表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/27

動物使いの電卓

 私の電卓は少しおかしい。


 何がおかしいかって、キーを押したときに発せられる音色が変なのだ。


 普通、音がなるにしても、いかにも電子音らしいピピピって感じだと思う。それなのに、この電卓はムミョーンみたいな音がする。初めこそ面白がった私だったけれど、不気味に思うようになってずっと放置していた。


 携帯やスマホの普及によって、電卓の出番がなくなったというのもある。そのまま押し入れの中で眠り続け、月日が流れた。


 ある日のこと、九歳になる娘が電卓を発見した。娘は鍵盤楽器のように叩いて音を自在に操った。我が娘ながら天才だと思った。


 しばらく好きなようにさせていたところ、不思議なことが起きていることに気付いた。彼女が電卓をたたいていると、決まって動物が集まってきて思い思いに舞い踊るのだ。野良犬や野良猫が縁側でダンスする光景を見て、私は思わずスマホを構えた。


 私がその動画をアップしてみたところ、瞬く間に話題となり、チャンネル登録者数が爆増した。各地のイベントに引っ張りだこになった。私も鼻が高かった。そんなある日。有名な砂浜に建つ海の家で行われるイベントに呼ばれ、娘はいつものようにムミョーン電卓を叩いた。


 ――どのような動物が集まってくるのだろう。楽しみだ。


 私は胸を弾ませた。はじめは多くの鳥が飛んできて、演奏する彼女を取り囲んだ。美しい光景に拍手があがる。しばらくすると、たくさんの魚が砂浜に打ち上げられ、海水浴客は面白がりながら、何が起きたのかと目を丸くしていた。


 そのとき、沖のほうから複数の三角形の背びれが向かってくるのが見えた。見たこともないような大きな三角形だ。私の心臓はドラムのように重低音を奏でだした。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ