第8話
こんばんは。
猫耳ラジオへようこそ。
この物語は、夜の小さな部屋から始まるラジオの物語です。
まだ誰も聞いていない配信。
それでも、誰かに声を届けたい。
そんな思いで始まった、小さなラジオ。
もしよければ、
少しだけこの配信を聞いていってください。
第8話 友達に教えた
その日の配信も、静かに始まった。
「こんばんは。」
「猫耳ラジオです。」
視聴者数。
4
こはるは少し笑う。
「今日は……また増えてますね。」
コメントが流れる。
「こんばんは」
「今日も来た」
こはるはゆっくりコメントを読む。
「ありがとうございます。」
そのとき。
新しいコメントが流れた。
「友達に教えた」
こはるは少し驚く。
「え?」
思わず声が出た。
「本当ですか?」
コメント。
「うん」
こはるは少し黙る。
胸の奥が少し熱くなる。
誰かが。
このラジオを。
誰かに教えてくれた。
こはるは小さく言った。
「ありがとうございます。」
窓の外を見る。
星が静かに光っている。
こはるはマイクに向かって言った。
「まだ小さいラジオですけど。」
「聞きに来てくれて嬉しいです。」
その夜。
猫耳ラジオは。
ほんの少しだけ。
遠くまで届き始めていた。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
猫耳ラジオは、誰も聞いていない配信から始まる物語です。
それでも、続けていればどこかで誰かに届く。
そんな小さな願いを込めて書いています。
もしよければ、これからも
こはるのラジオを少しだけ聞いていってもらえたら嬉しいです。
また次の夜の配信でお会いしましょう。




