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イフライン・レコード/IfLine Record 〜ファンタジー地球に転移した俺は恩寵(ギフト)というぶっ壊れ能力で成り上がっていく!〜  作者: mitsuzo
第三章

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088「2004年の真相③」



「⋯⋯まーこれが我々『天罰(ラース)』が組織されたきっかけであり目的だ」


 賢者(ワイズマン)はそう言ってお茶を一杯飲む。


「あんたの話だと俺たち転移者は『チート能力を使って無双したい』という『攻撃的な衝動』が起きるということだったが⋯⋯⋯⋯それは今回の転移者である俺たちにも言えるのか?」

「まーそうだな。ただ、その『衝動』には個人差があるとは思うぞ」

「へー⋯⋯そうなんだ。個人差ね〜」


 ソラは思った。



(あれ? それ俺のことかな?)



 とりあえず、ソラが「賢者(ワイズマン)には気づかれないようにしよう」と思ったのは言うまでもない。しかし、


「そうなんだ⋯⋯じゃないだろ? 私はお前のことを一番心配しているんだぞ?」

「⋯⋯あれ?」



(バレテーラ)



「バレてないわけないだろ? 特にお前が昨年やらかした『魔物暴走(スタンピード)鎮圧』の記者会見で『レベリングのボーナスステージかと思ってました』なんて自分で言い放ってたじゃねーか。あのセリフを聞いたら『こいつ、やばい奴だ』って思うの普通だろ!」

「⋯⋯な、なるほど」


 賢者(ワイズマン)に完全にバレたことで、さっきまで隠そうとしていた自分にすごく恥ずかしくなったソラは賢者(ワイズマン)の顔をまともに見れなかった。


「まー、ただソラの求める力の動機は『裁定者(ジャッジメント)』とは全然違うがな」

「え? それって、どういう⋯⋯?」

「お前⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯ただチヤホヤされたいだけだろ?」

「うっ!!(※図星)」

「ハッハッハ⋯⋯わかるぞ、その気持ち! 大なり小なり、私たちだってそういう願望はあるし、そもそもその願望の強い者たちが自称神様のロキに選ばれて、この『世界』にやって来たわけだからな」

「そ、そう言ってくれると⋯⋯助かります」



 やめたげて。もう俺のHPはゼロよ。



********************



「さて、これで一通り必要な話ををしたのだが⋯⋯最初にも言ったようにソラには今のところ我々組織への加入は求めていない。それよりも⋯⋯」

「現転生者の捜索⋯⋯か?」

「そうだ。一応、天罰(ラース)では『三人』の情報は掴んでいる。しかし『一人』だけどうしても足取りが全く掴めていない」

「え? そうなのか?」

「ああ。唯一その一人だけはまったく情報が見つからないのだ」

「⋯⋯へー? じゃあ、俺にさせたいのはその行方のわからない転移者の捜索ってこと?」

「そうだ。あと、捜索だが⋯⋯できればソラには一人一人の転移者に直接会いに行って話をして欲しいと思っている」

「直接会いに行って話す?」

「そうだ。それで転移者を仲間にして帰ってきたら100点満点だな!」

「できるか! ハードル高過ぎだろっ!!」


 最初の初対面の時に比べて、だいぶ賢者(ワイズマン)とは気さくにしゃべるようになっていた。まー賢者(ワイズマン)が気を遣っている部分もあるだろうし、こっちが『素』っぽくてしゃべりやすいというのもあるのかな? とはいえ、こちらとしても賢者(ワイズマン)と話してて楽しいのでこのしゃべりのノリは悪くない。


「そんなわけで、とりあえずソラにはしばらく単独で動いてほしい」

「いや、唐沢と胡桃沢は同じ探索者集団(シーカー・クラン)メンバーだから連れてくぞ?」

「もちろんだ。さっきの話は今すぐってことではないからな。それよりも召集がかかるまでにお前も含めて唐沢君も胡桃沢君ももっと強くなって欲しい。せめて、三人ともが探索者(シーカー)レベル『80』まで上げてくれるとありがたい」

「⋯⋯わかった。じゃあしばらくはダンジョン探索を中心にレベリングに集中するよ」

「うむ。頼んだぞ⋯⋯ソラ」

「ああ」



 こうして、新年早々の『食事会』は幕を閉じた。



********************



 賢者(ワイズマン)との話が終わったソラは、みんなのところへ戻り昼食を共にした。賢者(ワイズマン)はこの後夕方の炎呪や不師斗(ふしと)といった『天罰(ラース)関係者』への連絡や準備があるということで食事会には参加せず出かけて行った。


 食事会も終わり、夕方までは少し時間があるということで『屋上にある展望台のテラス』でお茶しようということでみんなで移動した。


 ちなみに、胡桃沢の家の屋上に『展望台』があるということを聞いてソラと唐沢の二人が驚いたのは言うまでもない。




「うわぁ! すげえ景色だな、おい!」

「⋯⋯そうだな」


 唐沢が一人テンション高くはしゃいでいる。「まったく恥ずかしい奴め⋯⋯」とニヒルなセリフを吐くソラだったが、こちらも唐沢同様ソワソワしていた。


「ところで、さっきは何の話だったんだ、ソラ?」

「結構長い間、話してたみたいだけど⋯⋯?」

「ん? あ、いや〜⋯⋯『天罰(ラース)』に入るのは俺たちのためでもあるんだぞ⋯⋯みたいな話をされたよ」


 ソラは「『転移者』の話をするのは今はマズいのかな〜」と判断できなかったため、とりあえずその話は避けて話をした。


「私たちのため?」

「ああ。組織に入れば『(おぼろ)』も簡単には手を出せなくなるから⋯⋯と言ってたな。あとは俺たち個々のレベルアップを言われた」

「個々のレベルアップ⋯⋯ダンジョンか」

「ああ、そうだ。とりあえず俺たちはダンジョンでのレベリングが先だな」

「ソラ君も?」

「ああ、そうだ。二人よりも強いって言っても、俺は俺でもっと強くなることを求められているからな。それに俺の『恩寵(ギフト)』で二人もより早くレベリングができるから、まーやることは変わらん」

「そっか。わかった! 私も頑張ってレベル上げる! レベル上げて、少しでもお父様の役に立てるようになるわ!」

「俺も! 今よりももっと強くなって勝己さんの手伝いをするぜ!!」


 二人とも気合十分という感じだった。


 ま、俺は俺でもっと強くならないとな。


 まず直近の目標としては『賢者(ワイズマン)超え』といったところか。


 そんなことを考えながら、ソラは手元にあるコーヒーをグビッと一気に飲み干した。




 そして、時間はあっという間に過ぎ、夕方となった。


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