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イフライン・レコード/IfLine Record 〜ファンタジー地球に転移した俺は恩寵(ギフト)というぶっ壊れ能力で成り上がっていく!〜  作者: mitsuzo
第二章

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034「レア物①」



「レア物?」


 いつものようにダンジョン関東B6へと行く前にギルド本部に用事があったので足を運ぶと、ちょうど琴音さんを見かけたので挨拶をした。すると開口一番「ソラ君! ちょっといい?」と言いながら結構な勢いで飛んできて、


「レア物って知ってる?」


 と唐突に聞かれた。


「レア物?」

「うん。あのね、レア物っていうのはね⋯⋯」


 そう言って、琴音さんがレア物について説明を始めた。


——————————————————


『レア物』


・ダンジョン内で稀に出現する魔物のこと。出現する確率が異常に低いので滅多に遭遇しない

・レア物は虹色に輝いているので一目でわかる

・レア物を倒すとレアアイテムを落とすが、その中にはレアな魔法書やスキル書などもある

・レア物の特徴を軸に『高火力系』『高防御系』『高敏捷系』と三種類に分類されている


『高火力系』—— 遭遇率0.1%未満。レア中のレア。ドロップするレア度も強さも三種類の中ではぶっちぎりのトップ。ただし、遭遇率が低い上に遭遇したら返り討ちにされる可能性が非常に高いと言われる⋯⋯つまり普通に強い魔物でもあるので、S・A級以外の下の探索者(シーカー)たちからは人気がない。というか『出会いたくない魔物』と言われている。


『高防御系』—— 遭遇率3%未満。レア物中2番目のレア度。ドロップするレア度も強さもトップには及ばないものの探索者(シーカー)の中でも数が少ない『治癒系』『防御系(バフ・デバフ含む)』のレアアイテムやレアな魔法書・スキル書が出てくるので、遭遇率が低く、且つ、強い魔物である『高火力系』よりも『高防御系』のほうが人気が高い。


『高敏捷系』—— 遭遇率5%未満。レア物の中では割と遭遇できる魔物。レア物の中で一番遭遇率も高く、且つ、低探索者(シーカー)(ギリギリD級ランカー程度)でも倒せる程度の魔物ということもあり、現実的に一番の人気の高いレア物。ただし、たまにA級でも苦戦するほどのレア物が出現することも。レア物の中で唯一レア度と魔物の強さに『幅』があるのが特徴(A級〜E級)。


——————————————————


「滅多に遭遇しない魔物⋯⋯ですか」

「そう! 元々は『レアな魔物』って呼ばれてたんだけど、いつしか『レア物』って略称で呼ばれるようになったわ。ちなみに、そのレア物って虹色に光ってるのよ」

「虹色? 何かいかにもって感じですね」

「うん。だから出てきたら一目でわかるわよ。でね? 実は今ソラ君が通っている関東B6ってレア物の出現頻度の高いダンジョンなのね」

「へーそうなんですか」

「うん。でね、そのレア物の中でギルド的に欲しい『レアなスキル書』をドロップするのがいるの」

「え? レアな⋯⋯スキル書?」

「うん。そのスキル書のスキルは『魔力洗浄(マナクリーン)』っていうスキルなの」

「⋯⋯魔力洗浄(マナクリーン)?」

「そのスキルの効果は『体内魔力の(よど)みを解消する』というものなのね⋯⋯」

「体内魔力の⋯⋯澱みを解消⋯⋯?」


 ん? 意味がわからないぞ? 体内魔力の澱み? どゆこと?


「あはは⋯⋯ごめん、ごめん。スキル名と効果を聞いたくらいじゃわからないわよね」


 と、「ごめーん」という仕草をする琴音さん。可愛い。⋯⋯などと思っていたら急に怪しげな笑みを浮かべながら話の本題へと入っていった。


「フフフ⋯⋯実はね? この体内魔力の澱みが解消されたらすごいことになるのよ⋯⋯」

「は、はあ⋯⋯」


 ずいぶん、勿体ぶってるな。でも、琴音さんのそういう仕草も⋯⋯⋯⋯いいね(グッ!)。


「聞いて驚きなさい、ソラ君! この体内魔力の澱み⋯⋯これを解消するとぉぉ〜〜⋯⋯⋯⋯デデデデデ⋯⋯⋯⋯デデン(※セルフ演出)! 誰でも魔法やスキルを100%(・・・・)獲得できるようになりまーす!」

「え? ええええええええええええええっ?!」


 なっ?! そ、それって、


「そう! つまり、誰でも探索者(シーカー)になることができるってことでーーすっ!!!!」

「そ、そんなスキルが、あるんですね⋯⋯」

「ちなみに、そのレア物に関しては100%確実にそのスキル書をドロップするの。だから、もしそのレア物に遭遇して『魔力洗浄(マナクリーン)』のスキルをゲットしたらギルドに報告して欲しいんだっ!!」


 と、上目遣いで懇願してきた。


 あざとかわいいあざとい。


「で、でも、それを報告したらスキルを獲得した俺に何かさせるってことですよね? ていうか、まず間違いなく『探索者(シーカー)希望者』を全員魔法とスキルをゲットさせて探索者(シーカー)にさせようって魂胆ですよね?」

「あ、バレた?」

「はあ⋯⋯わかりますよ、それくらい」

「でも、ちゃんと『協力金』出すわよ? 一人に付き『10万円』ほど」

「え? 一人に付き10万⋯⋯⋯⋯ですかっ?!」


 ほほぉ〜?(ニチャァ)


「ただし、ギルドとしては誰でも探索者(シーカー)にさせたいとは思っていないわ。むしろ、逆よ」

「逆?」

「そ! もし、このスキルをゲットして誰でも意図的に探索者(シーカー)にさせられる環境ができれば、ギルドとしては『人選』にかなりの重きを置きたいと考えているの」


 琴音さんの話では、誰もがなれるものではない『探索者(シーカー)』という職業に就けた者たちは、その後の傾向として『調子に乗って一般人や低級探索者(シーカー)を馬鹿にする傾向が多い』らしく、そのため、ギルドとしては『探索者(シーカー)』になる者の人選を厳しくしたいらしい。


 そして、ゆくゆくは『ギルド側が求める探索者(シーカー)探索者(シーカー)希望者に教育させるシステムを作りたい』というのが目的の本丸とのこと。


 なので、『魔力洗浄(マナクリーン)』をゲットしてギルドに協力してもらえれば、一人につき10万円支払うくらいギルドからしたら『安い買い物』なのだそうだ。


「もちろん、ソラ君の予定を最優先に考えるし、仮にお願いすることになっても月1回程度よ。もちろんソラ君が稼ぎたいのであれば回数を増やすことにこちらとしては歓迎はしても困ることはないわ。まーいずれにしてもソラ君の探索活動に支障が出ない程度の協力だから、そこだけは安心して!」

「わ、わかりました。それなら、もしそのレア物に遭遇してスキルをゲットしたら報告しますね」

「本当?! ありがとう!!」

「ちなみに、その『魔力洗浄(マナクリーン)』のスキル書を落とすレア物ってどういう魔物なんですか?」

「そのレア物の名前は『クイックビー』。虹色に光る大型蜂の魔物よ」


 琴音さんの説明によると、このクイックビーという魔物は大型蜂という魔物で、体長が3メートルある蜂らしい。しかも、このクイックビーは『高敏捷系』でありながら体当たりで突っ込んで攻撃をするらしく、その一撃を食らうとC級ランカーでも体力を半分近く削られるとのこと。


 おまけに、蜂なので毒針を持っているのだが、それを無数に(・・・)飛ばすらしい。ちなみに体長3メートルの図体のくせして、その飛ばす針は一本15センチほどの小ささでそれが数百飛んでくるとのこと。


 尚、一本でも刺さったら致命傷になり、下手すると死ぬらしい。少なくとも数本突き刺さったら命は確実にないとのこと。⋯⋯なかなかのハードモードでは?


「レア物って言葉だけ聞くとラッキーな魔物って思われるのが多いけど、それはあくまでB級以上のランカーくらいからね。むしろレア物はダンジョン内で強い部類に入る魔物だから、出会ってもまるで歯が立たない探索者(シーカー)も大勢いるわ。ただ、今回のこのクイックビーは『高敏捷系』でA〜E級と強さに幅はあるけどまだ倒しやすいレア物になるわ」

「⋯⋯わかりました。とりあえず遭遇したら頑張ってみます」

「よろしくね。あ、でも、別にギルドからの命令とかそんなんじゃないから。ソラ君の都合優先でいいから!」


 話では、俺以外の他の有力な探索者(シーカー)探索者集団(シーカー・クラン)にも依頼しているらしい。ちなみに、初めてこの依頼をしたのは10年前らしく、それ以降一度もそのレア物『クイックビー』は出現していないらしい。


 レア物の中では割と遭遇しやすい『高敏捷系』にしては「遭遇率悪くね?」と思って、そのことを琴音さんに尋ねたら、


「そうなの。10年前より以前は割と遭遇率は高かったんだけどね。もしかしたら10年前から『生態』が変わったかもしれないって言われているわね⋯⋯」


 なるほど。その可能性はあるかもしれない。


 でも、もし、本当にそのレア物の生態が変わったのが原因なら遭遇はあまり期待できないかもな。


「わかりました。とりあえずできるだけのことはやってみます」

「ありがとう! よろしくね、ソラ君!」


 こうして、俺はそのレア物の捜索⋯⋯『クイックビー捜索』もダンジョン活動のかたわら始めた。ていうか、


「本当にこんな魔物がいてスキルをゲットしたらまず間違いなく使うよな〜⋯⋯唐沢と胡桃沢に」


 そう。もしこの『魔力洗浄(マナクリーン)』をゲットできたら、ギルドには俺個人の希望として唐沢と胡桃沢には面接なしで『魔力洗浄(マナクリーン)』を使うことを認めさせるつもりだ。⋯⋯ていうか『決定事項』だ。もし、それを断るならギルドには協力しないつもりだ。


「ま、いずれにしても『魔力洗浄(マナクリーン)』をゲットしてからの話⋯⋯だけどな」


 とはいえ、心の中では二人が探索者(シーカー)になれれば探索者集団(シーカー・クラン)を結成したいという夢が実現できるので、正直何としてでもこのスキルをゲットしたい。


「かなり厳しいかもしれないが⋯⋯」


 と、言いつつも俺は心の中でメラメラとやる気の炎を燃え上げていた(ボッ!)。


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