25/27
不揃いの棚
私はいつもゴミに目を光らせている。
このゴミ屋敷にある棚は、それぞれ高さも傾きも奥行きも違う。色んな形の棚が乱立している。棚に収まっていないものすら転がってある。だからこそ良いのだ。
こんな環境を許容できない何者かが無理矢理にあらゆる角を切りそろえて整然と並べ直したところで、そんなものは虚像幻妄にすぎない。
人は理解活動を行うためにそうした整理をして、わかっていないことをわかったことにして、とりあえず仕分けてしまう。それこそ無意味である。いや有害でさえある。
とびきりわかりにくいものがみつかると倉庫におしこめたり、ひどい場合には廃棄する。
だから私のようなゴミを拾わんとする者が必要なのだ。
私はおかしなことを言っているだろうか。
いやいや、全くおかしくない。
きみは正しく隠者だよと誰かに言われたら、私はその誰かの見識を認めてあげたいと思う。
自尊心の高いホームレスだと誰かに言われたら、私はその誰かの騎乗精神を讃えたいと思う。
おまえがゴミだと誰かに言われたら、私はその誰かの慧眼を認め、どこかの誰かに拾われるのを待ちたいと思う。
いつまでも。どこまでも続く不揃いの棚のそばで。




