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黒十二色
エリアスは古びた時計を屋根裏で見つけました。その時計を進めると、予測できない美しい十二色の虹が現れ、エリアスはそれをみんなに見せることで親しまれるようになりました。エリアスは得意になって、何度も何度も人々に虹を見せました。
しばらくすると、一色の黒い吹雪がたびたび村を襲うようになりました。世界は色を失っていき、気付けば周囲は闇ばかり。絶望が広がります。
エリアスは世界を再び彩ろうとして、何度も十二色の虹を出して対抗しましたが、吹雪は一向に収まりません。永遠とも思える時間それは続きましたが、彼はついに、時計を逆に進めてみることを思いつきました。
彼は、まず時計の歯車をこれまで回してきた分だけ逆回しにしました。その瞬間です、十二色の黒吹雪が時計から飛び出し、世界を複雑な黒色で染めきって、その後で世界が色を一挙に取り戻したのです。
エリアスは喜びに包まれた後で、落ちていた時計をじっと見つめました。




