせる音、そうして肉の焼ける美味しそうな匂いが漂ってくる。
店内に入ると飴色のガスランプの光の下、真ん中に厨房があり、大きな鉄板を木製のカウンターがとり囲み、カウンターチェアが置かれ、テーブルセットが小気味よく並んでいる。
鉄板を操るのは、もしゃもしゃとした黒髪のバイキングさながらの大男で、太い腕が目を引く。
ダラダラと大粒の汗をかき、焼けるパテと闘っている。
どうやら店の名前は、「爆裂バーガー・キングキャプテン」だと思った。
そう思っていると、近くの優雅なドレスを着たご婦人が話しかけてきた。
「ねえ、あなた。ここの隣にある隠れたお店には行ったの?」
「いいえ。今日、田舎から出て来たばかりです」
「ならば、ぜひ行って欲しいわ」
そう推し進めてくるので、私は一旦食事するのを止め、隣の店へ足を運んだ。
隣と言われて外に出てはみたものの・・・目当ての店はどこなのかパッと見た目には分からない。
ぐるりと辺りを見ましてみると、砂を固めた広場の周りに白い柵が施してある。
左手から中央は開けていて、その下は崖のようだ。中央から右手の白い柵の向こうには落ち葉色のパッチワークのような田園風景が広がっている。
問題は左手の白い柵が終わった所から山際までに立つ、三張の横並びの大きなテント型店舗だ。
各々の特大テントの中には、ログハウス店舗が二つほど並び、可愛い雑貨や海産物などを売っている。
意外に店舗同士の間隔は狭く、ログハウスの前はバルコニーになっていたり、木製の歩道やレンガの歩道があり、花壇があったりと、ふんわりとした雰囲気が漂っている。
ここのどこかだろうが、どの店も隠れてもいないし・・・どこにでもある普通のお店だ。
店の前の木製の歩道を歩いてキョロキョロしていると、若い女性の店員が話しかけてきた。
「お店を探しているの?」
「ええ、隠れたお店があると聞いて・・・」
「それならば、入口はこっちよ。ついてきて」
彼女はスタスタと歩き出し、店と店の間の狭い横道を通り、二つのテントの境にあるアールコーブへと連れて行った。こんなところから入るなんてと思う。
そこにはクリーム地の漆喰塗りのアールコーブに、腰の高さほどの小さな白い窓枠のついたドアがあり、そこから地下へと続いているように見える。
アールコーブの横には手の平ほどの歪な四角とも丸ともつかない小窓が四つ並んでいる。その窓から中を覗き込んでみると、地下が見え、そこには時代を感じさせる広そうな図書館が見えた。
「なんて、素晴らしいの!」
「そうね、たくさんの蔵書があり、それはいつ頃からのものなのかは見当もつかないみたいよ。見て分かるとおり、地下図書館ね。二階建てになっていて、今、見えているのは、二階部分。一階の方が年代も古く、ジメジメとした洞窟の中にある感じ。だけど二階は、カラフルな本たちと白や緑で出来た木製の本棚のお陰で明るくて素敵な空間が広がっているわ」
「本当に!おもちゃ箱みたいだわ!」
「そこのドアから入るのよ、気を付けていってらっしゃい」
そう言うと、彼女は立ち去って行った。
漆喰塗りの腰高のドアを開けて、びっくり!
大きな空間が広がっているかと思えば、人がやっと入れるほどの部屋の先に、瞳型に開いた隙間があるだけで、その奥に白い階段が見える。
ここ、潜り抜ける感じ?入るかな?途中、胸の辺りで引っ掛かったらどうしょう?
誰も助けにこなかったら?と、不安ばかりが募った。
だが、ここから入らない限り、図書館には辿り着けないと思ったら、私は頭からその隙間に突っ込んでいた。入ってみると、柔らかいのか・・・スルリと抜けて、階段に立っていた。
白い階段を下りると、右手奥にある白い大窓から光が差し込み、心地よい風が吹いてくる。床や壁、天井はやはりクリーム地漆喰で塗られ、書棚は白い木で出来ていて、縁は緑色で装飾され、可愛すぎる~。と、夢み心地だった私の視界は次第にぼやけていった・・・。
(*この図書館は本も販売していて、入場料が必要だった。入口が知る人ぞ知る!だから、隠れたお店と呼ばれているらしかった。)
ここで場面は切り替わり・・・。
私は親友を連れて、また、この図書館へやって来ていた。
小学校の友だちである彼女は、華奢でふんわりとした感じの女の子。
彼女も文学少女だったからうまが合った。
いつも放課後は学校の空き教室や運動場の木陰で、二人で妄想の世界に浸って遊んだものだ。
だからこそ、彼女をここへ連れて来たかった、きっと感動する、私には自信があった。
「ここよ、すごいんだから。この小窓から中を見てみて!」
私の隣から小窓を覗き込むと、彼女は直ぐに私に振り返り言った。
「ふーん」
え、それだけなの?私は足から力が抜けていくようだった。
「それよりさ、隣のお店『爆裂バーガーキングキャプテン』美味しそうじゃない?私たちの村にはないよね!食べてみたいな~」
「う、うん、じゃあ、先に食べに行こうか・・・」
地下図書館の感動を分かち合い、たくさんおしゃべりしょうと思っていた私は、とても落胆した。
「ところでさ、魔法学校の案内が来たって本当?」
「う、うん。そう言えば、学校休みだったし、言ってなかったよね」
「おめでとう。これから、離れ離れになるね・・・」
そこで、彼女には通知が来なかったことを知る。そこから、言葉が続かない・・・。
「いいの、魔女になろうなんて思ってないから」
その言葉を聞いて、私は白い柵に向かって走り出していた。そうして柵を飛び越え、空中へと飛び立っていた。黒いローブを広げ、風でゆっくりとグワングワンと満ち干する重い穂を垂れた麦畑の波を遊飛行していた・・・。
*ここで目覚めた。この地下図書館は夢にたまに出てくる。親友の女の子は、実在する子が出演(笑)してくれた。そうそう、バーガーのお店の看板には、メインバーガーの絵が描いてあり、パンはあまり見えず、たくさんのレタスの下に肉汁滴るパテがデンと収まっていた。食べて見たかったなあ~~~。(笑)




