第10話
こんばんは。
猫耳ラジオへようこそ。
この物語は、夜の小さな部屋から始まるラジオの物語です。
まだ誰も聞いていない配信。
それでも、誰かに声を届けたい。
そんな思いで始まった、小さなラジオ。
もしよければ、
少しだけこの配信を聞いていってください。
第10話 また来る
その日の夜。
こはるは少しだけ緊張していた。
猫耳ヘッドホンをつける。
レインボーの光が静かに揺れる。
配信開始。
「こんばんは。」
「猫耳ラジオです。」
視聴者数。
7
こはるは少し笑う。
「今日は多いですね。」
コメントが流れる。
「こんばんは」
「今日も来た」
こはるは嬉しそうに言う。
「ありがとうございます。」
そのとき。
コメントが流れた。
「登録した」
こはるは一瞬止まる。
「え?」
コメント。
「チャンネル登録」
「また来る」
こはるは少し黙る。
胸の奥が温かくなる。
こはるは小さく言った。
「ありがとうございます。」
窓の外を見る。
星空。
静かな夜。
こはるはマイクに向かって言った。
「まだ小さなラジオですけど。」
「これからも続けていきます。」
猫耳ヘッドホンの光が、静かに揺れていた。
そして。
猫耳ラジオは。
少しずつ。
誰かの夜に届き始めていた。
ここまで読んでくださり、ありがとうございます。
猫耳ラジオは、誰も聞いていない配信から始まる物語です。
それでも、続けていればどこかで誰かに届く。
そんな小さな願いを込めて書いています。
もしよければ、これからも
こはるのラジオを少しだけ聞いていってもらえたら嬉しいです。
また次の夜の配信でお会いしましょう。




