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夢物語  作者: 雪の花
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今朝の夢ー2

私は母と蕎麦を食べに出掛けていた。

山の中腹を開墾してできた平屋づくりの古民家が、その目的の蕎麦屋だ。

赤い軽自動車に乗り目的地に着くと、人影はまばらで、繁盛している様子はない。

確か「美味いおすすめの店」ランキング上位に掲載されていたはずなのに・・・。


土を均し固めただけの広い駐車場は、奥の方に普通車が3台ほどまばらに停めてあるだけで、後はどこに停めてもどんな停め方をしてもよさそうだ。

私は店の入り口近くに車を停めた。

店の軒先には土産物屋があり、民芸品や昔懐かしいお菓子を売っていた。老夫婦とその孫らしき子ども、それに若いカップルが買い物をしている。

彼らを通り越して、母と共に店内に入ろうとした時だ。


空が一瞬で灰色の雲に覆われ、その雲の中からバリバリと轟音をたてて、黒いオスプレイ型の戦闘機が数機、蕎麦屋の駐車場目がけてやってきた。

慌てた私と母は駐車場を抜け、山中に逃げ込んだ。他のお客もバラバラ店内から出て来て、方々に逃げている。

脅しだけで、着陸する様子は見られない。が、しかしだ、逃げるしかない。

空中を旋回しているからだ。

私は母を前に行かせ、彼女の腰を押し、むき出しの険しい山肌を登ってゆく。

「このまま母を連れて・・・逃げ切れるのだろうか?」と不安が押し寄せてきた。

息が上がってきたのと、迫りくる恐怖の拍動が私を満たしている。

バクバク。



そこで場面は切り替わる。



私は豪華客船で一人旅をしている。

大きな船体にホテルのような客室、レストラン、カジノ、劇場、噴水広場にプールと何でも揃っている。

船体の脇には長い廊下のような白いバルコニーが設えられ、そこから海面や近くの陸地の様子が存分に見え、停泊地に着くと、そこから下船できた。


そのバルコニーに隣接された噴水広場には、噴水と南国の植物が植えられ、大理石で出来た長椅子が所々に置かれ、乗客が寛いでいる。


ここに、いくつもの鏡のない洗面台だけが並んでいて、みんないつも歯を磨かなければならない。

私も歯を磨こうとするが、またもや歯磨き粉がない。

そう言えば・・・さっきもその前も誰かに歯磨き粉を借りたなあと考えていると、顔見知りのショートカットの気の強そうな女性がやって来た。

私は彼女に歯磨き粉を貸して欲しいとお願いする。

彼女は、

「この間も貸したよね」

と、手厳しい。

そうして、彼女は自分の歯ブラシに、ぐにぐにぐにゅうと歯磨き粉を出している。ちょっと出し過ぎじゃないかと、私は心の中で思っている。

仕方がないなあと思っていると、隣にひょっこりやって来た人が歯磨き粉を差し出してきた。

私は御礼を言って貸してもらい、歯を磨いた。

歯を磨いた後って、スッキリするはずなのに、なぜかその爽快感はない。


今度はバルコニーに人が集まってきて、どうやら見えてきた陸地に下船するようだ。

乗客の中に有名俳優夫妻が乗っていると言う話が持ち上がり、甲板はその話でもちきりになった。だれもが彼らを探していた。

船は静かに停泊し、バルコニーから人々が下船していくのが見えた。


着いたところはなんだか見覚えがある。

むき出しの山肌の先に、広場のようなものが見える。上陸した人々は、曲がりくねった山道を上り、その広場を目指していた。

上ってゆく人群れの中に、ひときわ目立つスタイルの良いカップルの後ろ姿が見えた。ああ、そうだ、彼らが有名俳優夫妻だと私は直感で思った。

男性は白いシャツに紺色のズボン、女性は黒地に黄色と赤色の花模様が入った短いチャイナドレスを着ていて、すらりと伸びた両足がとても綺麗だ。

靴裏だけが赤い、黒いピンヒールがよく似合っている。


私は船内で、なぜか下船するのを躊躇っている。


有名俳優夫妻を目で追っていた私は、彼らが山道を上りつめ、向かう先に見えた古民家を見て・・・驚愕した。


これは・・・あの・・・蕎麦屋・・・ではないか・・・。


バクバク。

胸が騒がしくなり、嫌な予感に包まれていた。





ここで私は目覚めた。


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