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もっともすばらしい質問で賞
宇宙飛行士に向けて、質問が飛び交っていた。
当時はまだ今ほどほんわかした時代ではなく、一番よい質問をした子を表彰することになっていた。
クラスで最もIQが高いと噂されるメガネは、机を叩いて皆を黙らせると、天井を突き抜けて宇宙まで届かんばかりの勢いで、まっすぐに手を伸ばし、質問した。
「宇宙飛行士さん。宇宙空間では時計はどう進みますか?」
宇宙飛行士は質問を真摯に受け止め、とても科学的な返答をした。哲学的でもあった。メガネは満足して座った。
ところが、彼の質問は一位には選ばれなかった。
かわりに、天然な女の子が放った、「おやつは何をもっていったんですか、バナナはおやつに入りますか?」というのが最も良い質問とされた。
それは、宇宙飛行士とクラスみんなとのやりとりが最も盛り上がったからだ。好きなおやつは何かという質問から始まり、宇宙食の話題に広がり、子供たちの眼が輝いたのである。
メガネは自分の敗北を理解した。そして、宇宙飛行士になるには、コミュニケーションが最も大事なのだと悟り、彼自身もまた、人々の目を輝かせることができる宇宙飛行士を目指したいと思うようになったのだった。




