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イフライン・レコード/IfLine Record 〜ファンタジー地球に転移した俺は恩寵(ギフト)というぶっ壊れ能力で成り上がっていく!〜  作者: mitsuzo
第二章

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029「竜ヶ崎真司の現在(2)」



 ということで、その治験データを取るべく高校に入学してすぐに『探索者(シーカー)資格講座』を受けると、二日目の実践講座中にすぐに魔法とスキルの獲得に成功した。


 その時、顔には出さなかったが実はかなり驚いていた。というのも、中学卒業近くの時、父上から「今度新薬の治験データを取るために治験者として協力して欲しい」とお願いされ了承した後、次に父上の紹介で優秀な探索者(シーカー)が家にやってきて初級の魔法とスキル獲得のコツを教えてもらったことがあった。


 レクチャー後、探索者(シーカー)から初級魔法『ファイヤバレット』の魔法書と初級スキル『身体強化』のスキル書をもらい、魔法とスキル獲得を試してみたが、その時は何度やってもうまくいかなかった。


 だが、父上に「これを飲みなさい」と開発中の『魔力強化薬』を渡され、それを飲むと、何というか⋯⋯胸の下⋯⋯鳩尾(みぞおち)あたりがボワッと熱くなるのを感じ、その後、再度魔法とスキルを試してみたら簡単に獲得できた。


 それは、かなり衝撃的な経験だった。なんせ、ついさっきまで魔法とスキル獲得が何度やってもできなかったのだから。とはいえ、父上が言うには「たまたまお前の魔力の質や量が平均より高かったからうまくいったのだろう。本来一般人の魔力量や質は平均よりかなり低いからこうはいかない」ということだった。


 話によると、どうやら僕は普通の人より少し魔力量が多く、魔力の質もいいらしい。父上が頭をクシャクシャッと力強く撫でながら誉めてくれた。すごくうれしかった。


 そんなわけで、その後高校入学まで魔力量と質の向上を目的にこの新薬を飲み続け、入学式の日、その足でギルドへ行き、『探索者(シーカー)資格試験』を受け、合格とみなされ、探索者(シーカー)身分証を発行してもらった。


 本当はすでに初級魔法とスキルは獲得していたのでギルドにステータスを確認してもらえればすぐに合格となり、探索者(シーカー)身分証は発行してもらえるのだが、父が言うには「周囲へのアピールが必要だ」ということだったので、あえて(・・・)試験を受けて一発合格をもらうという形を取ることにした。


 ただ、そのおかげでギルドが用意した『ファイヤバレット』の魔法書と『身体強化』のスキル書はすでに僕が獲得したので無駄になったのだが、父曰く「初級の魔法書やスキル書はすぐに手に入るものだし、私のほうでギルドに『色』をつけて魔法書とスキル書を提供したから特に気に病むことはない。大事なのは周囲へのアピールなんだ」ということだった。


 まー『無駄じゃなかった』のであればいいのかな⋯⋯。


 ちなみに、今回かなりの人数が試験を受けにきていた。ていうか、ほとんどがウチの高校の同級生だったと思う。結果は僕だけが合格だったけど。


 やはり、僕はモノが違うのだなと。父上も「新薬の効果も多少はあるが、それ以上にお前の魔力の質や量が平均以上あってこそだ」と言っていた。つまり、元々の潜在能力は高いということなのだろう。


 実際、試験が終わった後、ギルド職員から副ギルドマスターという人の部屋に案内された。何でも副ギルドマスターから直々に指名があったとのこと。


 話によると、高校生で探索者(シーカー)試験に合格した者はギルドの職員から『将来有望』として、必ず声をかけられるらしい。ただ、今回のような副ギルドマスターが直に声を掛けるということは異例中の異例だそうだ。


 そうして、その副ギルドマスターという奴の部屋に行った。入ると、重厚な机に姿勢良く座る一人の男がいた。金髪のオールバックと目立つ髪色ながら顔は狐目で飄々としている感じ⋯⋯⋯⋯まるで「何を考えているのかわからない不気味な男」というのが第一印象だ。


「只者ではない」と思いながらも呑まれないよう少し身構えていると、彼がいきなり人懐っこい笑みを浮かべた。


「っ!?」


 さっきまでの『不気味さ』が一瞬で消え、今目の間には『頼りない上司』という感じの『何とも情けない中間管理職のような男』がヘコヘコしながら立っていた。


 そんな彼⋯⋯⋯⋯名前は『橋爪』というらしいが、そいつが「さすが竜ヶ崎真命様のご子息ですね! かなりの才能溢れる若者だと聞いておりますぅ〜!!」とゴマすり全開で近づいてきた(すりすり)。


 次に橋爪は「真司様には、今後のダンジョン活動をスムーズに進めてもらい最速でA級になれるよう全力でサポートさせていただきますぅ〜!」と言ってきた。


 おそらく、僕の父上と関係性を築きたいとでも思っているのだろう。「底の見える浅い奴だ⋯⋯」と思いながらも僕にとっては悪い話ではないのでその申し出に乗っかった。


「ありがとうございます。今後ともぜひよろしくお願いします」


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